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活版印刷の目次画とプレゼントはがき

2019年08月10日

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活版印刷の目次画とプレゼントはがき
(1号「目次より」)
昨日までは記事紹介が続きましたが、「目次」について書くという当番が私に巡ってきました。「目次」の紹介をするなんて不思議ですよね。でも、今号は目次画の制作とともに5世紀1号記念のプレゼントはがきについてお話とお知らせがあります。
目次画を描いてくださったのは画家の牧野伊三夫さん。「暮らしまわりのモノを生きものらしきものになぞらえてください」という編集部の願いに応えて、「じょうごの顔の熊のような動物」と「フライがえしの熱帯魚」の絵が届きました。原画は墨の濃淡で表現されていてまるで水墨画のよう。それだけで十分に趣きがあるのですが、その絵を樹脂版に加工してもらい、凹凸のあるハンコのような版を作りました。
台所道具のお店が並ぶ合羽橋の近くに活版印刷所を構えるFirst Universal Pressの溪山丈介(たにやま・じょうすけ)さんを訪ね、小型の活版印刷機でこの樹脂版を使った2枚の絵を刷ってもらうことにしました。
牧野さんから指定された色はそれぞれにローズ色と茶系の瓦色。インクの混ぜ具合は難しく、手作業で色合わせの試し刷りをしては印刷機を洗い、もう一段階明るくするなど繰り返し調整をしました。やっと色合いを定めたら、次は刷りの調整です。強め、やや弱めなど絵の線でしっかりと出したい所やかすれを意図したい部分など、それはそれは神経を使う作業でした。
どちらの絵も印刷までの過程を経て、手仕事のぬくもりという息吹をそそがれ、ちょっぴり滑稽な仕草で誌面の上で動きだしそうに見えます。
この感触を読者のみなさまにもお届けできたらと思いたち、ささやかですが目次画を活かした活版はがきを作りました。
抽選で100名の方に5世紀1号の記念としてプレゼントいたします。巻末のアンケートはがきでご応募ください。お待ちしております。
まだまだ記事紹介は続きます。(担当 上野)

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トークショーは大盛況でした

2019年08月09日

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トークショーは大盛況でした
1号「『みらいめがね それでは息がつまるので』刊行記念・トークショー抄録 生きづらさを取り除け」)

去る6月15日に、東京・下北沢の書店B&Bで、連載をまとめた単行本『みらいめがね それでは息がつまるので』の刊行を記念して、著者のおひとり荻上チキさんと、臨床心理士で心理カウンセラーの伊藤絵美さんとのトークショーが行われました。
初対面にもかかわらず、息はぴったり。対談はまるでラジオ番組を聴いているかのように、終始和やかに軽やかに進みました。
「生きづらさを取り除け」のテーマにそって、荻上さんは、連載3回目でうつ病であることを公表すると、周囲が温かく迎えてくれ、自分の心と向き合うようになったこと。ストレスと付き合うための方法を探しているうちに、伊藤さんが書かれた「認知行動療法」や「スキーマ療法」についての本に出会ったこと。そうして伊藤さんの著作をすべて読んでいて、自ら実践してみたことなどを話されました。
伊藤さんは、荻上さんからの問いかけから、会場の私たちにもわかるように「認知行動療法」と「スキーマ療法」について語ってくれました。
対談終了後の本の販売とサイン会では、荻上さんが、伊藤さんの著作を1冊ずつコメント付きで推薦。サイン会でもたくさんの方が並ばれ、荻上さん、伊藤さんに感想を伝えていました。
誌面では、そんなトークショーの一部をお伝えしています。お二人についてもっと詳しく知りたい方はぜひ、『みらいめがね それでは息がつまるので』や伊藤絵美さんの書籍をお手に取ってみてください。(担当:高野)

◎5世紀1号の目次は下記のリンクよりご覧いただけます。
http://www.kurashi-no-techo.co.jp/honshi/c5_001.html

◎『みらいめがね それでは息がつまるので』
http://www.kurashi-no-techo.co.jp/books/b_1187.html

子育てしながら料理をする人の悩みに答えます。

2019年08月07日

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子育てしながら料理をする人の悩みに答えます。
(1号「頑張りすぎてしまうお母さんへ」)

