戦後直後の激動の昭和において、『暮しの手帖』の初代編集長・花森安治が、ペンの力で庶民の暮しをより良くしようと提言してきた散文、随筆、評論、コラムから厳選収録した選集全3巻を刊行します。1巻では、花森が敗戦後すぐに服飾評論家として世に出たころの「衣」を中心とした稀有な著述で構成。服飾デザインとは何か、身だしなみや着こなし、色彩感覚の大切さ、装いの基本を読者に伝えるとともに、ユーモラスな調子と時に毒をも持って説いた「ほんとうの美しさ」とは何か。花森安治の「衣」を通じた美学がつまった一冊です。
[目次]
Ⅰ章 『スタイルブック』と『衣裳』
おしゃれ心に灯を点けよう
スタイルブック 1946夏巻頭言
スタイルブック 1946秋巻頭言
働くひとのスタイルブック 特集号巻頭言
つくろうより、作ることを考える
デザイン読本 1
デザイン読本 2
デザイン読本 3
デザイン読本 4
デザイン読本 5
資料: 「衣裳の会」が生まれます
コラム: はじまりは、『スタイルブック』から
Ⅱ章 『美しい暮しの手帖』創刊
――花森安治の「衣粧」哲学
暮しの手帖巻頭言
暮しの手帖あとがき
『服飾の読本』
コラム: 『美しい暮しの手帖』創刊
コラム: 創刊号のファッションページ
Ⅲ章 衣裳研究所から暮しの手帖社へ
ほんとうの美しさは、真実の暮しから
風俗の手帖 1
続服飾の読本 1
続服飾の読本 2
続服飾の読本 3
続服飾の読本 4
続服飾の読本 5
暮し方の研究 2 お金の上手な使い方
解説 学習院女子大学名誉教授・増田美子
コラム: 花森安治の履歴書
資料: 花森安治と『暮しの手帖』年譜
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[著者]
はなもり やすじ
1911年、神戸市生まれ。松江高等学校を経て、東京帝国大学文学部美学美術史学科に入学。在学中より画家の佐野繁次郎に師事し、広告制作を手伝う。そこでコピーや、手描き文字、挿画、文字の組み方、色彩感覚を学ぶ。卒業後応召し戦地へ。病気除隊後、大政翼賛会の宣伝部に勤める。敗戦後の1948年、大橋鎭子とともに『暮しの手帖』を創刊、初代編集長となる。庶民に寄り添った衣食住の提案を行う傍ら、暮らしを脅かす戦争に反対し、環境問題に際しては、国や企業に対しても臆することなく鋭い批判を投じた。1956年 第4回菊池寛賞(花森安治と『暮しの手帖』編集部)、1972年 著書『一銭五厘の旗』が第23回読売文学賞(随筆・紀行賞)、同年に「日本の消費者、ことに抑圧された主婦たちの利益と権利と幸福に説得力のある支援を行った」との理由でラモン・マグサイサイ賞を受賞。
花森安治選集2 ある日本人の暮し 花森安治選集3 ぼくらは二度とだまされない
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