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お子さまと一緒に作って楽しめます

2020年03月21日

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お子さまと一緒に作って楽しめます
【書籍 『手づくり調味料のある暮らし』好評発売中です】
全28種の調味料と、その調味料を使った料理レシピ47点を掲載した書籍『手づくり調味料のある暮らし』が発売になりました。

この本に掲載する28種の調味料のリストです。

豆板醤、XO醤、オイスターソース&カキの油漬け、辣油、トウチ&豆みそ、甜麺醤、コチュジャン、魚醤&プラホック、トマトソース&トマトケチャップ、ウスターソース&中濃ソース、青柚子こしょう&黄柚子こしょう、梅酢&梅干し、しょう油、米みそ、マヨネーズ、ポン酢しょう油、フレンチドレッシング、トルコ風ヨーグルトソース、サンバル、アリッサ、シトロンコンフィ

今日はこのなかから、お子さまと一緒に作って楽しめる調味料を3つご紹介します。

・しょう油 (仕込みの際には、火も庖丁も使いません)
しょう油の作り方はとても簡単。大きめの保存ビンに、炒り大豆、麦こうじ、塩、水を入れ、木ベラでよく混ぜます。はじめの1~2カ月は、木ベラで毎日1回混ぜて発酵を進め、6カ月ほどねかせたら、最後に漉して火を入れます。

・米みそ (最初に大人が大豆をゆでておけば、あとは火も庖丁も使いません)
米みそは最初に大豆をゆでますが、あとはつぶす、丸めるなど、お子さまと一緒に楽しめる工程が続きます。半年ねかせれば、ダシをとらなくてもおいしいみそ汁がいただけます。

・トウチ&豆みそ (火も庖丁も使いません)
豆こうじに塩をまぶし、4カ月ほどねかせればトウチに、豆こうじに塩と水を加えて混ぜ合わせ、5カ月ほどねかせれば豆みそになります。どちらもポリ袋で作れば、衛生的で手軽、お子さまでも簡単にできます。

自分で仕込んだ調味料が、時間とともにおいしくなっていく様子を観察するのは、お子さまにとっても、きっとワクワク楽しいことでしょう。
しょう油やみそは、日本に暮らす私たちの食卓に欠かせない調味料のひとつ。毎日のように使う調味料だからこそ、手づくりすることで、食事の質をぐんと良くしてくれます。
ぜひご家族で、『手づくり調味料のある暮らし』を楽しんでみませんか。
(担当:長谷川)

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おいしい、楽しい、そして安心。手づくり調味料のある暮らし

2020年03月18日

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おいしい、楽しい、そして安心。手づくり調味料のある暮らし
【書籍 『手づくり調味料のある暮らし』が発売です】

豆板醤、XO醤、オイスターソース、魚醤、ウスターソース、柚子こしょう……。
全28種の調味料の作り方と、その調味料を使った和洋中の料理レシピ47点を掲載した、充実の1冊が発売になりました。
著者は、世界60カ国以上を歩き、食文化を研究してきた荻野恭子先生。
荻野先生に教えていただいた手づくり調味料の「魅力」を3つ、ご紹介します。

・魅力、その1。 おいしい
 はっとするほどフレッシュな風味、ひと口食べれば体にしみ渡るような、やさしい味わいに、きっと驚かれるはずです。

・魅力、その2。 楽しい
 短時間で作れて、すぐ食べられる調味料もたくさん。発酵に時間がかかる調味料も、仕込んだあとはほとんど手間がかかりません。食材の旬に合わせて仕込み、わが家の味が育つさまを観察するのも楽しいものです。
・魅力、その3。 安心
 産地や生産者など、原材料から自分で選ぶことができますし、市販品に多く含まれる保存料などの添加物をとらずに済みます。

「体は食べたものでできています。仕事に追われる現代人、また育ちざかりのお子さんのいるご家庭の毎日はとても忙しいものですね。でも、私としてはむしろ、そういった方にこそ、この本を届けたいと思っています」と、荻野先生。

たしかに、口に入る全ての材料を把握している、そんな食事ができることって、あまり多くないかもしれません。
手づくり調味料があれば、毎日の食事の質は、ぐんとよくなる。そんな暮らしの清々しさも、実感していただけたらと思います。

