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パンケーキの概念がかわった

2017年10月02日

パンケーキ02

パンケーキの概念がかわった
(90号「朝と夜のパンケーキ」)

連載「すてきなあなたに」で、料理家の細川亜衣さんが書いてくださった“発酵生地のパンケーキ”(本誌88号参照)が気になって気になって、熊本のご自宅まで作り方を教えていただきに行ってきました。
わたしもパンケーキが好きでよく作る定番のレシピがあったのですが、こんな困りごとがありました。
・作りやすい分量(玉子1コがベース)で作ると、どうしても余ってしまう
・それを冷凍して翌日に食べると、やはりおいしくない
・朝食に作ることが多いが、焼くのに意外と時間がかかってしまう

ところが、亜衣さんに教えてもらったパンケーキは、これを全て解決してくれました。
発酵生地なので前日に材料を混ぜておいて、冷蔵庫で一晩ねかせて翌朝焼きます。どちらかというとクレープに近い、うすいパンケーキなので、焼き時間もとても短い。あっという間に焼けてしまいます。
そしてそして、生地が余ったら、冷蔵庫で数日保存できるのです。これがとってもうれしい。
朝に甘い蜜とバターでシンプルにいただくのもおいしいのですが、タイトルのとおり、夜ごはんにももってこいなのです。よく炒めた野菜を生地に混ぜて焼くと、お好み焼きのような、でももっとさっぱりと、するっといただけて、なんともおいしい。
流行りの厚焼き&ふわふわパンケーキとは全く違いますが、焼き立てをハフハフいただくと、ほのかに甘く、もっちりした生地がなんとも言えない幸福感。ソースや具材の組み合わせを好みで変える楽しみ。
きっと10人いれば10通りの食べ方がありそうです。広がるパンケーキの可能性、お楽しみください。(担当:小林)

終了・『暮しの手帖』90号「かぎ針編みのまるとしかくをつなげて」作品募集中

2017年10月01日

◎下記の募集は終了いたしました。たくさんのご応募ありがとうございました。

発売中の『暮しの手帖』90号では、特集企画「かぎ針編みのまるとしかくをつなげて」を読まれて創作した作品の写真を募集しています。読者のみなさまに自由に発想していただき、手を動かして作り出す楽しさを分かち合うための企画です。
ご応募のなかから選考して、2018年3月24日発行の93号でご紹介する予定です。
詳しくは、90号(特集記事:52ページ~、応募要項:149ページ)をご覧ください。

●作品の応募方法
作品の写真を、以下の情報とともに郵送、またはEメールでお送りください

作品の写真:
写真は、1枚でも複数枚でも結構です。
メールに添付する場合、容量は合計5MB以下。できるだけはっきりと撮影してください

作品の情報:
制作者のお名前、ご住所、電話番号、作品についての説明、あればメールアドレスをお書き添えください

作品についての説明:
作品のサイズ、作った動機、工夫したポイント、使ってみた感想など
宛先:
〒169-0074
東京都新宿区北新宿1-35-20 暮しの手帖編集部「かぎ針編み作品募集」係
Eメール:kagibari@kurashi-no-techo.co.jp

応募締切:
2017年12月11日(月)。郵送の場合は当日消印有効

発表:
2018年3月24日(土)発行の『暮しの手帖』93号

●注意事項
・作品はオリジナルで、未発表のものに限ります
・お送りいただいた写真は返却できませんので、ご了承ください
・作品そのものは送らないでください
・誌面でご紹介する場合は、編集部からご連絡いたします。取材をお願いする可能性もあります
・ご紹介する方には、掲載誌を差し上げます

◎「Blog手帖通信」に掲載した担当編集者による記事の紹介は下記のリンクよりお読みいただけます。
http://www.kurashi-no-techo.co.jp/blog/editorsnote/170927

・「戦中・戦後の暮しの記録」にたくさんのご応募、ありがとうございました

2017年09月30日

「戦中・戦後の暮しの記録」にたくさんのご応募、ありがとうございました。
原稿募集は終了いたしました。

9月末日をもちまして、原稿の募集を終了いたしました。
編集部には、私たちの想像をはるかに超える数の原稿が届きました。次世代へのメッセージが込められた、みなさまからのお手紙のように感じています。大切に読ませていただきます。
また、「良い本をつくってくださいね」と励ましをいただいた方や、お電話で涙ながらにエピソードをお話しくださった方も、これまで数多くいらっしゃいました。
たくさんのご応募と、そしてご声援をほんとうにありがとうございます。
編集部は、これから来夏の刊行に向けて、みなさまにお応えできる本づくりに励んでまいります。

