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あなたの食卓を変えるかもしれない、心強い味方

2022年03月29日

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あなたの食卓を変えるかもしれない、心強い味方
(17号「うれしいおかずの素」)

せわしい日々のなか、毎日自炊を続けるのは、
なかなか大変なことですよね。
もっと気持ちを楽にして続けられたら。
ささやかでもおいしいものを作って食べていけたら。
そんなふうに思うすべての方にご活用いただきたいのが、こちらの記事です。

料理家の藤原奈緒さんは、
オリジナルのビン詰め調味料を手掛けたり、
マンツーマンの料理教室をひらいたり、
家庭の食卓をよりおいしくするための活動を続けてこられた方。
そんな藤原さんが今回考えてくださったのが、
調味料のように幅広く使えて、あっという間に主菜も副菜も作れるという、
なんとも心強い「おかずの素」です。

花椒が香る「納豆肉みそ」、
さわやかな酸味が料理をさっぱり仕上げる「玉ねぎと梅のさっと煮」、
シンプルながらうま味のある「ワカメのマリネ」。
例えば「納豆肉みそ」なら、まずはそのままご飯のお供に。
ボリュームのある主菜を作りたければ、麻婆豆腐に。
さっとお昼にしたいときは、和え麺の具に。
使い方や合わせる素材によって異なる味わいとなり、
飽きがこない、すぐれものです。

私は帰りが遅くなったある日、夕飯を考えていて、
「冷蔵庫にあの肉みそがあるから大丈夫」と思えました。

誌面では、オムレツ、チャーハン、牛丼や野菜の煮びたし、スープなど、
23品の展開をご紹介しています。
ぜひこのおいしさ、便利さを体感してみてください。(担当:佐々木)

何度も食べたくなる、ふわふわのおいしさ

2022年03月28日

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何度も食べたくなる、ふわふわのおいしさ
(17号「白崎裕子さんの米粉のクイックパン」)

あなたのまわりに、食物アレルギーの方はいませんか?
わたしの友人は、小学生の息子に小麦粉と玉子がアレルギーがあり、
給食には米粉のパンを持たせているそうです。
米粉パンは近所のスーパーには売っていないし、遠くまで買いに行くのも大変、
かといって、自分でおいしく作るのはとても難しい、と悩んでいる様子。

そんな苦労を抱える方は意外と多いと聞き、
米粉使いの名人・白崎裕子さんに相談してみることにしました。

「小麦粉、乳製品、玉子を使わず、
誰でも手早く、失敗なく作れるおいしいパンを考えていただけませんか?」

我ながら無理難題をリクエストしてしまったのですが、
白崎さんは日夜試作をくり返し、5種類ものパンを考えてくださいました。
食べてみると、ふわふわ、しっとり、とても軽い食べ心地で、
アレルギーがないわたしも「またこのパンを食べたい!」と思うほど気に入りました。
しかも、少ない材料で、あっという間にできるんです。

オーブンをお持ちでない方には「豆腐パンケーキ」がおすすめです。
白崎さんの中でも過去最高の自信作だそうで、わたしも何度も作っています。

アレルギーがある人もない人も、一緒においしさを分かち合える米粉パンを、ぜひお試しください。(担当:平田)

いまもいつかは思い出になる

2022年03月25日

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いまもいつかは思い出になる
――編集長より、最新号発売のご挨拶