ぜひ店頭でお手に取って、ご覧ください。(担当:長谷川)

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「オイスターソース」が手づくりできるって、ご存知でしょうか

2020年03月13日

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●「オイスターソース」が手づくりできるって、ご存知でしょうか
【書籍 『手づくり調味料のある暮らし』が発売になります】

『暮しの手帖』4世紀95号~5世紀1号で連載し、好評をいただいた「うちで作れる世界の調味料」が書籍になります。
新たに17種類の調味料を加え、ボリュームは倍以上に!
全28種の調味料と、その調味料を使った料理レシピ47点を掲載した充実の1冊です。

この本に掲載する28種類の調味料のリストです。

豆板醤、XO醤、オイスターソース&カキの油漬け、辣油、トウチ&豆みそ、甜麺醤、コチュジャン、魚醤&プラホック、トマトソース&トマトケチャップ、ウスターソース&中濃ソース、青柚子こしょう&黄柚子こしょう、梅酢&梅干し、しょう油、米みそ、マヨネーズ、ポン酢しょう油、フレンチドレッシング、トルコ風ヨーグルトソース、サンバル、アリッサ、シトロンコンフィ

「市販品を買うもの」だと思っている調味料が、多くありませんか?
実は私も、料理研究家の荻野恭子先生にご指導いただくまで、
「オイスターソース」が手づくりできるだなんて、想像したこともありませんでした。
それに、白状してしまえば、「手づくりできる」と知ったところで、
「いやあ、私なんか毎日の食事づくりだけでも、てんてこ舞いだし、そのうえ調味料を手づくりだなんて、とてもとても……」とすら思っていたんです。

でも、先生のレシピの「オイスターソース&カキの油漬け」と、
これを使った「カキの炊き込みご飯」「カキのスープ」を食べたら、
「もう、そんな考えは即、捨てます……!!」というくらい、驚いてしまいました。
とにかく、お、おいしい……!!すごく、すごく、おいしい!!!
これまで食べていた「オイスターソース」とはまったくの別物です。
(というか、これまで食べていたものは何だったんだ……)
この味を知ったら、もう元には戻れない……。
市販品とはまったく異なるフレッシュな香りで、液体はサラリとしています。
雑味がまったくなくて、さわやかなうま味だけがストレートに感じられます。
そして、これがたったの50分で出来上がるなんて……。

この想像以上のおいしさと手軽さを、ぜひ、みなさんにも知っていただけたらうれしいです。
3月18日頃から、順次、書店に並びます。
どうぞ店頭でお手に取って、ご覧ください。(担当:長谷川)

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暮しの手帖だよりVol.19 early spring 2020

2020年02月10日

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絵 片桐水面

編集長のバトンを受け継ぎ、
心も新たに誌面をリニューアルしました。
ごくふつうの暮らしのなかにある、
深い幸せを掘り下げた一冊です。

文・北川史織(『暮しの手帖』編集長)

 

穏やかに晴れたお正月の朝、ゆったりと流れる隅田川を自宅から眺めながら、この原稿を書いています。
はじめまして、1月24日発売の早春号より編集長を務めます、北川史織と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
早春号をお手に取っていただいたら、「あれ? どこか変わったみたいだ」と思う方もいらっしゃるでしょう。そう、この号より、新たなデザイナーを迎えて、表紙のロゴやおなじみの連載のレイアウトもリニューアルを図りました。より読みやすく、軽やかで心地よいデザインをめざしましたので、ぜひご覧ください。

 

*

 

『暮しの手帖』は、今年9月には創刊72周年を迎えます。親子三代で読み続けてくださる方も多いこの雑誌の、9代目編集長というバトンを手渡されたとき、自分はいったい何ができるだろう、何をしたらいいのだろうかと考えました。
これまで副編集長を務めてきた間も、懸命に考えながら誌面づくりをしてきたつもりでしたが、やはり、これほど深く考えたことはなかったかもしれません。
胸に浮かんだのは、以前、日本橋の老舗ばかりを取材したとき、あるお店の会長さんがおっしゃった言葉でした。
「暖簾は守るものじゃない。磨き、育てるものだよ」
そして教えられたのが、歴史の長い和菓子店が「いつも変わらない味だね」とお客さんから言われるためには、ときに小豆などの産地を変えたり、砂糖の配合をわずかに調整するといった工夫をし続けているという話でした。
時代とともに材料の風味も変われば、食べ手の嗜好も変わっていく。「変わらない味」をつくり続けるには、同じことをやっていればいいわけではなく、変えていく努力が必要なのだと。
私たちの雑誌で考えてみれば、いつまでも変わらない拠りどころのように感じてくださる読者もいれば、つねに時代を見据えて新たなチャレンジをしてほしいと願う方もいらっしゃるはずです。もしかしたら、一人の方からも、その両方を求められているのかもしれない。
変えてゆくことを恐れず、しかし、上っ面の流行には流されず。そうして1号1号、必死で考えて編んでいったら、この「暖簾」を育てられるのかもしれないな。そう考えるようになりました。

