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「食べたことなかった!」に出合うレシピ

2018年10月12日

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「食べたことなかった!」に出合うレシピ
(別冊『これで よゆうの晩ごはん』/ワタナベマキさん)

誌面をめくれば、各人の個性が際立つメニューがずらりと並びます。
最初に登場するのは、ワタナベマキさん。食べ盛りの男の子を育てるお母さんだけあって、ボリュームたっぷり、子どもも喜ぶ華やかなお料理を数多く教えてくださいました。
目新しく、創意あふれる味つけも、ワタナベさんのお料理の特長のひとつです。撮影時は、「なるほど、このコクの正体はナムプラーなのね!(18頁「鶏むね肉とズッキーニのグリル焼き」)、「トウチはこんなふうにも使えるんだなあ(20頁「鶏肉ときのこのトウチ炒め」)」、「えっ、下味をウスターソースで!?(22頁「合いびき肉とピーマンのオーブン焼き」)」などなど、「その手があったか!」と感嘆することしきり。
「近頃、お料理がマンネリかも」という方も、ワタナベさんのレシピがあればきっと、悩みが解消されることでしょう。ぜひ、「わあ! 食べたことなかった!」という、初めてのおいしさに出合ってください。

(担当:島崎)

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あなたに似た方はいらっしゃるでしょうか?

2018年10月12日

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あなたに似た方はいらっしゃるでしょうか?
(96号「わたしと暮しの手帖」)

広告のない『暮しの手帖』は、
ご購読いただいている皆様のおかげで発行を続けることができます。
読者のお役に立てるように、日々の元気のもとになりますように、
間違いがないように……、と祈るような気持ちで毎号編集しています。
読者の方々は、そんな本誌をどう思っていらっしゃるのか。
それが知りたくて、いままで本誌にご投稿いただいた方、
アンケート葉書をくださった方、定期購読の際にお手紙をくださった方の中から100余名にアンケートのご協力をお願いしました。
短い期間にも拘らず、約7割の方がご回答くださいました。
創刊号の読者からここ数年の読者まで、様々な方がいらっしゃいました。
そうしてまとまったのが、「わたしと暮しの手帖」です。

読者の方々と『暮しの手帖』の関わりや、記事への感想、本誌への要望を、創刊月に発行してきた70冊の表紙、過去の記事の写真と共に掲載しました。
回答を拝読しているうちに印象に残ったのが、
「家族が読んでいたから自分も読むようになった」
「実家のバックナンバーを結婚後持ってきた」
「家族の間で記事が話題になる」という声です。
ご家族を繋ぐ雑誌となっていることがうかがえて、とてもうれしくなりました。
お知り合いに薦めてくださっている方、電車に乗る時に誌名がわかるように読んでいると声をかけられて話が弾むという方に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
「捨てられないから、増えて困る」
「たまるから、発行回数を減らしてほしい」という声もありました。
これからも、捨てられない中身の充実した雑誌を目指してまいりますので、
ご愛読をお願いいたします。(担当:高野)

すべてパンだなんて!

2018年10月10日

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すべてパンだなんて!
(96号「シチリアの飾りパンまつり」)

94頁を開いてみてください。
祭壇らしきものをみっちりと埋め尽くす、ベージュ色のなにか。
はい、これすべてパンで出来た飾りなのです。
細かい細工に驚きますが、職人さんの手によるものではなく、
「ごく普通のお母さんたち」が、
ひと月ほど前からコツコツと作るのだというから、驚きます。
写真でもこの迫力なのですから、目の当たりにしたらどれだけ圧倒されるだろう……。
企画を進めながら、私の気持ちは何度もシチリアへ飛びました(もちろん行ったことはございません)。
お祭りをレポートするのは、イタリアに拠点を持つデザインジャーナリスト、田代かおるさん。「一度行ってみたい」と秘めていた思いを、写真家の在本彌生さんに話ししたところ、「行こう行こう」と東京からやってきてくれたのだそう。
お祭りを楽しむ二人の無邪気な目線が、美しい写真に投影されています。
田代さんはこのお祭りに「ものづくりの原点を見た」と書いています。
カトリックの信仰に根ざしつつも、市民主導。自分たちで収穫した麦を使い、
考えうる限りの装飾を施す。ものづくりは限られた人のものだけじゃない。
そんな当たり前のことに気付かせてくれる、旅の記録です。
(担当・田島)