思い出に残る旅行を探して

こころに残る 家族の旅
『こころに残る 家族の旅』 小川奈緒 著
京阪神エルマガジン社 1,600円+税 装釘 藤田康平(Barber)

 待ちに待った連休! 家族旅行!! 夫婦の仕事や子ども達の習い事などの予定を調整して、家族が一緒に大移動する。家族旅行は本当に一大イベントです。それぞれの準備に費やしたぶん、思い出に残る素敵な旅にしたい。そうみんなが願うのではないでしょうか。

 本書では著者の小川奈緒さんが、夫や子ども、親と、同行する相手により変わりゆく旅の形を、それぞれのエピソードと共に、ありのままに綴った一冊です。
 
 家族が増えればハプニングも増え、決して気軽な旅とは言えなくなってゆきますが、それも良い思い出のひとつとして楽しんでいる様子が、微笑ましい一冊です。

 独り身だった頃の私は、東京から大阪の実家へ帰省する新幹線でさえ、品川駅からふらっと飛び乗るほどの気軽さでしたが、気がつけば昨年末の帰省は、1歳の子どもを連れて、まさに一年最後の大仕事となってしまいました。
 
 子連れで挑んだ初めての海外旅行でも、異国の景色にリラックスしている大人の横で、突然大声で泣き出す息子。まさに本書で小川さんが体験されたことと同じで、「わかる、わかる。そうなりますよねぇ」と、頷きながら頁をめくるのでした。

 色々な場面でグズる子どもに、お子様向けのプランをわざわざ用意しなくても、ほんの少しのアイデアで家族みんなが納得する旅ができたなら、なんとも嬉しい限りです。

 これからは、この本を片手に、わが家ならではの旅の形を探していこうと思っています。(山崎)

体の不調、ありますか?

2017年09月28日

げんきに
体の不調、ありますか?
(90号「げんきに歳を重ねたい」)

自身の体調管理に人一倍、関心がある編集長(澤田さんはこの10月で60歳)が、
「ぜひともやりたい!」と言って始まったこの企画。
当初、私(33歳と9カ月)には、全然ピンと来ませんでした。
私自身は、貧血、肩凝り、偏頭痛、毎日どれかひとつはあてはまるような有様ですが、もうそんな自分の体に慣れきっていて「みんな少なからず、不調があるものでしょ?」くらいに思っていましたし、「特別長生きしたいとも思わないしねー」なんて、強がりも言っていました。

ところが、抗加齢医学が専門のふたりのお医者様や、編集部(30代~60代)の皆に話を聞くうちに、そんな私の態度は「実は老いることを必要以上に怖がっていて、そのくせ自分の不調は見て見ぬふり、考えることから逃げていただけだった!」と気づかされたのです。

「老い」と向き合うには、「どう生きたいか」を、真剣に考えなければならないし、「体の不調」と向き合ったら、自分の意思で自分の行動を変えなければならない。
それは確かに、とても面倒なことです。
だけど、考え始めさえすれば、事態は確実に好転していきます。
気持ちが変わり、行動が変わり、心も体も、驚くほどすっきりします。
この記事を読んで、そのきっかけにしていただけたら、うれしいです。
どの世代の方にも、「生きやすくなる」ヒントがあるだろうと思います。(担当:長谷川)

あなたなら、なにを作りますか?──作品募集も!

2017年09月27日

かぎ針編み01

あなたなら、なにを作りますか?──作品募集も!
(90号「かぎ針編みのまるとしかくをつなげて」)

 秋の気配を感じ、編み物をしたくなる今日この頃。
今までは棒針派だったわたしですが、今年はかぎ針に挑戦したい!

 そんな思いで、手芸家の青木恵理子さんに「かんたんにできるかぎ針編みで、おもしろい企画を作りませんか?」とご相談してできたのが、この頁です。

 「複雑なモチーフより、シンプルな“まる”や“しかく”が好きなんです。ひとつひとつはかんたんに編めるけれど、使う糸の質感やつなぎ方によって、いろんなものに変化するのが楽しくて」と青木さん。なるほど、人によって発想するものが違いそうです。だったら、もの作りを生業とする方々に、まるとしかくでできる欲しいものを考えていただき、青木さんに形にしてもらったら、すてきなものができるんじゃないかしら…?!