ここ東京では、あちこちで桜が花開く様子が見られるようになりました。ああ、いよいよ春がやってきたのだなあとうれしくなり、木々を見上げながら散歩するのが小さな楽しみになっています。いかがお過ごしでしょうか。
今号の表紙画は、フランスの画家、ポール・コックスさんによる「ずっと」。世界がコロナ禍に見舞われて2年が過ぎ、鬱々とした気持ちになりがちなときだからこそ、「ぶらっと散歩に出て、心を解放させよう」というテーマで絵を描いていただけないかとお願いしました。
やがて届いた絵には、手をつなぐ二人と、続いていく道。ポールさんが寄せてくださった言葉より、一部をご紹介します。
「愛する人との散歩を想い、ぼくはこれを描きました。絵の中の二人は、道の向こうに広がる世界を探検にいくのか、それとも家に戻るところなのか。そのどちらとも言えるでしょう。この穏やかな循環がずっとつづくことを祈って、この絵を贈ります」
二人の手が描く「M」の文字にも、さまざまな意味が込められていますが、それは「今号の表紙画」の頁をじっくりお読みいただけたらうれしいです。

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表紙の右端には、毎号たいていは巻頭記事のタイトルをキャッチコピーとして立てています。今号は「いまもいつかは思い出になる」。ふるさとの家族と長らく会えずにいたり、家庭や職場で以前とは異なる苦労があったりと、誰もが少なからず苦しみを抱きながら暮らしているいま、小さくとも、胸に灯りをともすような言葉を掲げられたらと思いました。
この記事で取材したのは、エッセイストの吉本由美さん。ふるさとの熊本市から高校卒業後に上京し、セツ・モードセミナーで学んだり、映画雑誌『スクリーン』の編集者となったり、インテリアスタイリストの草分けとして活躍したり。東京で40年余り、つねに心の赴くまま、「行き当たりばったり」に暮らしてきたという吉本さんは、11年前、両親の介護をきっかけに熊本に戻ることを決めます。
2日間にわたる取材では、ふるさとと言えども様変わりしている熊本で、どんなふうに友人をつくり、楽しみを見つけて暮らしていらっしゃるのか……といったお話をお伺いしました。そんな話題のなかで、吉本さんがふと漏らした「人生は懐古趣味がいいのよ。思い出すって、楽しいことだから」という言葉に、はっとしたのです。
「懐古趣味」というと、なんだか後ろ向きにも思えますが、私たちはおそらく、過去の小さな出来事を胸に反芻させて温かな気持ちになったり、誰かがかけてくれた言葉を励みにしたりして、「いま」を懸命に生きているのではないでしょうか。そして、そんな「いま」も、いつかは思い出になる。思い出すことが、人生の楽しみであり、喜びであるというのは、年齢を重ねるごとに実感することなのかもしれません。

今号は「ふるさと」をキーワードにした記事が、そのほか2本あります。ひとつは、「わたしの好きな ふるさとのお菓子」。8名の方たちに、味わうとほっとして素の自分に戻れる、郷里のお菓子について教えていただきました。
あとひとつは、「小林夫妻のピノ・ノワール この土地と生きる」。故郷である長野県原村に戻り、土地を耕し、ワインをつくることで、自然を守りながら暮らす。そんな小林夫妻の生き方について、編集部員が綴りました。
ご存じのように、遠い空の下、ふるさとを追われ、日常を奪われて、死におびえながら生きる人たちがいます。なんてことのない暮らしが、いかにかけがえのないものなのか、「平和」とはなんて脆いものなのか……みながそう実感し、不安を覚えるなかで、「平和を守るとはいったいどんなことか」、さまざまな議論が持ち上がっています。
議論ができるうちは、つまり、みなが自分の考えを口に出し、たとえ決着がつかなかったとしても、話ができるうちはいいでしょう。しかし、はやばやとある一つの意見にまとめあげられ、「違う」と考える人が声を上げられなくなる、それはとてもこわいことです。
「わたし」がどんな暮らしを送っていきたいか、どうしたら幸せに生きられるのか。たとえ自分に子どもがいなかったとしても、いまを生きる子どもたちにどんな未来を手渡していきたいか。自分の足もとから、社会を、この世界を見つめてじっくりと考えて議論していくことは、けっして「平和ボケ」ではないと私は思います。
「大義」よりも「暮らし」を礎にして、本当の民主主義とは何なのか、ぶれずに考える。それは77年前の過ちをもとに、私たち『暮しの手帖』が創刊してから伝え続けてきたことで、これからも変わらずに伝えていきたいと考えています。
なんだかカタくなりましたが、みなさまの日々が、穏やかで、春の喜びに満ちたものとなりますように。どうか、心身健やかにお過ごしください。

