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きっかけはセージの葉っぱ

2022年01月31日

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きっかけはセージの葉っぱ
(16号「ハーブの香る暮らし」)

手紙の封を開くと、便箋とともに
爽やかな香りのするセージの葉っぱがありました。
送り主は、造園家でイラストレーターの大野八生(おおの・やよい)さん。
そんな、さりげなくも印象的なハーブの使い方に心を惹かれたのが、
今回の企画を考えるきっかけとなりました。

大野さんいわく、ハーブを育てるだいご味は、
日々の暮らしでたっぷり使えることにあるそうです。
そこで、大野さんが日頃から実践している
リースの作り方や、ハンドバス、ハーブティーなどの使い方を教えていただき、
大野さんの絵で構成したのがこの記事です。

育て方については、知っておくと便利なコツをQ&A方式で解説。
細かに描かれた葉や茎、花びらなどで目を楽しませつつ、お読みいただけたらと思います。

凍てつくような寒さはまだ続きますが、
季節は春へ向かって、ゆっくりと移り変わっています。
ぜひ皆さんの暮らしにハーブの香りを取り入れていただけたら嬉しいです。(担当:中村)

フライ名人が伝授する、サクサクに揚げる秘訣

2022年01月28日

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フライ名人が伝授する、サクサクに揚げる秘訣
(16号「知れば楽しい 串揚げの秘訣」)

みなさん、フライはお好きですか?
「サクサクに揚がったものを食べるのは好きだけど、
自分でいい具合に揚げるのは難しいし、ちょっと面倒だなぁ」と思う方も多いと思います。
わたしもその一人でした。
ある時、料理人の柳澤由梨さんのご自宅でお料理をいただく機会があり、
そこで出していただいたアジフライやコロッケがおどろくほどおいしくて、参加者のみんなで大盛り上がり!
うすい衣で油っこくなく、サックサク。
食材はふっくらジューシーで、思わず箸が進みます。
由梨さんに「何かコツがあるんですか?」と伺ったところ、
衣のつけ方や揚げ方など、こと細かに教えてくださいました。
「これは記事にして、みなさまにお伝えせねば!」と思ったのがこの企画の発端です。

今回は、作りやすくて食べるのも楽しい「串揚げ」のレシピを紹介しながら、
肉や魚介、野菜などを上手に揚げる秘訣をお伝えします。
一度この通りに揚げてみると、出来合いのフライより遥かにおいしくて、
次からは絶対に自分で作ろうと思えるはずですよ。
ふだんのおかずに、おもてなしに、ぜひご活用ください。(担当:平田)

あわてなくても、大丈夫だよ。

2022年01月27日

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あわてなくても、大丈夫だよ。
(16号「昔話が教えてくれること」)

「むかーしむかし、あるところに……」と、何世代も語りつがれてきた昔話。
そのお話には、先人のいろいろな思いが込められていることをご存知ですか?
昨年11月、昔話研究の第一人者である小澤俊夫さんと作家の中脇初枝さんに昔話への思いを語り合っていただきました。

実は、お二人は30年前、大学教師と教え子のご関係。中脇さんは、大学で民俗学を学び、卒業後は、小澤さんが主催する「昔ばなし大学」で再話や語りを学びました。今も様々に小澤さんに教えをいただいているそうです。今回の対談では、そんなお二人の、息ぴったりの、たのしい会話が弾みます。

対談のなかで中脇さんは、「おだんごころころ」というお話を高知の言葉で語ってくれました。ある女の子が、鬼の家でおだんご作りをさせられるものの、知恵を働かせて逃げて、幸せになる物語です。中脇さんの語りの声やリズムは、なんとも心地よく、小澤俊夫さんをはじめ、一緒にお話を聞いたライターの成合明子さん、編集部員たちも笑顔になり、あたたかいひと時に。お話のなかの女の子の行動は、たくましく、勇気があります。昔話は、子どもたちはもちろん、おとなの心も安らかにして、力をくれるのだなぁと実感したひと時でした。

小澤さんは、一番好きなお話「三年寝太郎」について語り、「あわてなくても、大丈夫だよ」と伝えてくれました。その意味するところとは……? 詳しくは、ぜひ本誌をお手にとってご覧くださいね。
秋山花さんによる、夜の森の絵も、どうぞおたのしみください。