 さっそく、3人の女性に欲しいものを考えていただきました。
彼女たちの発想は、青木さんの想像を上回るユニークなものばかり。写真はその中のひとつ、モヘアの“まる”をたくさんつないだショールです。空いた時間に、ひとつふたつと気楽に編めるのも魅力。自由な発想で、自分らしいアイテムを編む楽しさを、みなさまにも味わっていただけたら、と願っています。

 そして、この企画を楽しんでいただいた方へ、お願いがあります。
 
 みなさまが考えて作られた、まるとしかくの作品の、写真とコメントを編集部にお寄せください。来年発売の本誌でご紹介したいと思っております。詳細は本誌149頁をご覧ください。

 たくさんのご応募を、お待ちしております!(担当:平田)

かぎ針編み02

かぎ針編み03

晩ごはんをもっと手早く、気楽に作りたい! (90号「これで よゆうの晩ごはん」)

2017年09月26日

よゆうの晩ごはん01

よゆうの晩ごはん02

「あぁ、今日の晩ごはんは何にしよう」
朝ごはんを食べたばかりなのに、晩ごはんの献立のことが頭をよぎり、なんだか憂鬱な気持ちになる……。そんなとき、ありませんか?
恥ずかしながら、私はほぼ毎日、この「晩ごはんどうしよう」問題に頭を悩ませていました。
気持ちによゆうがあるときは食べたいものが自然と思い浮かぶのですが、週も半ばになって疲れてくると、いったい何を食べたいのか、家族に何をつくってあげたいのか、わからなくなってしまうのです。
この企画は、そんなふうに「晩ごはんづくりにちょっと疲れたな」と感じている方にこそ、役立てていただける内容にしたい! そう思い、料理家の上田淳子さんに、かんたんな下ごしらえをしておくだけで手軽にできる料理をご提案いただきました。
上田さんのレシピをもとに、さっそくわが家でも下ごしらえを実践してみることに。すると、時間的なゆとりだけでなく、驚くほど、気持ちにもよゆうが生まれるようになったのです。
特集の冒頭では、絵本作家のヨシタケシンスケさんに「下ごしらえのある暮らし」を描いていただきました。思わずクスッと笑ってしまう愛らしい絵を見ていると、「今日も下ごしらえがんばろうかなぁ」と、なんだか元気が湧いてきます。(担当:井田)

「澄んだ空に 大きなひびきが」  ──編集長より最新号発売のご挨拶

2017年09月25日

90号表紙

「いつの間に もう秋! 昨日は
夏だつた……おだやかな陽気な
陽ざしが 林のなかに ざわめいてゐる
ひとところ 草の葉のゆれるあたりに」
    (「また落葉林で」立原道造)

8月が終わり9月となって、まだ続く夏の名残の陽気のなかで、真っ青な空や、夕焼け雲を見たり、虫の声を聴き、昼の短さや風のつめたさを感じる日々。
どの瞬間にも自動的に上の詩の一節が降りてくるのです。
「いつの間に もう秋!」
若い詩人が、秋の到来に感嘆符までつけて、びっくりしています。
戦前の繊細な詩人と同列で語っては叱られるのですが、本当に夏ははかなく、秋ってやつは、あっというまに忍び込んでくる(春の到来より圧倒的に早い)。
昨日は夏だったのに……とぼくもそう思う者です。毎年、まいとし。
わあ、もう二学期かあ、とびっくりしてきたのです。
わあ、あの子はもう長袖だ! とかね。

そして『暮しの手帖』も、もう秋号! であります。
このひと夏、この新しい秋のためにみんなで企画、準備し、紡いできた1冊をお届けします。
どの特集がみなさまのお気に召すでしょうか? ぜひお手にとってご覧いただければ幸いです。明日からしばらく、編集部員たちがそれぞれの記事のご報告をいたしますので、どうぞお楽しみに。

ところで、立原の上の詩にはこんな一節もあります。

「澄んだ空に 大きなひびきが
鳴りわたる 出発のやうに」

この詩はボードレール「秋の歌」に由来する。

「昨日は夏だった 今はもう秋!
不思議な音が鳴り響く 出発のごとく」(澤田訳)

詩人たちは、どんな音を秋の日に聴いたのでしょうね?
それも毎年、ミステリーのように思うことです。
その音は、ぼくには計り知れないけれど、「出発のやうに」や「COMME UN DEPART(コム・アン・デパール)」って唱えてみて、背筋のしゅっと伸びる、気持ちのいい季節。
90号、出発です。