『暮しの手帖』編集長 北川史織

『昔話の扉をひらこう』の書評が掲載されました(朝日新聞・3/19)

2022年03月22日

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3/19(土)朝日新聞朝刊に、
小澤俊夫 著 『昔話の扉をひらこう』の書評『ことばは「音」 語ってあげて』
(吉川一樹さん評)が掲載されました。  

***
子どもの頃の温かい記憶を呼び覚ますとともに、未来へのメッセージに満ちている。
……2人の息子との「ことば」をめぐる鼎談も収録。音楽家の次男・小沢健二さんと意気投合したのは、ことばはまず「音」であること。視覚・文字情報に偏る現代にあらがう一冊だ。(一部引用)
***

昔話研究の第一人者である著者は、「子どもは社会の末っ子。今、不安の多い時だからこそ、暮らしのなかで、生の声でお話をしあう時間を大切にしてほしい」と願います。
人と人をつなげる昔話の力、声の力、語りの秘密等、お話を例に交えながらその豊かな世界をご案内します。

◎詳しくは、こちらをご覧ください。

野菜が主役のベストレシピ集ができました。

2022年03月16日

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暮しの手帖別冊『春野菜 夏野菜 決定版レシピ』が3月16日に発売となりました。
この本は、季節の野菜のおいしさを生かしたレシピを集めた一冊です。

これまで『暮しの手帖』は、たくさんの料理を掲載してきました。
そのなかに眠っている、格別おいしいレシピを丁寧に掘り起こして厳選したベストレシピ集です。

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ふきのとうや竹の子、柔らかな新玉ねぎや春キャベツなど、
まさに今だからこそ味わえる春野菜を使った料理、
トマトやきゅうり、なす、ゴーヤーやピーマンなど、パリッとみずみずしい夏野菜の料理。
そして、手早くぱぱっと作れるシンプルな野菜料理や
肉や魚介と野菜の取り合わせが絶妙な料理など、いろいろなテーマに沿ってレシピを選びました。

穏やかとは言えない日常が続いても、家庭でおいしい料理を食べたら、
少しだけ、ほっとできますよね。
ご馳走でなくてよいのですから、季節の野菜の味わいを、
シンプルでおいしい料理を楽しみましょう。
旬の食材って、そのままの味を生かすのが一番ですから。
くわしくはこちらのページをご覧ください。(担当:宇津木)

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『昔話の扉をひらこう』増刷のお知らせです!

2022年02月16日

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昔話研究の第一人者、小澤俊夫さんの著書『昔話の扉をひらこう』が、たくさんの方に好評いただき、この度、増刷の運びとなりました。

この本は、「不安なことの多い時代だからこそ、暮らしのなかで、生の声で語り合う時間を大切にしてほしい」と願いを込めて、小澤俊夫さんが昔話に見つけた大切なメッセージや、今伝えたい想いを、力強くもやさしい語り口でまとめた一冊です。
70年以上昔話の研究をつづける小澤さんは、昔話のほんとうの姿は、「語られている時間のあいだにだけ存在し、語り終えれば消えてしまう」と話します。
そして、「これから世の中へ出かけて行く子どもたちに、どうぞあなたの声でお話を聴かせてやって下さい」と願うのです。声は、目に見えないからこそ深く心に残り、子どもが安心して生きて行くことを支える力がある、と。

本を手にとってくださった方々からは、こんな声が届いています。
「著者の、子どもへのまなざしがあたたかい。読んでいると、やさしい心が伝わってくる」
「さっそく子どもに昔話を語ってみたら、案外よく聴いてくれた」
「昔話は、人の心を癒したり、コミュニケーションを育む力があることを知った」などなど。

