1. ホーム
  2. > Blog手帖通信

色褪せない名作レシピをお試しください

2024年07月26日

色褪せない名作レシピをお試しください
(31号「『おそうざい十二カ月』より 夏の逸品」)

7月からBS松竹にて放送中のドラマ「ア・ターブル!~ノスタルジックな休日~」、ご覧いただいていますか? このドラマは、書籍『おそうざい十二カ月』と『おそうざいふう外国料理』が原案となっています。夫妻が仲睦まじく料理し、食べるシーンを見ていると、お腹がすいてきますよね。50年以上前のモノクロ写真から想像していた料理が、カラーの映像で再現され、食欲をそそります。
今号ではドラマ公開を記念して、『おそうざい十二カ月』の中から、夏におすすめの5品をご紹介します。選んでくださったのは、料理人の稲田俊輔さん。日頃からこの本を愛用するなかで見つけた、味つけの調整や調理の工夫も教えていただきました。
試作をしてみると、旬の食材をメインに、少ない調味料と工程で出来て、しみじみとおいしい。ドラマの主演・市川実日子さんは、インタビューで「幸せな味」と表現されました。
いまなお愛される名作レシピを、この機会にぜひお試しください。(担当:平田)

▼特設ページから、主演の市川実日子さんのインタビューをご覧ください。
https://www.kurashi-no-techo.co.jp/atable/

くよくよしたとて仕様が無い

2024年07月25日

くよくよしたとて仕様が無い
――編集長より、最新号発売のご挨拶

こんにちは、北川です。
最新号は、もうご覧いただきましたか?
表紙の絵は、いわさきちひろさんの「朝顔と3人の子どもたち」。夏休みといえば、時間を忘れて遊んで真っ黒に日焼けしたなあ……昭和の子どもだった私は、そんなことを思い出すのですが、いまの子どもたちはどうでしょう。忙しいだろうし、こんなに猛暑では、外遊びは危険だしなあ。なんだか、切なくなるのです。

今号は、全部で13本の特集記事を編みました。明日から一つずつ担当者がご紹介しますが、ここでは私が担当した「香川をデザインした男 和田邦坊さんを訪ねて」について綴りたいと思います。
和田邦坊さん、ご存じですか? 
香川の方も、とくに若い方は「和田邦坊??」と思われるかもしれません。ならば、社会科の教科書で「どうだ明るくなったろう」と百円札を燃やす「成金おじさん」の風刺漫画を見た記憶はありませんか? あれを描いたのが邦坊さんなのです。
1899年に香川県琴平町に生まれた邦坊さんは、若い頃は東京で新聞記者や時事漫画家として活躍し、手がけた小説『ウチの女房にゃ髭がある』が映画化されるなどして一世を風靡します。
しかしながら、締め切りに追われる暮らしで心身を病み、日中戦争が始まる頃、39歳で帰郷。ふるさとで絵でも教えながらのんびりと暮らすつもりが、戦後まもなく地元の和菓子店の主人から店のプロデュースを頼まれ、それが大成功すると、我も彼もと依頼する人びとがやってきて……と、香川のいろんな店を、そのコンセプトから丸ごとプロデュースし続ける、第二の人生が幕を開けたのです。

香川の方は、家にストックしてある紙袋を見てみてください。やんちゃな弁慶さんがはみ出さんばかりに描かれ、「名物かまど」とロゴが押された紙袋がありませんか? それも邦坊さんの仕事の一つです。
「名物かまど」のほか、お灸をかたどった「灸まん」や、「かんまん」の愛称で知られる「銘菓 観音寺(かんおんじ)」などなど。邦坊さんがプロデュースした和菓子屋さんは香川県内に数多あり、没後40年がたついまでも、邦坊さん作のロゴやパッケージを使い続けるお店がたくさん。
しかしながら、そもそも競合店どうしが同じプロデューサーに頼んで、問題はなかったのかしら? 邦坊さんって、どんな人柄で、どんな人生を歩んだのかな?
今回は、ゆかりのある店のご主人たちにお会いして、手元に大切に残してある作品を拝見しながら、じっくりとお話を伺いました。