編集長・澤田康彦

終了・神田裕行さんのレシピをDEAN & DELUCAにて期間限定販売

2017年09月24日

9月25日(月)より、世界中の食材とおそうざいを取り扱うマーケットDEAN & DELUCAで、暮しの手帖社の単行本『神田裕行のおそうざい十二カ月』のレシピをもとにしたデリ・メニューが販売されます。

『神田裕行のおそうざい十二カ月』は、『暮しの手帖』の人気連載「新・おそうざい十二カ月」から、選りすぐりの62品をご紹介した単行本です(2017年5月発売)。

収録されている「トマト牛丼」「イワシの蒲焼き丼」に、著者・神田裕行さん指導のもとでアレンジを加えた「阿波牛とトマトのすき焼き飯」「うるめ鰯とクレソンの蒲焼き飯」が、東京のDEAN & DELUCA 3店舗にて、期間・数量限定で発売されます。

ミシュラン三つ星・神田さんのレシピを味わっていただける、またとない機会です。

近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りくださいませ。

また各店には、『神田裕行のおそうざい十二カ月』が置かれています。本をお手にとってご覧いただいたり、お求めいただくこともできます。
ぜひ、ご自身でも、レシピを読んで作っていただけたら幸いです。(長谷川)

発売期間:2017年9月25日(月)~10月1日(日)
取扱店舗:六本木店/有楽町店/品川店
※営業時間は各店へお問い合わせください。

DEAN & DELUCAのサイトは、以下をご参照ください。
http://www.deandeluca.co.jp/contents/detail.php?product_id=3246

大コピペ時代を生きる、みんなの教科書

正しいコピペのすすめ ―模倣、創造、著作権と私たち
『正しいコピペのすすめ ―模倣、創造、著作権と私たち』 宮武久佳 著
岩波ジュニア新書 860円+税

 ピラミッドにモナ・リザ、ビートルズ。みなさん、もちろんご存知ですよね?
 
 でも、実際にエジプトに行ってピラミッドを見たり、ルーブル美術館でモナ・リザを鑑賞したり、ビートルズの生演奏を聴いたという人は、どれくらいいるでしょうか。多くの人は、テレビ映像やインターネット上の写真、音楽CDといった複製、つまり「コピー」によって、そのすばらしさに触れたことと思います。

 本書は、そうした身のまわりにあふれるコピーについて、守られるべき著作権や、それが文化に果たす役割などを説いています。
「著作権」と聞くと、プロの作家やカメラマンが持つもの、と考えてしまいがちです。しかしスマホやパソコンが普及した現代においては、著作権を持つことも、それを侵害することも、いとも簡単なのです。ですから、いまや、みんなが著作権のルールを理解する必要性がでてきたのです。
 
 かくいう私も、恥ずかしながら、著作権について不勉強でした。本書を読みすすめると、驚きの連続。そして、宮武先生のやさしく丁寧な解説がスッと頭に入ってきて、まるで社会科の授業を受けているような気持ちになりました。

 「正しいコピペの作法」を身につけ、ルールを守りながら「模倣」すれば、それがやがて「創造」につながる。大切なのは、じょうずにコピペを用いながら、自分自身を成長させることのようです。
本書は、大コピペ時代を生きる私たちにとって、まさに教科書のような一冊。SNSを楽しんでいる方をはじめ、レポートを書く学生さん、会社で新聞をコピーしているそこのアナタも、ぜひご覧になることをおすすめします。(圓田)

楽しみも、悲しみも。人生は明日へと続いていく。

今日の人生
『今日の人生』 益田ミリ 著
ミシマ社 1,500円+税 装釘 大島依提亜

 著者の益田ミリさんは、30代女性の等身大の日常と心の持ちようを描いた「すーちゃん」シリーズなどで人気の漫画家。作品は「漫画」というひと言では括りがたく、登場人物の率直で鋭い視点や言葉に、同世代の女性をはじめ多くの読者から共感を呼ぶエッセイ的な要素が色濃いものが多いのではないでしょうか。

 この本で描かれているのも、日々の生活のなかの小さな出来事。それぞれのシーンにおける、ほんの小さな気持ちの揺れ動き。「機微」という言葉が思い浮かびます。辞書によると「表面だけでは知ることのできない、微妙なおもむきや事情。『人情の機微に触れる』」。そうした見過ごされやすい小さなこと、ふだん言葉にしかねて人と共有する機会のないこと。でも、益田さんは見事にそれらを掬い上げ、ゆるやかなタッチの絵と言葉で提示します。ふとむなしさを感じた日は、素直に、今日はむなしさを味わう日と考えたり、小さな子とおばあさんが歩いているのをみてほのぼのとしながら、無意識に口ずさんだのは、独り身の自分を歌った明るいメロディだったり。