小さい子どもがいるのに、夫の帰宅が遅く、毎日毎日、悩みながら食事を作る……。
家事を女性ばかりが担う世の中は変だな、と思いつつ、とにかくお腹を空かせた子どもが待っているから。
もしかしてあなたは、そんな「頑張りすぎてしまうお母さん」ではありませんか?
編集部には現在、7人の働くお母さんがいます。
彼女たちに食事作りの悩みを聞いてみると、
「いつも同じ料理ばかりになってしまう」
「子どもはどうしたら野菜を食べてくれるの?」
「家族にごはん作りを手伝ってほしい」
と切実です。
そんな悩みを、料理家の上田淳子さんに投げかけました。
上田さんは、双子の男の子を育てながら料理をしてきた自身の経験を踏まえ、悩めるお母さんたちにこう呼びかけます。
「ひとりで頑張りすぎないで。手抜きする日があってもいいじゃない。
家族で楽しく食べることを大切に。お母さん自身も笑って食卓を囲んでほしい」
幾多の困難を乗り越えてきた上田さんからのメッセージに、ハッとしました。さらに誌面では、少ないレパートリーでも毎日の食卓に変化をつける方法、子どもが野菜を食べられるようにする工夫、料理が苦手な家族が食事作りを手伝える方法などを具体的なレシピとともにご提案いただきました。
子育てしながら料理をする方が、家族とともに笑顔で食卓を囲めるようになってほしい、という願いを込めて作った企画です。(担当:平田)

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義務だけじゃないのです

2019年08月05日

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義務だけじゃないのです
(1号「わたしが台所に立つ理由」)

 わが編集部の食いしん坊、島崎は、だいたい毎日、お弁当を持参しています。
 と言うと、お弁当箱にいろいろ詰まった絵が浮かぶと思いますが、彼女の場合は、小さな保存容器が4個くらい、それぞれに、メインおかず、サブおかず、ときにはデザートまでがぎゅぎゅっと詰まっています。温めたご飯をお茶碗に盛り、ランチョンマットを広げた上に並べて、「いただきます」。見るたびに、「いったい、いつ作っているんだろう?」と感心してしまいます。
 島崎いわく、「他人がいい加減に作った料理を食べたくないから」。確かに、外でランチをとると、「む、これなら自分で作ったほうが、よほどおいしいぞ」と思う料理がありますよね。
 誤解されないように補足すると、私たちは決してアンチ外食派ではありません。たとえ他人が作ろうと、気持ちをこめて、きちんと作られた料理はありますから。
 今回の企画「わたしが台所に立つ理由」は、そんな島崎が考えました。日々の料理は、大切な家事の一つであり、自分のため、家族のために、義務的にやっている方も多いことでしょう。でも、いまは中食だって充実していますし、そんな時代に、どうして人は毎日台所に立つのかしら? もしかしたら、そこには人それぞれの、いろんな理由があるのでは?
 記事には、3人の方が登場しますが、その「理由」は三者三様でとっても面白く、「なるほど」と思わず深く共感しました。さて、あなたの「台所に立つ理由」は何ですか? (担当:北川)

あなたの家計の心強い味方に。

2019年08月03日

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あなたの家計の心強い味方に。
(1号「わたしの安早旨レシピ」)

“今月はちょっと使いすぎちゃったから食費を節約しなきゃ。”
“晩ごはん作りに時間をかけられないけれど、ちゃんとおいしいものが食べたい??。”
そんな期待にお応えしたくて、今回の料理特集が生まれました。

「ちりも積もれば山となる」の言葉通り、日々の食費は家計の中でも大きな存在。だから少しでも安くできれば、と思うのはたくさんの人に共通する願いです。そして調理時間がかからないものだと、なおありがたい。
もっと欲張って、レシピ一つ一つにとびきりおいしくなるコツが詰まっていること??。
「安くて、早くて、旨い」、それが今回の安早旨レシピなのです。
実力派の料理家・料理人6名(脇雅世さん、川津幸子さん、坂田阿希子さん、山﨑美香さん、大庭英子さん、ウー・ウェンさん)による、とっておきの12品をぜひ、作ってみてください。