旅の案内人をつとめてくださったのは、香川在住の画家、山口一郎さん。『暮しの手帖』の表紙画(第5世紀21号、29号)や2021年の目次画、付録カレンダーなどでおなじみですね。
そもそも、私が2年前に香川の善通寺図書館に講演に出向いたとき、山口さんが「邦坊さんっていいですよ。美術館に行ってみてください!」と強く推してくださったのでした。
ほとんど独学のはずの絵も達者なら、デザインもでき、洒脱なコピーも書けて、そのプロデュースの手腕から「先生、先生」と崇められた邦坊さん。なんだか完全無欠の人のようですが、弱さや挫折を感じさせるエピソードを語ってくださったのは、邦坊さんを研究する「灸まん美術館」学芸員の西谷美紀さんでした。
西谷さんが教えてくださり、私がじんときた邦坊さんの言葉(「おとぼけ人形」のしおりより)をご紹介します。

くよくよしたとて仕様が無い
何時かは実もなる花も咲く
移り気な浮世のならいに
取越苦労はおやめなさい
悩みなんぞはこちゃ知らぬ

いま何らかの「うまくいかないこと」を抱えていたとしても、くよくよせずに歩んでいたら、「何時かは実もなる花も咲く」。あっけらかんと明るく、ちょっと泥くさく、そしてどこかユーモアと可愛げのある邦坊さんの絵を観ていたら、この言葉がすーっと胸にしみ入るようでした。
もし、「こんぴらさん」こと金刀比羅宮にお参りする機会がありましたら、すぐ近くにある「灸まん美術館」にも足を運んでみてください。とくに「ギャラリートーク」のある日は、西谷さんによる見事な解説(もはや話芸!)が聞けて、おすすめです。

外をちょっと歩くだけでも汗が吹き出す、そんな暑さ厳しい毎日ですね。疲れたときは、『暮しの手帖』を開いて寝転んで、のんびりくつろいでいただけたらうれしいです。どうかご無理なさらず、心身をいたわってお過ごしください。

『暮しの手帖』編集長 北川史織

「藤城清治さんの作品との思い出」を募ります。

2024年07月23日

写真・繁延あづさ

いつも『暮しの手帖』をご愛読いただき、まことにありがとうございます。 編集部では現在、11月上旬刊行予定にて、別冊『100歳おめでとう 影絵作家・藤城清治(仮題)』の準備を進めております。

百寿を迎えられた現在も、現役作家として精力的に創作を続ける藤城清治さん。『暮しの手帖』との関わりは深く、1948年の創刊からこれまで、さまざまな作品で誌面を彩ってくださいました。中でも影絵の童話連載は大変な人気を集め、それらをまとめた絵本『お母さんが読んで聞かせるお話』シリーズは今もなお広く親しまれています。読者の皆様の中には、幼少期の思い出と共に、この絵本を大切にされている方も多いのではないでしょうか。

本別冊を編むにあたり、皆様の「藤城さんの作品との思い出」を、ぜひお寄せいただきたいと考えております。詳しくは以下の募集要項をお読みいただき、暮しの手帖社まで原稿をお寄せください。募集の締め切りは、8月23日(金)まで。皆様からのご応募を、心よりお待ちしております。

募集要項

●内容と掲載について
・「藤城清治さんの作品との思い出」をお書きください。(藤城さんへのメッセージや百寿のお祝いの言葉もどうぞお書き添えください)
・応募は未発表原稿に限ります。
・掲載は匿名も可能です。匿名希望の方はお書き添えください。
・採用された方には、電話またはメールにて改めてご連絡を差し上げます。掲載にあたって、一部加筆・修正させていただく場合があります。

●字数800字程度(400字詰原稿用紙2枚)を目安にお書きください。

●応募方法
以下のURLからご応募いただけます。または郵便にて、原稿と必要事項をお送りください。
【応募フォーム】
URL https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc_Lus1LVX0Xq3Zn14Pk6PzLZ0jM7_hL04zBPAJhp0CyrwUAQ/viewform

【郵送先】
〒101-0047 東京都千代田区内神田1-13-1-3F暮しの手帖社 「別冊 藤城清治」係
※郵送の場合は、原稿の余白などに必要事項をご明記ください。

●必要事項
お名前(本名)、ふりがな、ご住所、お電話番号、メールアドレス

●募集締め切り
2024年8月23日(金)まで。郵送の場合は当日消印有効。

●謝礼
採用された方には、薄謝および掲載誌一冊を差し上げます。

●注意事項
・掲載原稿の出版権(ウェブなどの電子媒体も含む)は、暮しの手帖社に帰属します。
・お送りいただいた原稿の返却はいたしません。
・個人情報は厳重に管理し、本企画以外の目的に利用することはありません。

●お問い合わせ
暮しの手帖「別冊 藤城清治」係
fujishiro@kurashi-no-techo.co.jp
原稿の到着、および採用に関するお問い合わせにはお答えできません。上記のメールアドレスからはご投稿いただけません。