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装いの秋を楽しむ、一枚の布はいかがですか。

2018年10月09日

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装いの秋を楽しむ、一枚の布はいかがですか。
(96号「一枚の布をまとう」)

自分のお気に入りの布で、自分にあったサイズ、
なんて都合のいい服には、なかなかお目にかかることはありません。

ならば、自分で作るしかないか……。

「普段、洋裁をしない人でも
かんたんにつくれて、すてきに装える服はありませんか」とファッションブランド「ASEEDONCLOUD」の玉井健太郎さんに相談をしてご提案いただいたのが、今回の服(布?)。

じつは、この服は、誌面で発表するまでには至りませんでしたが、小誌82号「三世代で着る自由な服」の企画の初期の段階で思いついたデザインでした。

この服の何が素晴らしいか。
それは裁断も、ミシンがけも直線のみ。至極シンプル。
それでいて、風呂敷のように何通りにも、まとい方がある。
なんてすてきな服なのでしょうか。

今回は、市川実和子さんにモデルとなっていただき、5通りのまとい方をご紹介いたします。
でも、これはほんの一例。
みなさんは、どんなまとい方を発想しますか?
(担当:矢野)

◎別冊『これで よゆうの晩ごはん』、本日発売です!

2018年10月05日

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「おいしいものを食べたい、食べさせてあげたいという気持ちはあるけれど、忙しくてつい、よゆうがなくなってしまう。晩ごはん作りって、そんなふうに理想が現実から遠ざかってしまいますよね」
このたびの別冊『これで よゆうの晩ごはん』の挿画を描いてくださった絵本作家・ヨシタケシンスケさんの言葉に、私は深く頷きました。
この別冊は、まさにそういった理想と現実の狭間でお悩みの方にお役立ていただきたい。そんな思いで制作した1冊です。
この本でご提案しているのは、ちょっとしたひと手間でできる朝10分の「下ごしらえ」と夕方20分ほどの手軽な「仕上げ」で作る料理。朝から半日おくことで、素材が柔らかくなったり、味がじんわりとしみ込む。そんな、時間がおいしくしてくれるレシピです。

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・96号にて誤りがございました

2018年10月05日

「買物案内」141頁、右から3つ目の写真の「止血パッドA・T」の説明文の中で、「●パッドの大きさ130×105g」と掲載いたしましたが、正しくは「●パッドの大きさ130×105mm」です。読者の皆様、ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。

土井善晴さんと若者たち

2018年10月04日

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撮影は暑い盛りでした。撮影終了後、大きなスイカを切り分けてくれる土井さん

土井善晴さんと若者たち
(96号「料理力って何でしょう?/土井善晴さん」)