後半には、とっておきの昔話を17話収録。子どもとおとなが一緒にたのしめます。
また、巻末の鼎談「子どもとことば」(小澤俊夫×小澤淳×小沢健二)も、読みごたえたっぷりと大好評! バイリンガルの子どもたちがことばを獲得していくエピソードや、「ことば」について、親子で語り合った貴重な記録です。

どうぞ扉をひらいて、そのゆたかな世界を感じてみてください。

◎詳しくは、暮しの手帖社オンラインストアをご覧ください。
◎「暮しの手帖」16号では、昔話研究者の小澤俊夫さんと作家の中脇初枝さんとの対談「昔話が教えてくれること」を特集しています。ぜひ、あわせてご覧いただけたらうれしいです。(担当:佐藤)

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裏表紙には、きつねが一匹、ひっそりと。秋山花さんが描いてくださいました。扉の絵の栞付き。
ブックデザインはL’espaceの若山嘉代子さん、印刷は長野県松本市に工場のある藤原印刷さんです。

いっしょに旅するように

2022年02月08日

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いっしょに旅するように
(16号 新連載「ふたつの中心」)

こんにちは、編集長の北川です。
今号の巻頭記事「結んで、開いて、旅をする」は読んでいただけたでしょうか?
この記事の主人公、写真家で映像作家の茂木綾子(もぎ・あやこ)さんは、ふしぎな魅力をもつ人です。まるでノマド(遊牧民)のように世界を旅しながら写真を撮り、スイスでアーティストたちと共同生活を送ったのち、淡路島に移住し、廃校を改装して拠点を築く……。そんな短いプロフィールを聞くと、ちょっととんがった芸術家なのかと思いきや、実際の茂木さんは気さくで親切で、あったかい笑顔を浮かべる人。淡路島でともにアート活動をした人たちに、頼られ、慕われたのがよくわかります。

今号から始まった「ふたつの中心」は、そんな茂木さんの写真と文章で構成する見開きの連載です。妻であり、母である茂木さんですが、いまは二人の娘さんもそれぞれの世界に巣立ち、自分の創作のためだけにめいっぱい動ける時間を手にしました。
さて、何をやろう。どこへ行こうか。
この連載のひとつのテーマは「旅」で、茂木さんが各地を旅しながら撮った写真と、そこから想起した言葉とで紡がれます。第1回目は、過去に家族で旅したピレネー山脈の写真より。
ほとんどの人は家族をもち、そこでの役割をはたしながら日々を生きています。でも、妻・夫、母・父といった役割をもちながらも、心のうちには変わらぬ「わたし」がいて、純粋な目で世界を見たり、感じたことを素直に言葉にしたいと欲しているのかもしれない。連載のやり取りを通し、そんなことを考えました。
茂木さんといっしょに旅するように、この連載を楽しんでいただけたらうれしいです。(担当:北川)

「近くの他人」は他人じゃないかも

2022年02月07日

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「近くの他人」は他人じゃないかも
(16号「沖本姉妹から継いだもの」)

今の賃貸マンションに引っ越してきて、5年が過ぎようとしています。
隣や階下の人とは会えば挨拶を交わしますが、
それ以上の関係に発展する気配も、きっかけもありません。
知るのは名字のみ。どんな仕事をし、どんなふうに暮らしているのか……。
「仲浅き隣はなにをする人ぞ」、といったところでしょうか。

そんななか、「沖本邸」のことを知りました。
それは国分寺市にある、敷地面積約600坪、築約90年の屋敷。
現在はカフェとして使われていますが、そのまえは、老姉妹が住んでいました。

驚くべきは、この屋敷を7年前に相続したのが、血縁のない他人であったこと。
近所に住み、姉妹に食事を差し入れたり、通院を手伝ったりしていた一家が
姉妹からの申し入れを受け、屋敷を継ぐことを決めたというのです。