 

**

 

早春号の内容を考え始めたとき、まず芽生えたのは、「〈ふつうの暮らし〉に向き合う一冊にしたい」という思いでした。ハレとケでいうならケを掘り下げて、そこにある楽しみやよろこび、できれば悲しみまで、きちんと掬い上げる一冊にできたらと思ったのです。
私たちつくり手自身が、〈ふつうの暮らし〉にどれだけ心を寄せて、そこに何を見出し、自分たちなりの言葉で語り表せるだろう。地味なテーマですから、これは一つの挑戦でした。
巻頭記事は、長野県の小さな集落で暮らす、砺波周平さん、志を美さんご家族を取材し、彼らの素の言葉をちりばめました。
周平さんは写真家ですが、集落では御柱祭などに引っ張り出される働き手であり、ときに面倒な人づきあいにも面白さを見出しながら、ここでの暮らしを丸ごと受け入れて愛おしんでいる。
それは、こんな言葉に表れています。
〈3年前から、地域のお祭りに参加しています。すごい人がごろごろしていて、お酒の席ではのんだくれている人も、お祭りではめちゃ頼れてかっこいい。人には尊敬できるところがそれぞれにあって、深くつきあえばつきあうほど、それが見えてくる〉
この記事のタイトルは、「丁寧な暮らしではなくても」。
誰かの「いいね!」を気にしながら暮らさなくたっていい。正直に、素のままで、一生懸命に暮らしていこう。「それでいいし、充分じゃない? って思うの」と話す、志を美さん。ああ、本当にそうだなと、深くうなずきました。

 

***

 

料理記事3本は、いずれも「家のごはんができること」を見つめ直した内容とし、冒頭には、こんな言葉を添えました。
〈ただおいしいだけの料理なら、外食でじゅうぶん間に合うかもしれないけれど、あなたの身体を心からいたわる料理は、あなたの手でしかつくれない。
ときに面倒でも、とにかく自分の手を動かして、つくって、食べて、生きていく。
食を人任せにしないことは、いのちの手綱を自分でしっかり握ることなのです〉
告白すれば、私自身が「丁寧な暮らし」とは程遠く、終電になんとか乗り込んで、夜更けに慌ただしく料理することもしばしばです。それでも、自分の味ってやっぱりほっとするし、疲れが癒えるし、満足して一日を締めくくれるんですよね。
自宅で何度もつくり、もうすっかり覚えてしまった記事が、「白崎裕子さんの野菜スープの法則」です。
野菜と塩だけでつくるのに、固形スープの素を使うよりも格段にコクの深いおいしさに仕上がる秘けつは、「塩使い」にあり。「料理って科学なんだ」と、その面白さに目覚めていただけるはずです。ぜひ、お試しください。
「気楽に作ろう、養生水餃子」は、昨年の梅雨どきに編集部の台所で開かれた、料理教室がもとになっています。
先生は、中国整体師である棚木美由紀さん。漢方の知識に基づいて考案された水餃子は、あんに使う2種の材料の組み合わせで、身体の不調に働きかけます。たとえば、冷えがつらいときにおすすめという「にんじんとラム肉の水餃子」を頬張ると、身体がすぐさまぽかぽかしてくるのですから、不思議です。
もちっとした皮は、めん棒を使わず手だけで、意外なほど簡単につくれます。
「自分の体調に目を向けるきっかけにしていただけたら」という棚木さんの言葉に、はっとしました。私たちは、日ごろアタマで食べるものを選び、身体が悲鳴を上げても知らんぷりしがちかも。身体の奥からの声に耳を澄ませ、自分をきちんといたわることは、家でつくるごはんだからできること。
養生水餃子を楽しんでつくって味わい、そんな気づきを得ていただけたら、とてもうれしいです。
そのほか、「何てことない和のおかず」は、旬の野菜が主役の、ごく簡単なおかず10品をご紹介しています。一汁一菜の献立に、どうぞお役立てください。