なお、頁に表示している材料費(例 イカトマト 379円、鶏むね肉のしそ巻き焼き 183円など)は、編集部が実際に都内のスーパーで購入した金額に基づいて計算したもの。
試作のたびに買い出しに行くのですが、既に試作が終わった食材の値段も気になって、あれこれチェックする癖がつきました。
「昨日より今日のほうが安かった・高かった」と売り場の片隅で一喜一憂するうちに、これまで丼勘定で済ませていた我が家の食費が気になるように。
結果、日々の出費を引き締める意識が高まりました。
(担当:中村)

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元気ではつらつと暮らすためのレシピ。

2019年08月02日

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元気ではつらつと暮らすためのレシピ。
(1号「50歳から始める、身体にいい食べ方」)
 
 人生100年の時代などともいわれる昨今、実際に100歳以上まで生きる人がますます増えていき、これまでと同じような人生設計では不十分、ということが多くなってきています。好むと好まざるとにかぎらず、これからは必然的に長生きする、という言い方もされますね。
 それならば、長い人生の後半を「元気で長生き」といきたいものです。現代の年長の皆さまはすでに元気いっぱいの方が多いのですが、これから人生の後半に向かうという人にとっては、とても気になることです。
 今号の新世紀特集1は、「ちゃんと食べていくために」。生きることは食べること。”ちゃんと”食べなければ、「元気で長生き」はできません。
 実際に、人生の後半に入ってますます元気ではつらつと美しく、活躍していらっしゃる人は、どんな食生活をしているのでしょう。その暮らしと食生活をうかがったのは、料理研究家の藤井恵先生。管理栄養士でもある方です。
 とはいえ、ストイックに突き詰めるのではなく、あくまで無理なく、自分流に、という藤井さん。お酒もお好きで、健康に留意した食生活の理由の一つには、お酒をおいしくいただくためというのもあると、茶目っ気たっぷりにおっしゃいます。
 教えていただいたレシピは、腸内環境を整え、体力を維持するための11品。しっかり食べて、身体と手を動かし、頭を働かせる。それを自分のペースで続けること。見習いたい生活のヒントがいくつもありました。何より、レシピがどれも、とってもおいしい! これなら続けられそうです。(担当:宇津木)

自分らしく生きるために。

2019年07月31日

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自分らしく生きるために。
(1号「いのちの終わり方を考える」)

突然ですが、質問です。
「尊厳死」と「安楽死」の違い、皆さんは、自信をもって説明できますか?
言葉は知っているけれど、詳しい定義はわからない。あるいは、両者を混同している、という人は、少なくないのではないでしょうか。
この企画は、「いのちの終わり方」について考えるための企画です。
私たちが悔いなく生き、そして最期を迎えるために、今から考えておいたほうがいいこと、気をつけたいことは何か?
聖路加国際病院で長年にわたり小児癌の治療にあたってきた細谷亮太先生と、川崎市立井田病院で癌治療と緩和ケアに平行して携わる西智弘先生、ふたりのお医者さまに対談していただき、お話を伺いました。前述の、「尊厳死」と「安楽死」についても解説しています。
この特集を作っている間、私の心の隅には、「もうひとつのテーマ」と呼ぶべき、ある問いが置かれていました。
それは「“尊厳のある死”ってどんなものだろう?」ということです。
“尊厳のある死”が存在するとしたら、逆に“尊厳のない死”とは、どういうもの? よい死に方、悪い死に方、その区別はどこに? それって一体、誰がどんな基準で決めるのでしょう……。
もしも、対談を通して、皆さんがひとりひとり、これらに対しなんらかの答えを見つけてくださったら幸いです。どうぞお考えや感想をお寄せください。(担当:島崎)

母から娘へ伝えたい想いがあふれています。

2019年07月29日

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母から娘へ伝えたい想いがあふれています。
(1号「親子のモノがたり」)

「おふたりが大切にされている、道具や器などをおみせください。
そして、それにまつわるおふたりのお話をお聞かせください」
そうお願いして、とある母娘のもとへ向かいました。

今号からはじまるこの連載では、タイトルの通り、
親と子それぞれのとっておきのモノにまつわる物語をおうかがいします。

一回目となる今回、ご登場いただいたのは、
吉祥寺でパン屋とギャラリーを営む、引田かおりさんと、
娘さんの引田舞さん。舞さんは、古道具などを扱う雑貨店兼カフェの
ディレクターをされています。
そんなおふたりから、どんなお話が聞けるかな?
とドキドキしながらうかがうと……。