ものをいつくしむ

2024年06月11日

ものをいつくしむ
(30号「椅子の張り替えをやってよう」)

5年ほど前でしょうか。社屋の引っ越しの際、「捨てるもの」に分類されたダイニングチェアを1脚もらいました。座面の汚れが気になりながらも時が経ってしまい、ふと、自分で好きな布に張り替えられたらいいな……という思いから、今回の企画が生まれました。
「椅子張りの店 anocono」を営む職人の須田直樹さんに指導を依頼すると、快く引き受けていただき、「ものが古くなったら捨てるのではなく、直して使う文化がもっと浸透してほしい」という思いを話してくださいました。お店には、親子代々使われてきた椅子の張り替えの依頼も多く、それぞれの家族の思い出とともに時が刻まれていることを実感するそうです。

今回は、椅子の座面の張り替えを、漫画家で金継ぎ師の堀道広さんに体験していただきました。堀さんは、割れた陶磁器を漆で修復する金継ぎ師として、ワークショップを主催されています。壊れたものを修繕してよみがえらせているという共通点があるお二人。撮影では初対面なのに息がピッタリ。どなたにもわかりやすいよう、写真を多く掲載し、丁寧に解説しました。堀さんの漫画ルポもありますよ!

私も試作で3脚ほど張り替えました。はじめはタッカーを打つのもおっかなびっくりだったのが、だんだんに慣れてきて、3脚目ではすっかり自信を持ったほどです。装いが新しくなった椅子は、可愛らしくて、なんだかうれしそうに見えました。
椅子を張り替えたいな……というとき、ぜひご活用ください。(担当:佐藤)

愛され続けるレシピです

2024年06月10日

愛され続けるレシピです
(30号「暮しの手帖のらっきょう漬け」

創刊75周年を迎えた「暮しの手帖」には、読者のみなさまに愛され続ける「名レシピ」がいくつかあります。今号に掲載する「らっきょう漬け」もそのひとつ。初出は第2世紀7号(1970年)。リクエストを受けて、以後2度にわたって再掲載しています。そんな名レシピをもっとたくさんの方に知っていただきたいと願い、改めてご紹介しています。

現代の家族の人数等を考慮すると、レシピの半量で作る読者も多いかもしれない。そう考え、半量でおいしく作ることができるのか試作して確かめました。
用意したのは、泥付きの新鮮ならっきょう2キロ。汚れを洗ったら、茎と根を切り落とし、薄皮をむいて形をきれいにととのえます。ここで手を抜かずに下ごしらえをするのが、おいしいらっきょう漬けへの近道。そうわかってはいるものの、なかなか根気のいる作業でめげそうになりましたが、なんとかやり遂げました。
下ごしらえしたらっきょうを塩漬けにしたら、涼しいところに置いて3週間。その後、甘酢に漬けてしばらく置くと、ようやく「暮しの手帖のらっきょう漬け」のできあがりです!

鷹の爪が効いたピリッと辛いらっきょう漬けは、食卓の名脇役になること間違いなし。お茶請けやお酒のつまみにも大活躍しそう。このレシピが、読者のみなさまに愛され続けているわけを実感できました。
手間と時間はかかりますが、新鮮ならっきょうが手に入るこの季節にしかできない手仕事を、楽しんでみてはいかがでしょうか。(担当:田村)

窓は住まいの要です

2024年06月07日

窓は住まいの要です
30号「窓から住まいを快適に」

部屋の中からふと外を眺めた時、窓ガラスや網戸の汚れが目に入ってがっかりした経験はありませんか。梅雨や台風の時季は、特に窓まわりが汚れやすいもの。そこで、特別な洗剤を使わずに、すっきりきれいに掃除する方法を、ナチュラルクリーニング講師の本橋ひろえさんに教えていただきました。
本橋さんのお話の中で目から鱗だったのが、「1度に全部の窓を掃除しなくていいんです」という言葉。私が「窓まわりの掃除=面倒」という印象を持っていたのは、全部の窓を1度に掃除しなくちゃいけないと勝手に思い込んでいたからだと気づきました。
さっそく、汚れが落ちやすいくもりの日に、リビングの窓だけさっと掃除してみると、あっという間に終わって気分爽快。他の部屋はまた気が向いた時にやろう、そう考えるだけで心が軽くなりました。