 それらは、毎日うっすらと降り積もっていくような些事かもしれません。でも、そうして積もり重なったものが自分になっていくのではないでしょうか。益田ミリさんの作品には、大きなドラマはあまり起こりません。重厚で深いテーマであっても、日常のなかにある小さな欠けらを手掛かりに語られます。機微に、敏感に着目して描き出されるのです。だから、読むとハッとさせられ、そしてじんわりと心に響いてきます。

 「今日の人生」。何も起こらなかったような日の出来事、自分だけの小さな幸せ、ちょっと悔やまれる失敗、誰かの行いに対して怒ったこと。「人生」って、大部分はそんな小さな「今日」の積み重ねですよね。私たちも同じように、そんな小さなことを毎日経験しているけれど、無意識に通り過ぎたり、すぐに忘れてしまったり。

 今作では、大切な人とのお別れという大きな出来事も描かれます。でも、それはあくまで日常のなかで、楽しいことや怒ったことの続きとして静かに語られているのです。誰もがいつか経験する、この喪失感を、自分のなかでどう対処するのか。繰り返し湧き上がる悲しみと、どう付き合っていくのか。そんな毎日のなかでも、小さな幸せを感じながら、この本は終わります。

 そしてこの本は、内容はもとより、製本の工夫もおもしろい。本自体を楽しみながら読める仕掛けがいくつもあります。(宇津木)

・終了:「花森安治の仕事」展、岩手県立美術館にて開幕

2017年09月08日

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重実生哉(しげざねいくや)さんデザインの、黄色いタイトルパネルが青空に映えます

 2月の世田谷美術館を皮切りに、碧南市藤井達吉現代美術館、高岡市美術館と巡回してきた「花森安治の仕事 デザインする手、編集長の眼」展が、最後の会場である岩手県立美術館にて9月2日に開幕しました。
 岩手県内では、開幕前から展覧会をお知らせするテレビCMが流れ、開幕直前の特集番組も放送されました。そのためもあって、初日から大盛況で、『暮しの手帖』を長くご愛読くださっている方々の温かいお話をうかがうこともできました。
今回の展覧会では、『暮しの手帖』編集部OBの小榑雅章さん、また、現在小誌編集長を務める澤田康彦、それぞれの講演会を開催予定です(詳細は下記にて)。
 会期中は館内のレストラン「パティオ」にて、暮しの手帖社のロングセラー書籍『おそうざいふう外国料理』のレシピを参考にした、特別メニューが提供されています。身が厚く食感の良いアジを使ったマリネや、ジューシーなポークソテーなど、展覧会とあわせて、ぜひお楽しみください。
 会場の岩手県立美術館は、盛岡駅から徒歩20分、タクシーで5分ほどのところにございます。会期は10月15日まで。天井が高く贅沢な展示空間で、花森の残した表紙原画や広告などの手仕事を、どうぞご堪能ください。(担当:会田)

本展覧会は終了いたしました。たくさんのご来場に感謝申し上げます。

◎「花森安治の仕事 デザインする手、編集長の眼」
2017年10月15日(日)まで
岩手県立美術館
盛岡市本宮字松幅12-3
TEL 019-658-1711
詳細は岩手県立美術館のホームページにてご確認ください。
http://www.ima.or.jp/exhibition/temporary/20170902_1015_ex02.html

◎開催記念講演会1
「花森安治の『暮しの手帖』」
講師:小榑雅章氏(『暮しの手帖』元編集部員)
日時:2017年9月10日(日) 14:00~15:30

◎開催記念講演会2
「最新号に息づく花森安治」
講師:澤田康彦(『暮しの手帖』編集長)
日時:2017年9月30日(土) 14:00~15:30

※講演会に参加ご希望の方は、当日直接、館内ホールへお越しください。
参加無料です。

暮しの手帖社ホームページ内・花森安治特設サイト
http://www.kurashi-no-techo.co.jp/hanamorisan/

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広々とした会場内の様子

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「商品テスト」記事のパネル展示

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1世紀(1960年代)バックナンバーの壁面展示

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会場出口には、創刊号の世界に入ることができるフォトスポットが


暮しの手帖社 今日の編集部