その日、久しぶりの土井善晴さんとの撮影を前に、私は緊張で固まっていました。
土井さんのキッチンスタジオに、3人の若者たちを招いての撮影。
いつもアドリブ感満載の、セッションのような土井さんとの撮影ですが、今回はさらに予測不能です。土井さんと若者3人とのやり取り、響き合いで、話しの矛先がどこに向くか分からないのは勿論、どんなお料理が出来上がるのかも未知数だったからです。
なぜこんなにドキドキする撮影になったかといいますと、
「心が動くことを大事にしたい」という土井さんのお気持ちを、事前の打ち合わせで伺っていたから。「台本があると、心が動かないんですよ。話すことは、相手の反応を見て決めたい」というお話に深く頷き、「汁飯香(味噌汁、ご飯、お漬物)のお話しをしていただくという以外は、なにも決めずに臨みましょう!」ということになったのです。
当日、私は自分がするべきことで頭がいっぱいでしたが、一番大変だったのは、きっと土井さんです。なにしろ、初対面の若者たちを前にして、会話がどんな方向に転がっていくか分からない。そのうえ料理も手ほどきしなくてはいけない。きっと入念に準備してくださったことと思います。
印象的だったのは、開始早々、「料理ができるようになりたい」と言った学生に、先生が「できるよ」と即答したこと。「できるようになるよ」ではなく、「できるよ」。その言葉の明るさにみんながほほ笑み、スタジオの空気がふっとゆるみました。
若者たちは、この日の料理教室を心から楽しんでくれました。炊きたてのご飯のいいにおい、味噌汁に玉子を落とす小さな贅沢、じっくりと時間をかけて作る焼き飯の楽しさ――。なんてことのない日常の料理に、これだけの喜びがあると気付いたみんなの顔は、キラキラと輝いていました。
おにぎりを頬張る表情の、うれしそうだったこと! 若い人が持つパワーに、心を動かされた一日でした。
本当は誰しもが、料理力を持っている。そんな土井さんのメッセージを、みなさんにも実感していただけると嬉しいです。(担当・田島)

気持ちと身体で料理する

2018年10月03日

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気持ちと身体で料理する
(96号「料理力って何でしょう?/高山なおみさん」)

以前に、料理家・高山なおみさんのお宅にお邪魔した時のことです。
おやつ時になって、「昨夜の豆ご飯の残りだけど」と言いながら、
ひょいひょいひょいと、おにぎりを作ってくれたことがありました。
運ばれてきたおにぎりの、おいしかったこと! 
絶妙な塩気に、これまた絶妙なにぎり具合。
「こんなにシンプルなひと品なのに、なんだってこんなにおいしいのだろう。
高山さんの指先からは、料理をおいしくする何かがしみ出しているんじゃないだろうか?」。そんなことを真剣に思ってしまうほどでした。
以来、高山さんが作る料理のおいしさの秘訣を探り続けてきた私。
今回の企画は、そんな数年来の問いに答えていただくものでもありました。
高山さんがヒントにくれた言葉は、
「料理をおいしくするのは、知識でも、技術でもない。気持ちと身体だと思います」。
なんて意味深長なんでしょう! 
さてさてこの言葉の真意とは――?(担当:島崎)

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料理をひらめく秘密に迫る

2018年10月02日

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料理をひらめく秘密に迫る
(96号「料理力って何でしょう?/堤人美さん」)

料理上手と聞いて、パッと頭に浮かぶのは堤人美さんです。
企画の度に、実に多様なレシピをご提案くださいます。
プロだから当たり前、と思われそうですが、人並み外れた豊かな発想力がなぜ備わっているのか、前々から興味深く思っていました。
堤さんは、料理家になる以前、友人の食堂を手伝ったり、テレビの料理番組のスタッフをしたりと、ユニークな経験を積んでこられたそうです。
「わたしは料理学校で習ったわけではなく、専門分野がないのです。
だからこそ、テレビ番組の仕事で接してきた和洋中の先生方のよいところを、
枠にはめずに、自分の料理に落とし込めるのかもしれません」。今回教えていただいたのは、ご家族のためによく作る、堤家の定番メニュー5品です。
「忙しいときに作るものばかりで……簡単すぎてごめんなさい」とおっしゃいますが、無理なく作れておいしい合理的な料理で、わたしもすぐに家で作ってしまいました。(担当:平田)

レシピのなぜを考えることが、料理上手への第一歩

2018年10月01日

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レシピのなぜを考えることが、料理上手への第一歩
(96号「料理力って何でしょう?/坂田阿希子さん」)

「坂田さんが、いま一番伝えたいことってなんですか?」
そんな漠とした質問から、この企画は始まりました。

何度も打ち合わせの機会をつくっていただき、
普段よりも長い時間、膝をつきあわせての意見交換。
ときには、企画に直接関係ないかも?
な話もたくさんさせていただきました。