 

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小さくて使い勝手のよい四つの台所を取材した記事が、「ひと工夫ある台所」。「現状維持」が基本の賃貸マンションの台所でも、「なるほど、こうして収納をつくれるのか」といったアイデアをご紹介しています。
食べることを大事にしているから、賃貸でも小さくても、工夫を凝らす。使う人の愛がひしひしと伝わってくる、質素でも実のある台所は、やっぱり素敵です。

最後にご紹介したいのは、〈ふつうの暮らし〉にある悲しみを掬い上げた記事「母を送る」です。
筆者は、料理家の高山なおみさん。昨夏に、90歳の母・照子さんを看取った日々を、当時の日記を交えて綴ったこの随筆の読後感は、ただ悲しいというだけに留まりません。
一つひとつ、できないことが増えていき、意識が濁っても、食べて飲み、生きようとする母の姿。高山さんはこう書いています。
〈私は母のそばにいるとき、A4サイズの紙束とペンを持って、ただじっと見ていました。人がどのようにして体を使い切り、この世から旅立つのか、毎日母から教えてもらっていました〉
私たちの暮らしは、ただ楽しいことばかりではなく、その先にはこうした〈終わり〉がそっと横たわっている。だから余計に、何気ない日々が愛おしいのかもしれません。

一年の始まりは、これからの暮らしをどう紡いでいきたいか、思いを巡らせる季節です。そんなとき、この一冊を開いて、心静かに向き合っていただけたら幸せです。
寒さはこれからが本番、どうかお身体をいたわってお過ごしください。

 

下記の見開きページの画像をクリックすると、拡大画面でご覧いただけます。

 

◎リーフレット「暮しの手帖だより」は、一部書店店頭にて配布しています。
印刷される場合は、下記のトンボ付きPDFをダウンロードし、A3で両面カラー印刷されると四つ折りリーフレットが作れます。

・暮しの手帖だよりVol.19 PDFをダウンロード

喫茶店は好きですか?

2020年02月10日

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喫茶店は好きですか?
(4号「まちの喫茶店」)

子どもの頃、父に連れられて行く喫茶店が好きでした。
カウンターでサイフォンがぽこぽこ音を立て、
大人の男性たちは煙草をくゆらせながら新聞を広げ(昭和の時代の話です)、
ときに客と店主との間、客どうしで、なんてことない世間話がくり広げられる。
いま思うと、大人たちは、じつにくつろいだ表情をしていた気がします。
コーヒーは家でも飲めるのに、私たちはなぜ、喫茶店に行くのだろう? 
今回の記事は、そんな思いから出発し、ある町の喫茶店を数日取材して編みました。
このお店を紹介したいというよりも、「喫茶店という居場所」の空気を切り取ってみたいと思ったのです。

「暮らし」は、家の中だけで完結するわけじゃないし、町の中にも私たちの居場所はある。
いまも私たちはどこかで、他人とのささやかなふれあいを求めているんじゃないかな。
取材を通して、そんなことを思いました。
あなたのまわりにもきっとある、そんな居場所に思いをはせながら、読んでいただけたらうれしいです。
(担当:北川)

「今日の買い物」が「また旅。」にリニューアル

2020年02月07日

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「今日の買い物」が「また旅。」にリニューアル
(4号「また旅。久留米へ」)

本誌で人気の岡本仁さんの連載「今日の買い物」は、
この度タイトルを「また旅。」と改め、装いも新たにスタートします。
旅先で出会い、気に入ったものを買って帰る、という趣旨で始まったこの連載。
回を重ねるにつれて、だんだんと買い物のない旅も増えてきたことにお気づきでしょうか。
旅先の買い物も大きなたのしみですが、その土地で出会った人との会話や感じたことなど、
形にはならない思い出もまた、生涯の宝物。
「旅から持ち帰るものはモノだけではないことを、この先もうまく伝えられたらいいなと思います」と、岡本さんは言います。
第一回は「久留米へ」。さて、どのような旅でしょうか。