さすが、モノにまつわるお仕事をされているおふたりなので、
お持ちの道具や器は、目移りしてしまうほどすてきなものばかり。
でも何よりも面白かったのが、やはり母娘の会話でした。
お茶を淹れてほっとする時間を大切にしているかおりさんは、
子育てや仕事に追われて、お茶を飲む時間も取れない舞さんに
母として伝えたいことがありました。

ご紹介いただくモノにも、ふたりの日常や暮らし方が映し出されています。
親子に通じる審美眼や、またその違いもお楽しみください。(担当:小林)

悩みながら選んだ先に見つけたもの

2019年07月27日

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悩みながら選んだ先に見つけたもの
(1号「自分らしい暮らしを見つけたい」)

第5世紀を迎える今、あらためて「暮らしを大切にする」とはどんなことか、
読者のみなさまとともに考えたい。
そんな思いから、私たちは、自分の「ものさし」を持って
生き方、暮らし方を選んできた6組の方々を訪ねました。

できる範囲で、自分たちの手で衣食住をまかないたいと思い、
京都の山村での暮らしを選んだファッションデザイナーの居相大輝さんと愛さん。
長年暮らした東京を離れ、夫と猫4匹とともに
奄美大島で新しい生活を始めた、絵本作家のミロコマチコさん。
造園家とイラストレーター、二つの仕事を生業とする大野八生さん。
東京と岡山の蒜山とを行き来しながら二拠点生活を続けている、
オカズデザインの吉岡秀治さんと知子さんなどなど。

取材中は、みなさんから印象深い言葉をたくさんいただきました。
「二拠点での生活をできるとは思わなかった。
 でも、今やるしかない、とも確かに思えたんです」

「もし、自分らしい生き方に迷ったり、悩んだりしている人がいるなら、
 子どもの頃に好きだったもの、一度好きになったものを、
 どんな形でもいいから続けてみるといい」

どこに住み、どのように仕事をして、何を大切にしながら暮らすのか。
その価値観はさまざまですが、
自分の暮らしについて少し立ち止まって考えるとき、何か迷いを感じたときに、この6組の方々が悩みながら選んできた道のりを、言葉を、
思い返していただけたら、と思います。(担当:井田)

身体の声に耳を傾けて

2019年07月26日

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身体の声に耳を傾けて
(1号「旬の食材で満たされる、ひとりごはんのススメ」)

ひとり暮らしのみなさん、毎日のごはんは自炊派ですか?
それともスーパーのお惣菜を利用したり、外食が多い日々でしょうか……?
自炊派の方は、毎日同じメニューがつづいたり、食材を食べきれずに無駄にしてしまったり……ということはありませんか。

今回の特集では、ひとり暮らしの方にむけて、
素材をいかしたシンプルなレシピや、同じ食材の組み合わせで作る違う味わいのレシピを、
旬の食材に寄り添う料理を大切にされている、料理人の後藤しおりさんに教えていただきました。食材も、トマト、きゅうり、ゴーヤ、カツオなど、今の季節においしく、買いやすいものばかりです。

なかでも、ご紹介している〈ゴーヤと香菜の和え麺〉〈アボカド辛味和え麺〉は、暑くなるこれからの季節におすすめです。
試食したときに、「こんな食べ方があったんだ! なんて簡単で、おいしいの……!」と感動し、私自身、何度作ったかわかりません。
そばや素麺は、アルデンテに茹で上げ、氷水で冷たくしめて、水気をしっかり切るだけで、
冷たくてコシがでて、驚くほどおいしくなります。

ひとり暮らしは、自分のリズムで過ごせるからこそ、身体の声に耳を傾けて、毎日の食事を大切にすることができます。それはひとり暮らしの特権とも言えます。
今回の特集を担当し、毎日のごはんの大切さを改めて感じ、意識的になりました。
なによりも、シンプルな調理法の旬の食材のおいしさが余韻になって身体に残り、今日帰ったらあのレシピを作ろう、と家路を急ぐ自分がいます。
お腹も心も満たされる旬の食材を使ったレシピを、ぜひご活用いただけましたら、うれしく思います。(担当:佐藤)

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どうして私たちは料理するの?

