“好きなほうへ歩いてゆけば、いつでも、向こうから、さっと大きな扉がひらき、歩いてゆく道にはバラの花が敷かれ、さんさんと日の光りはふりそそぐ、などとおもったら、ひどい目にあうだろう。世界は、あなたの前に、重くて冷たい扉をぴったりと閉めている。それを開けるには、じぶんの手で、爪に血をしたたらせて、こじあけるより仕方がないのである。”
(『一銭五厘の旗』「世界はあなたのためにはない/1968年」)
“好きなほうへ歩いてゆけば、いつでも、向こうから、さっと大きな扉がひらき、歩いてゆく道にはバラの花が敷かれ、さんさんと日の光りはふりそそぐ、などとおもったら、ひどい目にあうだろう。世界は、あなたの前に、重くて冷たい扉をぴったりと閉めている。それを開けるには、じぶんの手で、爪に血をしたたらせて、こじあけるより仕方がないのである。”
(『一銭五厘の旗』「世界はあなたのためにはない/1968年」)