*小澤俊夫さんの書籍『昔話の扉をひらこう』(暮しの手帖社刊)が発売中です。「不安の多い今だからこそ、暮らしのなかで生の声でお話をしあう時間を大切にしてほしい」と小澤さんが願いを込め、昔話に秘められる大切なことをまとめた一冊です。こちらもぜひ、ご覧いただけたらうれしいです。(担当:佐藤)

・別冊『お金の手帖Q&A』訂正文

2022年01月27日

別冊『お金の手帖Q&A』にて誤りがございました。
49頁、「新型コロナウイルスの感染拡大」の項目にある、
「2018年のリーマンショック」という文章は、
正しくは「2008年のリーマンショック」です。
読者の皆様、ならびに関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことを、
深くお詫び申し上げます。

奥が深い味噌の世界へ

2022年01月26日

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奥が深い味噌の世界へ
(16号「『手前味噌』は楽しい」)

「これ、よかったらどうぞ」
2年ほど前、写真家の尾嶝太(おさこ・ふとし)さんから手渡されたのは、
半紙で包まれた、小さな保存容器でした。
半紙には、「osako. organic miso」という消しゴムハンコの文字。
中身は文字通り、尾嶝さんが前の年に仕込んだという、
こっくりした色合いの味噌でした。

家に持ち帰り、さっそく味噌汁に使ってみると——。
これが、驚くほどおいしいのです。
同じく味噌を手渡されたほかの編集部員も、
惜しみながら少しずつ大事に使っているとのこと。

すっかり「オサコミソ」のファンになってしまった私たちは、
尾嶝さんがどんなふうに味噌を仕込んでいるのか知りたくなり、
下田市にある小さな工房を訪ねました。

このとき仕込んだ味噌の量は、なんと50kg!
その量に圧倒されつつも、作業を見守っていると、
大豆と麹、塩の割合や、それぞれの工程に、
職人気質で勉強熱心な尾嶝さんならではのこだわりや、
家庭で味噌を作る時にも生かせるポイントがたくさんあることに、気がつきました。
そして、尾嶝さんに話を聞けば聞くほど、味噌は奥が深いなぁと、実感。

1月から2月は、味噌作りに絶好の季節。
記事には、家庭向けの材料の分量も記していますから、
今年は、「手前味噌」を仕込んでみませんか。(担当:井田)

暮らしもひとつのアートになる

2022年01月25日

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暮らしもひとつのアートになる
――編集長より、最新号発売のご挨拶

このところ、6時くらいに目覚めると東の空が明るく、気持ちまで晴れやかになります。寒さ厳しい日々ですが、確実に、季節は春に向かっているんですね。いかがお過ごしでしょうか。
今号の表紙を目にされたら、懐かしいような、切ないような気持ちで、胸がきゅっとなるかもしれません。絵本作家の酒井駒子さんによる、「いちご」。幼い子が、家族で食べようと洗って置いてあったいちごを、無心に食べています。自分も、わが子も、こんな時期があったのだなあ。いや、もしかしたら、いまちょうどこんな情景が身近な方もいらっしゃるかもしれませんね。
編集部員のなかにも働く親は多く、感染拡大によって、休園となる保育園も増えていると聞きます。先の見えない日々が続くと、心身がじわっと疲れてくるものですが、毎日のおだやかな暮らしが、私たちを支える「確かなもの」であってほしい。今号は、そんな思いを込めて編みました。