新しいタイトル文字は、書家の池多亜沙子さんに書いていただきました。
旅先でさらさらとしたためた手紙のような、やわらかな文字にもご注目ください。
(担当:佐藤)

じまんの台所をちょっと拝見

2020年02月06日

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じまんの台所をちょっと拝見
(4号「ひと工夫ある台所」)

誰かの家を訪ねたとき、隙あらば台所を覗いてみたいとじりじりするのは、私だけでしょうか。
いや、もっと隙あらば、皿洗いなんかもさせてもらい、その使い勝手を存分に確かめたい。
「えーっと、ピーラーってどこにしまうの?」とか聞いて、引き出しの中もさりげなく見られたらなあ。
……と、なんだかおかしな人みたいですが、台所ってつくづく、家の中でいちばんおもしろい場所だと思うんです。
今回取材にお伺いしたのは、けっして広くもなく、豪華でもないけれど、
持ち主が日々せっせと使い込んで小さな工夫をこらしている、そんな4つの台所です。
たとえば、賃貸マンションの台所で、壁などに傷をつけない方法で収納棚を設けていたり。
狭いスペースに可動式のカウンターをつくって、配膳・作業台と収納の機能をもたせたり。
どの方も、食べることを大事にしているからこそ、自分なりにひと工夫。
使う人の愛がひしひしと伝わってくる台所は、やっぱりいいなあと思うのです。

この企画、できれば第2弾をやりたいと考えています。
「うちの台所も、工夫の面ではなかなかよ」という方、ぜひ、編集部にご一報ください。お待ちしています。
(担当:北川)

ほんのひと工夫で、ずっとおいしく

2020年02月05日

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ほんのひと工夫で、ずっとおいしく
(4号「何てことない和のおかず」)

いつもの食卓に上がる、とくべつ名前のない和のおかずは、地味だけれどほっとしますよね。
今回、いまが旬の野菜を主役にしたおかずを、仕出し料理人の後藤しおりさんに教えていただきました。
登場するのは、ほうれん草、大根、ブロッコリー、れんこん、キャベツ。
おなじみの野菜が、家にある調味料と「ほんのひと工夫」で、ちょっと新しいおいしさで味わえます。
例えば、「大根とししゃもの煮もの」。
干物の味わいが生きた出汁で大根の細切りを煮て、柚子の香りを効かせた、すっきりと上品な味わいの一品です。
おいしさの秘密は、ししゃもで出汁をとるときの「ほんのひと工夫」にあり……!
焼いた干物にお湯を注いでいただく郷土料理の知恵からヒントを得たそうですが、
とても手軽に作れるので、すっかりわたしの定番になりました。
他にも、ごはんがすすむおかず、冬にうれしい身体があたたまるおかず、ちょっと小腹がすいたときなど、
10種類のレシピとそれぞれの「ほんのひと工夫」をご紹介しています。
何てことない和のおかずですが、「あれ、いつもと違う……!」という小さな感動がきっとありますよ。
いつもとどんなふうに違うのかは、作ってみてのお楽しみ。ぜひ、炊きたてのごはんと一緒にどうぞ!
(担当:佐藤)

あったかい場所でした

2020年02月04日

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あったかい場所でした
(4号「いまなぜ、子ども食堂?」)

子どもが無料、または安価で
ごはんを食べられる場所、「子ども食堂」。
名前を聞いたことがある方は多いと思います。
全国の都市部を中心に、その数なんと3700カ所以上。

ニュースでたびたび目にはするけれど、
どんな人が開いているのだろう?
子どもたちはどんな表情をしているのかな?
私自身、その実態をよく知りませんでした。

取材したのは、タイプの異なる5カ所。
できる範囲で開催している、イタリア料理店の
「ピッツェリア・ディーノ」さん(東京・千歳烏山)、
365日運営している、六郷伸司さんの子ども食堂(東京・高島平)。
地域のお年寄りも参加する、「まくりの家」(埼玉・越谷)。
フードバンク団体、セカンドハーベスト・ジャパンの
「キッズカフェ」(東京・浅草橋)。
そして、子ども食堂ではないけれど、東京・江戸川区による取り組みで、
ボランティアが家庭を訪ねて料理する、「おうち食堂」です。