加えて、住まいの断熱性能を上げる「窓リノベーション」についてもご紹介しています。住まいにおける窓の役割や、国の補助金制度が利用できる窓リノベーションの方法などについて、YKK AP株式会社・広報部にお話をうかがいました。
たとえば、今ある窓の内側に新しい窓を設置する「内窓設置」など、1窓1時間程度で施工可能な方法も。住まいの断熱性能を上げることは、室内での熱中症やヒートショックの予防にもつながります。記事を読んで、ご家族で検討してみてはいかがでしょうか。(担当:田村)

この夏をすこやかに過ごすために

2024年06月06日

この夏をすこやかに過ごすために
(30号「大原千鶴さんの夏をしのぐおばんざい」)

とてもとても暑かった、昨年の夏。東京よりも猛暑が続いた京都や大阪、岐阜などに住む皆さんは、一体どんなふうに乗り越えているのだろうか……と何度も思いました。
この夏も猛暑の可能性ありと、すでに予報されています。いざ本格的な夏が来る前に、京都にお住いの大原千鶴さんに、夏に心がけている食卓の工夫と、繰り返し作っている料理7品を教えていただきました。

大原さんが真っ先に挙げたのは、「台所の清潔を保ち、食材の腐敗を防ぐこと」。それは、生ものの扱いに気をつけて清潔にすることのほか、器の中で完成するくらい、フレッシュな料理を心がける、ということにもつながります。
例えば、定番の豚しゃぶはみょうがの白和えとともに器に盛り、ふたつをお皿で合わせながらいただきます。まだ温かく柔らかな豚肉とひんやりした白和えがよく合い、お肉をしっかり食べられるのに、食べ心地は軽やか。
ご飯にお豆腐としば漬け、薬味をのせただけの「しば漬け豆腐丼」も、シンプルながらおいしく、お昼の定番だと話します。

このほか、しょうがをきかせた「きゅりとなすのあんかけ汁」、ダシをたっぷり含んだ「ズッキーニとお揚げさんの炊いたん」、あっという間に作れる「焼き穴子とピーマンの玉子とじ丼」など、京都らしい、昔ながらのおばんざいを中心にご紹介しています。どれも調理時間は驚くほど短く、体に染み入る味わいです。この夏、きっと暮らしを助けてくれるであろう心強い料理ですよ。
(担当:佐々木)

重い病気を抱えた子どもと家族のために

2024年06月05日

重い病気を抱えた子どもと家族のために
(30号「子どものホスピスを知っていますか?」)

皆さんは、「子どものホスピス」のことを、ご存知でしょうか。お恥ずかしながら、私は、小児がんの専門医・細谷亮太さんにお話を伺うまで、ぼんやりとした知識しかありませんでした。細谷さんは、こう言いました。
「ホスピスというと、死ぬための場所をイメージするかもしれません。でも、子どものホスピスは違います。たとえるなら、山小屋のようなもの。一生懸命に山を登る子どもとその家族が少し休憩し、また登るための場所のことです」
細谷さんは、北海道で、がんなどの重い病気を抱えた子どもたちを招待してキャンプを行う活動をしています。その細谷さんの呼びかけで、子どものホスピスについて語り合う鼎談を行いました。
ご参加くださったのは、幼い娘さんを脳腫瘍で亡くした経験から、関東では初となる民間ホスピス「横浜こどもホスピス~うみとそらのおうち」を開設した田川尚登さん。そして、奈良の東大寺境内で、難病を抱えた子どもと親への「おもてなし」を行っている「奈良親子レスパイトハウス」の代表幹事で、医師の富和清隆さん。
既存の公的な医療制度ではまかないきれない、民間だからできるきめ細やかな活動とはどのようなものか、また、その活動が今どんな支援を必要としているかについて、伺いました。

子どもたちの生命力。長さでは計れない、人生というものの豊かさ。病児を抱える家族の切実な思い。支援者の方々の良心と活動のよろこび……。取材を通して、知らなかった世界を知り、胸を衝かれる瞬間が幾度もありました。皆さんもきっと、そうした大切なメッセージを受け取ってくださると思います。そして、子どものホスピスに「自分も関わりたい」「自分にもできることがあるかも」と考えてくださったら、と心から願います。(担当:島崎)

「オサムグッズ」の生みの親の素顔とは

2024年06月04日

「オサムグッズ」の生みの親の素顔とは
(30号「原田治さんの世界」)