巻頭の記事は、写真家の茂木綾子さんの歩みを紹介する、「結んで、開いて、旅をする」。思えば、この記事の取材で淡路島を訪ねたのは、昨年の9月半ばのことでした。
神戸の舞子駅で電車を降りて高速バスに乗り換え、少し走ると、透明感のある海がひろがる景色が続きます。ああ、きれいだなあ。茂木さんは13年前、スイスから家族4人で淡路島に移住し、廃校を改装して「ノマド村」を開きました。ノマド、すなわち「遊牧民」に自身をなぞらえる茂木さんは、ここを地域の人びととアートを分かち合う場にしようと考えたのです。
ところで、コロナ禍となってから、「芸術は不要不急か」という議論があり、私たちはこれまでになく、アートが自分の人生にもたらす力について考えることとなりました。自分のことを振り返れば、自宅に一人こもって仕事をしていた時期、手もとにある絵や写真集を観ることで、心を遠くへ飛ばすことができました。気持ちがざわざわと落ち着かないときは、バッハの『無伴奏チェロ組曲』をずっとかけていたことも思い出します。11号の取材で、南桂子さんの銅版画をたっぷり観られたときのうれしさといったら。アートはけっして不要不急ではなく、やっぱり必要なんだと実感したと言えばいいでしょうか。
今回の記事を編むにあたり、私が茂木さんの話に耳を傾けながら考えたのは、「アートが地域にもたらすものって何だろう」ということでした。いっとき、バブルの頃までは、日本各地に立派な美術館などの「箱物」がつくられましたが、そこに「魂」がないと、つまり、いまを見つめてアートを生み出す人、よりよいかたちで提示できる人がいないと、それはただの「箱」になってしまいます。
茂木さんと夫のヴェルナーさんが築いた「ノマド村」は、立派な「箱物」ではなく、周囲の人たちと土壁を塗るなどしてつくり、手の跡や体温を感じさせる「居場所」でした。ここで暮らしながら、アートを分かち合うって、どういうことなのか。その答えは、「結んで、開いて、旅をする」というタイトルに込めましたので、ぜひ、お読みください。

そのほか今号は、「『手前味噌』は楽しい」「ハーブの香る暮らし」「アイロンがけのおさらい」「こてらみやさんのDIY」など、暮らしのなかで手を動かす楽しみをたくさん提案しています。
ともすれば、暮らしは繰り返すうちに、マンネリ化して澱んでしまったりするものですが、そこに新たな風を吹き込み、まっさらな目で見つめて、自分の手を動かして楽しんでみる。それができたなら、暮らしもひとつのアートになるのではないかと思うのです。
みなさまの大切な暮らしのなかで、この一冊が少しでも心を潤し、お役に立つものでありますように。どうかお身体を大切にお過ごしください。

『暮しの手帖』編集長 北川史織

昔話研究の第一人者、小澤俊夫 著『昔話の扉をひらこう』いよいよ発売!

2022年01月19日

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この本は、昔話の研究を70年以上続けられる小澤俊夫さんが、
「不安なことの多い今だからこそ、毎日の暮らしのなかで、生の声でお話をしあう時間を大切にしてほしい」と願い、昔話に秘められる大切なことを初めての方にもわかりやすく紡いだ一冊です。
わたしたちの祖先が何世代にもわたって語りついできた昔話は、名もない庶民みんなで作ってきた、かけがえのない伝承文化財です。つましい暮らしのなかわたしたちの民族がどんなことを思い、生きてきたのか、お話の形でしみこんでいて、語りかけてくれるのです。

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今回の本を作るにあたって、たくさんの時間を小澤さんと話し合いました。手にとってくださった方に、すぐにお話に親しんでもらえるよう、「小さなお話集」も収録しています。
打ち合わせの時に小澤さんが、「このお話、おもしろいんだよ」と、小さな昔話を語ってくださることもあったのですが、そのあたたかい声と素朴で味わい深いお話は、忙しさでバタバタしていたわたしの心をすーっと癒して、やわらかい気持ちにしてくれました。昔話の不思議な力を感じた体験でした。

91歳の小澤俊夫さんが、これまでどんなふうに歩まれてきたか、そこで見つけたメッセージも編んでいます。2人の息子さんとの鼎談(長男 小澤淳さん、次男 小沢健二さん)も収録。
大切なことをぎゅっと詰めて、森ときつねの表紙カバーで包みました。装画は秋山花さん、ブックデザインはレスパースの若山嘉代子さんです。
どうぞ、お手にとってご覧いただけるとうれしいです。(担当:佐藤)

◎詳しくは暮しの手帖社オンラインストアをご覧ください。
◎小澤俊夫さんのあたたかい声は、ラジオ「昔話へのご招待」(FM FUKUOKA)で聴くことができます。

まあるい空間と、そのつくり手の物語です

2021年12月09日

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まあるい空間と、そのつくり手の物語です
(15号「たあたあとした人 秋野等さんのモノ語り」)