いずれも子どもたちの心とお腹を満たすことに
専念する人たちの姿がありました。
スーツ姿のサラリーマンや地域のお年寄り、学生などなど、
実にさまざまな人がやってくる。
そしてその中心にいるのは、穏やかな表情の子どもたちです。

百聞は一見にしかず。
子ども食堂が多くの人の心を魅了している理由が
分かったような気がします。
ぜひたくさんの方に読んでいただけたらと思います。
(担当:中村)

続けるということの尊さ

2020年02月03日

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続けるということの尊さ
(4号「湯町窯の画家を訪ねる」)

島根県・松江の玉造温泉駅を降りて2、3分ほど歩いたところに、
「湯町窯」はあります。
大正11年から日用食器を作り続け、かつて、
バーナード・リーチや濱田庄司らも訪れたという窯元です。

画家の牧野伊三夫さんが初めてここを訪れたのは、
なんと30年以上前のこと。
湯町窯特有の、イエローオークルの黄釉の色合いと
三代目の当主、福間琇士さんの人柄に惹かれ、親交を深めてきました。

牧野さんはある日、この窯の事務所で一枚の絵を目にします。
今回の記事は、その絵を描いた琇士さんのお父さんと
湯町窯をめぐるお話です。

取材中、琇士さんがコーヒーカップに取っ手をつける作業を
見せてくださいました。
その時の力強い手と美しい所作が、脳裏に焼き付いて離れません。
その姿からは、何かひとつのことを続けるということの尊さが感じられたのです。

仕事をする時は鋭い目で寡黙な琇士さんですが、
ふだんはやさしい笑顔で、時折ダジャレも飛び出します。
誌面では、そんな琇士さんと牧野さんのやり取りも、
お楽しみいただけたらと思います。
(担当:井田)

紙っておもしろいんです!

2020年01月31日

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紙っておもしろいんです!
(4号「身近な紙で、こんなモビール」)

はじめてその可愛らしいモビールを見たとき、
まさか紙でできているなんて、思いもしませんでした。
パーツを手に取ってみると、軽くて不思議な触り心地。
興味を惹かれて、作者の森友見子さんを訪ねたのでした。

森さんは、紙を再生してもの作りをされています。
お話をうかがうと、
このパーツは、牛乳パックなどの紙を水でふやかしてミキサーにかけ、
紙粘土状にして再成形しているとのこと。
「いつもは資源ごみに出している、あの紙で作ったらどうなるのかな?」と
紙のおもしろさにすっかり開眼してしまいました。

この企画では、森さんに私たちのリクエストをお伝えし、
いらなくなったあんな紙やこんな紙で、
パーツを作っていただきました。
それらを組み合わせて作るモビールは、
形や色もさまざま、多彩な表情になりました。

パーツ作りは、お子さんと一緒に粘土遊びのように楽しめますし、
モビールは贈りものにもぴったりです。
週末の工作にぜひ、お試しください。
(担当:小林)

漆器の弱点、知っていますか?

2020年01月30日

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漆器の弱点、知っていますか?
(4号 新連載「あれやこれや、道具の話」)

暮らしまわりの道具に精通するバイヤー・日野明子さんの連載が始まりました!

台所道具や生活用品は、使うほどに手になじんで、愛着が生まれるものです。
愛着ある道具をずっと使い続けるために知っておきたい、あれやこれや。
扱い方のコツやお手入れの方法を、日野さんが実際に体験したエピソードを交えて綴っていただきます。

初回は、日野さんが友人に漆器を貸し出したら……というおはなしです。
漆器をすでに愛用している方はもちろん、これから使ってみたいと思っている方にも
知っておいてほしい、漆器の意外な弱点が明らかに。

暮らしの中で使う道具なので、日常の雰囲気が伝わる空間で撮影したい——。
編集部のそんなお願いを受け入れていただき、撮影は日野さんのご自宅で行いました。
日野さんがふだん食事をしている卓袱台の上に並べたふたつの漆器。
ひとつは扱い方を間違えて変色してしまった漆器、
もうひとつは日野さんが使い込んで艶やかに育った漆器です。
その違いにもご注目ください。(担当:田村)


暮しの手帖社 今日の編集部