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暮らしのヒント集

「ミカンを見ると」
“静岡はミカンの産地でしたが、近頃と違うところは、ミカンを食べ終えると皮を干して燃料にしたことです。ぱちぱちとよく燃えました。お手伝いの火の番をしながら、かまどの前で比較的きれいな皮をあぶって妹とかじった思い出は何年しても忘れられません。この妹は、一緒に避難した同じ防空壕の入り口に落ちた焼夷爆弾で、祖父と姉と一緒に即死しましたので、今でもミカンを見ると、この時の惨状が目に浮かび、未だにミカンは食べたいという気持ちにはなれません。”


暮しの手帖社 今日の編集部