こんにちは、編集長の北川です。
本誌の連載「すてきなあなたに」の執筆者のひとり、伏見操さんから、「記事にできないかな、と思う方がいる」とお話があったのは、4月くらいだったでしょうか。
伏見さんいわく、京都の街中にある徳正寺というお寺の庭に、木の上にのっかったようなお茶室があり、入れていただいたら、いつまでもいたくなるくらい居心地がいい。このお寺の前住職、秋野等さんがおひとりでコツコツとつくり上げたそうなのだけれど、この方を取材してみてはどうだろう……。

じつは私は、このお茶室「矩庵(くあん)」のことは、以前からなんとなく知っていました。建築史家の藤森照信さんが設計したお茶室として、建築が好きな人のあいだでは知られた存在だったのです。
けれども、『暮しの手帖』は「建築好き」の人だけが読む雑誌ではありませんし、いったいどんな切り口で記事にできるかな。そう考えながら徳正寺をお訪ねすると、「まずはお茶でも」と、夫人の章子さんが矩庵で煎茶を淹れてくださいました。
矩庵は、壁も床も同じ漆喰で仕上げられていて、低い椅子に腰を下ろすと、まあるい空間に包まれているよう。ステンドグラス風の大きな窓を壁に引き込むと、風がすーっと入ってくる。小さなお茶碗で一煎、二煎とお茶をいただくうちに、寝不足のアタマもしゃきっとして、心がすっと落ち着くのがわかりました。
そのあとでお話しした秋野さんは、なんだか矩庵そのものといった、「まあるい」感じの人。ゆっくりと優しい声で語られる、矩庵をつくり上げるまでの物語のなかでは、藤森照信さん、赤瀬川原平さん、南伸坊さんなどの友人たちが、いきいきと目を輝かせて、おおいに「遊んで」いました。

私の杞憂はどこへやら、記事は、秋野さんの純粋な生き方と、いろんな人びととの愉快な交流を物語る、なんとも温かなものに仕上がりました。「たあたあ」ってどんな意味あいなのかは、ぜひ、記事をお読みになって感じ取ってくださいね。(担当:北川)

とっておきのひと品に挑戦!

2021年12月08日

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とっておきのひと品に挑戦!
(15号「わたしの煮込み、このひと品」)

気がつけば、クリスマスやお正月など、年末年始のイベントが近づいてきました。
テレビや雑誌でも、普段よりも少し手の込んだレシピを目にします。

数あるごちそうのなかでも、冬本番に向かうこの時季は、煮込み料理を作りたいなと思う人も多いのではないでしょうか。
今回は、料理家や料理人の方たちから、冬になると必ず作るという、お気に入りの煮込み料理を教えてもらいました。

「分とく山」総料理長の野﨑洋光さんには、番茶の香りが香ばしい、豚肉の煮込みを教えていただきました。
中華では、人気若手料理家の今井亮さんが初登場! 
牛バラ肉をたっぷり使った「チャイナビーフシチュー」は、白いご飯が進みます。
他にも、日本人が食べやすいように工夫した「豚肉と豆の煮込み、カスレ風」(サルボ恭子さん)、
イタリアの定番料理「鶏もも肉のカッチャトーラ風」(濱崎龍一さん)、
韓国の煮込みからヒントを得た「豆乳スペアリブ煮込み」(冷水希三子さん)と、バリエーション豊かです。

骨つき肉やブロック肉を使うレシピは難しそう……と思われるかもしれませんが、
落ち着いて、ひとつずつ手順を踏めば大丈夫。
私自身、試作を何度も繰り返すうちに「煮込み料理はゆったりとした気持ちで、急がず、焦らず作るのがなんとも心地よい時間だなぁ」と実感しました。

お店では味わえない、この冬とっておきの煮込み料理をぜひ作ってみてください。(担当:山崎)

雪の博士の物語

2021年12月07日

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雪の博士の物語
(15号「雪の博士 中谷宇吉郎さんの家族アルバム」)

「雪は天から送られた手紙」との言葉を残した、中谷宇吉郎(なかや・うきちろう)さん(1900~1962)は、雪の結晶の美しさに魅せられ、世界で初めて人工的に雪の結晶を作ることに成功した加賀市片山津温泉出身の物理学者です。
科学で人々の幸せに役立ちたいと願い、雪や氷の研究に人生を捧げました。