2019年07月25日

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●どうして私たちは料理するの?
(1号第1特集「ちゃんと食べてゆくために」)

 これまでいろいろな料理企画をお届けしてきた私たちですが、新世紀1号を目前としたとき、ふと、こんなふうに思ったのです。
 どうして料理企画は必要なのかしら? いや、そもそも、どうして私たちは料理をするのかな?
 「そんなの当たり前じゃないの、家族に食べさせなきゃならないもの」と思う方もいらっしゃるでしょう。でも、誤解を恐れずに言えば、外食や中食が発達したいまの世の中、料理をしなくたって暮らしていけます。そのほうが、限りある時間をいろんなことに使えるし、作るよりもむしろ、安上がりな場合だってあるかもしれません。

 そんなことを考えながら社会を見渡してみると、あらためて見えてきたものがあったのです。
 たとえば、私たち日本人の家族構成のうち、いま一番多いのは一人暮らしで、全体のおよそ35%。若者からお年寄りまで、「一人ごはん」をコンビニなどのお弁当やお惣菜に頼る人は増えていて、中食の市場が年々拡大しているのはご存知の通りです。
 今日は中華、明日は和食……と、一見よりどりみどりに思えるけれど、よく考えると、そのとき棚にある商品に、自分の食欲や味覚を合わせているだけ。そんな食生活を送るうちに、本当に食べたいものがわからなくなっていないかしら。自分の身体に「何を食べたい?」と問いかけずに暮らしていたら、そのうち身体はしんと押し黙って、健やかに生きられなくなるんじゃないかしら。
 一人でも、忙しくても、年老いても。ちゃんと食べてゆくために、健やかで自立した暮らしを送るために、どんな人にでも大切なのが「料理する力」なんだ。この1号では、そんな思いから出発した一大特集を組み、そのなかに入る、5本の企画を練り上げました。明日から、それぞれの担当者がご紹介します。(担当:北川)

さあ、新しい世紀の始まりです!

2019年07月24日

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さあ、新しい世紀の始まりです!
──編集長より、最新号発売のご挨拶

「ある日、ポトフを作ろうとしたら、じゃがいもが見当たらず、代わりに紫芋を入れました。にんじんと紫芋の鮮やかなコントラストが美しく、思わず絵筆を走らせました。箸がスッと通る野菜の柔らかさや、澄んだスープの表現がうまくいったと思います」
このほっこりする文章は、表紙画『ポトフ』に寄せて。
第1号に描いていただいた画家・今井麗(うらら)さんによるものです。
(今井さんには、前号でシフォンケーキを焼いていただいたり、別冊『暮らしのヒント集 5』にもご登場いただいたりしています。)

さあ『暮しの手帖』の、新しい世紀の始まりです。
2007年の第4世紀26号から100号に到るまでの75冊、約13年間、ずっと描き続けていただいた仲條正義さんからバトンタッチされた表紙画は、今回より号替わりで、さまざまな画家・イラストレーターの方々にお願いすることになりました。
共通テーマは一言──「暮らし」です。
その第1回目が、この『ポトフ』。
「うまくいった」と今井さん。本当にそんな素敵な絵であります。
実際の表紙は、ぜひ本屋さんでご確認ください。
そして絶対、中を開いてじっくりご覧ください!
第1特集は「ちゃんと食べてゆくために」60頁。
第2特集は「自分らしい暮らしを見つけたい」34頁。
新連載もたっぷり加えた大増頁でお届けします。
詳しいご案内は、このあとからの各担当者に委ねますが、どの企画も、新世紀を迎えるにあたって、編集部員みんなで「これからどんな雑誌をつくってゆくべきか」、真面目に議論を重ねて編んだ第1号です。
雑誌をつくるということは、美しい未来を思い描くこと。
一人一人の暮らしがいちばん大切。
これからも広告をとらず、読者と向かいあって。
目指す方向は、70余年前の創刊の頃から変わりません。
どうか第5世紀の旅も、私たちとともに進んでいただければと願います。

第5世紀第1号。 
うまくいった、そう思います。

編集長・澤田康彦


暮しの手帖社 今日の編集部