2005年に歌手生活60周年を迎えた、シャンソン界の重鎮・石井好子さんが、波乱に満ちた情熱の半生を記しました。
「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」で日本エッセイストクラブ賞を受賞した、軽妙な筆致でかつ味わいの深いエッセーをお楽しみ下さい。
[目次]
アズナブールに行きませんか
私のパリ祭1948年 砂原美智子ちゃんとパリのお風呂屋さん
カルダンのお美さんとテアトル・デュ・タンの伏屋さん
私の人生 私の仕事 私のオーケストラ ジュリエットと寺島尚彦
アムステルダム・オリンピック馬術選手遊佐幸平先生 韓国障害児の母、李方子様
問答有用 徳川夢聲さん ナチュラリスト365夜
府立第六高女 進駐軍ジャズ歌手第1号
発声法と呼吸法 マダム・カメンスキーとカスピア
パリの宝石店とル・トランブルーのメートル・ド・テール
北の港、ル・アーブル ドーヴィル・シャンソン・コンクール
モンマルトル共和国名誉市民 フーラジェールと由紀ちゃん
あこがれのダミア 1000年生きたかったジャコメッティ
さよならは言いたくない
あとがき
[著者]
いしい よしこ
1922年生まれ。42年、東京音楽学校(現東京藝術大学)声楽科卒業。戦後、ジャズに転向。50年にアメリカ留学、51年にフランスに渡り、シャンソン歌手としてパリを中心にヨーロッパで活躍。61年、石井音楽事務所を設立、加藤登紀子、岸洋子らを育てる。63年「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」で日本エッセイストクラブ賞を受賞。87年紫綬褒章。92年、フランス芸術文化勲章「コマンドール章」を受ける。2010年逝去。