わたしは2年前、写真家の石塚元太良(いしづか・げんたろう)さんから中谷宇吉郎さんの家族のアルバムがすばらしいと聞き、宇吉郎さんの愛用品や研究にまつわる品々を撮影した写真を見せていただく機会がありました。
帽子やメガネ、雪の結晶を写したプレートなど、その一つ一つに物語と愛情を感じ、ご家庭ではどのようなお父さんだったのだろう? と、思いを馳せたことがこの企画のはじまりです。

次女で「霧のアーティスト」である中谷芙二子さんは、何冊にも及ぶご家族のアルバムを大切に保管されていました。
見せていただくと、年月を経た白黒の写真には笑顔があふれ、あたたかい時間が流れていました。
戦前、戦後の激動の時代を過ごした、ご家族の歴史がぎゅっと詰まっているアルバムです。
拝見してしばらくは胸がいっぱいで、言葉にできない気持ちになりました。

三女でニューヨークに在住のピアニストの中谷三代子さんは、リモート取材で宇吉郎さんとの楽しい思い出をたくさん語ってくださり、最後にこう仰いました。
「父の奥には、いつも親切な心がありました。
自分の子どもたちにさえ、親切だったように思います」

どんな状況にあっても、親切な心や、思いやりの気持ちを大切にされていた宇吉郎さんの姿に、本当の優しさ、本当の強さを教えていただいたように思います。
石塚元太良さんのすてきな写真、ご家族のアルバム写真とともに、雪の博士の素顔の物語を、ゆっくりお読みいただけるとうれしいです。(担当:佐藤)

続くマスク生活を健康に過ごすために

2021年12月06日

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続くマスク生活を健康に過ごすために
(15号「歯と口の異変に気づいていますか?」)

マスクを外すことのできない生活が始まってから、もうすぐ2年が経ちます。
じつは、マスクの下で「異変」が起きていることにお気づきでしょうか?

マスクを長時間つけていると、口の中が乾燥して、
むし歯や歯周病、口臭のリスクが高まります。
また、人と会話したり笑ったりする機会が減ったことで、
自分では気づかないうちに、口の周りの筋力が衰えている可能性も。

こうした「異変」をそのままにしておくと、
食べ物を噛む力や飲み込む力が徐々に弱くなり、
心身の衰えの初期段階「オーラルフレイル」につながってしまうのです。

この頁では、東京医科歯科大学教授で歯科衛生士の吉田直美さんに、
適切な歯ブラシの選び方や、正しい歯の磨き方、
口周りの筋肉を動かす簡単な体操などを教わりました。

私も、新しい歯ブラシを買って教わった通りに歯を磨いてみましたが、
自己流よりも汚れがきれいに落ちていることを実感できました。
口周りの体操も、短時間で簡単にできるものばかりなので、
ぜひ毎日実践してみてください。

まだもうしばらく続きそうな、マスク生活。
読者の皆さまが健康に過ごすためのヒントとなりますように。(担当:田村)

謎解きのように編む楽しさ

2021年12月03日

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謎解きのように編む楽しさ
(15号「『猪谷さんの靴下』のその後」)

編集部では、instagramやTwitterを通して、
読者のみなさんのご感想やご意見を知る機会も多いのですが、
毎年、秋から冬に、複数の糸を組み合わせて編まれた
色とりどりの靴下の写真がたびたび投稿されていることに気づきました。

みなさんが編んでくださっていたのは、
2010年に『暮しの手帖』4世紀45号でご紹介した「猪谷さんの靴下」。
日本スキー界の草分けである猪谷六合雄(いがや・くにお)さんが考案したもので、
足にぴったりと合い、しっかりと厚みがあって暖かく、
丈夫に仕上がるのが特長です。

10年以上経った今も編み続けてくださる方々がいて、
再掲載を望む声を多くいただいたことから、
このたび、一部に新たな解説を加えて、再び編み方をご紹介することにしました。

「猪谷さんの靴下」は、一般的な編み物の図表ではなく、
オリジナルの記号や表を用いて編むので、
謎解きのように編み進めていく楽しさがあります。

まだ編んだことがない方も、これまでに何足も仕上げてくださった方も、
今年の冬、「猪谷さんの靴下」を編んでみませんか。(担当:井田)


暮しの手帖社 今日の編集部