坂田さんにうかがったお話を
反芻していくうちに見えてきたキーワードが、
「行間」と「洋食」でした。

「料理のおいしさは、『作り方』よりも、
レシピの『行間』にこそ詰まっている」と坂田さん。
どの料理にも隠れている「行間」の調理を、
誌面でどのように伝えるか。
なかなかの難問です。

ならば、坂田さんがもっとも行間を感じる料理で、
とことんお伝えしたい、とご相談して選んだのが、
「カニクリームコロッケとトマトソース」。

それはまた随分、ハードルの高そうな料理ではないですか。
でもご安心ください。今回はたっぷり頁を割いて、
細かく細かく行間をお伝えしています。

どれくらい細かいか、というと、
料理をほとんどしない編集部員(私)が、
失敗することなく作れたくらいです。
一緒にテーブルを囲む家族や友人が、
一瞬にして顔がほころぶ味が再現できるはずです。
(担当:矢野)

◎別冊『これで よゆうの晩ごはん』 いよいよ10月5日(金)に発売です!

2018年09月28日

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別冊『これで よゆうの晩ごはん』
いよいよ10月5日(金)に発売です!

「これで よゆうの晩ごはん」というタイトルの特集を組んだのは、ちょうど一年ほど前に発行された、90号でのことでした。
晩ごはんをもっと手早く、おいしく、楽しい心持ちで作りたい。
けれど、忙しい日々に追われていると、心のよゆうをなくしてしまう……。
そんな悩みを少しでも軽くしたい(私自身も軽くなりたい!)という思いから、料理家の上田淳子さんに、かんたんな「下ごしらえ」をしておくだけで、夕方にはあっという間に仕上がるお料理のレシピを教えていただいたのです。
すると、
「ボロボロになるほど、くり返し使っています」
「忙しいときに、とても助かっています」など、
読者のみなさまから、たくさんの感想をお寄せいただきました。
このたびの別冊では、そのときの特集をさらに発展させ、
上田淳子さんのほか、ワタナベマキさん、大原千鶴さん、渡辺有子さん、飛田和緒さん、合計5人の人気料理家の方々に、工夫に溢れたレシピを教えていただきました。
レシピとあわせてお楽しみいただきたいのは、絵本作家・ヨシタケシンスケさんによる挿画の数々です。90号の特集につづき、今回もたくさんのクスッと笑える、愛らしい絵を描いてくださいました!
ただいま発売中の96号「晩ごはん作りに、悩んでいませんか?」という頁で、少しだけ、この別冊のご紹介をしています。実際のレシピも掲載していますので、そちらもぜひお試しください。(担当:井田)

自分の台所を育むために

2018年09月28日

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自分の台所を育むために
(96号「料理力って何でしょう?/ウー・ウェンさん」)

28年前に北京から東京へ移り住むまで、料理をしたことがなかったというウー・ウェンさん。母親の味を思い出しながら、慣れない土地で試行錯誤しつつ、料理を作り続けた日々。そのときの経験がある自分だから、伝えられることがある。
そういった思いで、これまで料理家としての道を歩んできたと言います。
そんなウーさんが、今回の特集でぜひ読者のみなさんにお伝えしたい、とおっしゃったのが、「蒸す」ことのすばらしさでした。
野菜や肉のほか、魚も豆腐も大豆も蒸す、というウーさん。「毎日セイロをしまうヒマがないほどなのよ」という言葉に初めは驚きましたが、ウーさんが作ってくださった「蒸し鮭」や「蒸し豆腐」を口にした瞬間、深く、深く納得。
自分の台所を育むには、何か一つ、シンプルな調理法を知っていれば充分なのですね。ウーさんに教えていただいた蒸し料理を通して、そう強く実感しました。(担当:井田)

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暮しの手帖社 今日の編集部