「ジャック&ジル」に「ハンプティ・ダンプティ」など、おなじみのキャラクターが描かれたトートバッグやハンカチ、お弁当箱……。「オサムグッズ」と聞くと、なつかしい記憶が呼び起こされる方も多いのではないでしょうか。
そんな「オサムグッズ」の生みの親である原田治さんは、いったいどんな人だったのかを探るべく、原田さんのデビュー当時から仕事を共にしてきた盟友の新谷雅弘さん、娘の原田綾さん、そして、15年ほど前からオサムグッズに魅了されて集め始めたというトムズボックスの土井章史さんにお話を伺いました。
みなさんのお話から浮かび上がってきたのは、権威みたいなものには興味がない、茶目っ気にあふれた素顔。原画や綾さんのために描いた絵手紙などなど、たくさんのビジュアルとともにお届けします。(担当:井田)

元気になれる4カ国の家庭料理

2024年06月03日

元気になれる4カ国の家庭料理
(30号「すっぱうまい季節です」)

今年も昨年に続き、暑くなりそうな気配ですね。暑い日が続いて、なんだか食欲がない……。そんなときには、酸味の効いた世界の料理はいかがでしょう。
今回ご紹介するのは、ポルトガル、フランス、ベトナム、イランの4カ国の「すっぱうまい」料理です。
ポルトガルからは、トマト、ピーマン、キュウリなどの角切り野菜がスルスルと食べられる、サラダのような野菜スープ「ガスパショ」を、ポルトガル料理研究家の馬田草織(ばだ・さおり)さんに教わりました。さわやかな見た目とは裏腹に、食べるとにんにくの効いたパンチのある味に元気が出ます。バゲットを浸して食べるのが現地流。火も使わないので、すぐに作れるのもうれしいところです。

他にも、フードコーディネーターの柳瀬久美子さんには、フランスのエスカベッシュを、東京・鳥越のインドシナ料理店「アンドシノワーズ」さんには、ベトナムのおもてなし家庭料理・ゴイガー(鶏肉の和え物)を、イラン出身のレザ・ラハバさんには、ミートボールのヨーグルト煮込みを教わりました。

どれもそれぞれの国らしい酸味使いで、4種4様のおいしさ。「すっぱさ」のおかげか、不思議と箸が進んで、気づけば食べ過ぎてばかりの撮影隊でした。
夏のおもてなしにも良さそうなひと皿、ぜひお試しください。(担当:小林)

初夏におすすめの、ささっと編めるバッグです

2024年05月31日

初夏におすすめの、ささっと編めるバッグです
(30号「かぎ針編みの、気楽な巾着バッグ」)

編み物好きのみなさんは、この時季、何を編みますか? わたしは秋冬に毛糸の編み物を楽しみ、春夏はお休みしていました。ところがある日、友人が編んだ小ぶりのバッグがきっかけで、毛糸以外の編み物にも興味がわいたのです。それが今回ご紹介する「巾着バッグ」です。
このバッグは数年前に、ニット作家の野口智子さんがワークショップで紹介したものでした。綿と麻でできた糸はハリがあり、丈夫に仕上がります。友人の「本体なら2時間ほどで編めた」という話に背中を押され、野口さんにご指導を依頼し、さらに編みやすく進化させたバッグをご考案いただきました。
小ぶりなサイズで気楽に編めますし、財布と携帯など最小限のものを入れてお出かけするのにぴったり。コード(紐)の長さを調整して、2種類の持ち方が楽しめます。隙間からのぞく内布の色も魅力です。わたしもさっそく、近所へのお出かけや、おしゃれのポイントとして活用しています。(担当:平田)

小豆の新しい魅力に出合えます

2024年05月30日

小豆の新しい魅力に出合えます
(30号「小豆の涼味はいかが」)
自分で小豆を炊くと、ふっくらとして、市販の煮小豆にはないやさしい甘さにできます。そのまま食べるのはもちろんのこと、せっかくならば、次第に蒸し暑くなるこれからの時季に、涼やかなお菓子にして楽しみたい。
そう思い、体を癒やすお菓子を研究するfoodremediesの長田佳子(おさだ・かこ)さんを訪ねました。
「煮小豆は、スパイスや甘酒、フルーツとも相性がいいんですよ」と話す長田さんが提案してくださったのは、スパイスジャスミン寒天や甘酒パンケーキ、抹茶バナナスムージーなど、これまでに食べたことのない、わくわくする組み合わせのメニューばかり。まずは、お好きなメニューからひとつ作ってみてください。煮小豆を好きなだけたっぷりと添えて、味わっていただけたらと思います。小豆の新たな魅力に出合えますよ。(担当:井田)


暮しの手帖社 今日の編集部