「遠くの親類より近くの他人」とはいうけれど、
この都会で、どうしたらそんな濃い付き合いが生まれ得るのか。
私は信じられない思いで、現在屋敷を管理する久保愛美(くぼ・なるみ)さんにお話を伺うべく、
沖本邸を尋ねました。

いくつもの時代をくぐり抜けてきた屋敷と、そこに込められた人々の思い。
久保さんいわく、「この屋敷が人を選んで、呼んでいる気がする」。
それは、「事実は小説よりも奇なり」を地でいく物語でした。(担当:島崎)

自分で作るから、楽しい

2022年02月04日

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自分で作るから、楽しい
(16号「こてらみやさんのDIY」)

なんて心地いい住まいなんだろう。
初めて料理家のこてらみやさんのご自宅を訪れた時、
そんなふうに感じたことを覚えています。

アンティークの家具や部屋の雰囲気ともよく馴染んだ飾り棚を
じっと見ていると、「これ、私が作ったんです」と
こてらさんが言うので、びっくり。
こてらさんは、お料理はもちろんのこと、DIY名人でもあったのです。

この企画では、こてらさんがこれまでに手がけた
さまざまな家具を見せていただくとともに、
ベンチ収納やプランターカバーとしても使える
「コンポスト」の作り方を教えていただきました。

私自身は、DIYは全くの初心者。
果たして自分に作れるだろうか、とおっかなびっくり
電動ドリルやドライバーを手にして、「試作」をしてみました。
始めてみると、だんだんと形になっていくのが想像以上に楽しくて、
作業に没頭してしまいました。
自分で作ると、愛着も湧きますね。

子どものおもちゃ入れにもぴったりのサイズなので、
わが家では、しばらくは収納として活用したいと考えています。(担当:井田)

地味だけど、滋味ゆたか

2022年02月03日

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地味だけど、滋味ゆたか
(16号「いりこって便利です」)

かつお節、昆布、干し椎茸、そしていりこ(煮干し)……。
ダシをとる素材はさまざまですが、
出身地域や好みによって、人それぞれに使い慣れたものが
あるのではないでしょうか。

今号では、中でもひときわ手軽で便利な「いりこ」に注目。
“みそ汁やうどんダシ”のイメージを持つ方も多いと思いますが、
ダシに使うだけではもったいない!
「いりこが大好き」と話す料理家の堤人美さんが教えてくれたのは、
炒めものや常備菜、炊き込みご飯に洋風スープと多彩なレシピです。
いりこが野菜の甘味を引き出してくれるので、
野菜ひとつの簡単なおかずやご飯も、不思議なほどおいしくなりますよ。

もちろん、みそ汁やうどんダシの作り方も教わっていますので、
いりこになじみのない方は、定番からお試しいただくのもおすすめです。

この記事を担当してから、
わが家のみそ汁はもっぱらいりこダシになりました。
見た目は少し地味だけれど、しみじみおいしくて栄養たっぷり。
そんないりこのレシピを、
日々の食事づくりにお役立ていただけたらうれしいです。(担当:田村)

焦らずに、少しずつがコツ

2022年02月02日

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「焦らずに、少しずつで大丈夫」
(16号「アイロンがけのおさらい」)

パリッとしわひとつなく仕上げられたシャツは、
清潔感があり、着る人に素敵な印象を与えてくれます。
自宅のアイロンでこんな風に仕上げられたら……と、思うことはありませんか?

今回この企画が決まったときに、真っ先に思い浮かんだのは、
東京・神田神保町にある「伊沢クリーニング商会」でした。
編集部からも近い場所にあるこのお店は、三代にわたって続く老舗です。
店主の伊沢裕樹(いさわ・ひろき)さんは、ワークショップなどで
家庭用アイロンを使ったアイロンがけのコツを教えていらっしゃいました。
プロのノウハウを活かしつつ、家庭でも実践できる方法を教えて欲しい! と
取材に伺った際、実にわかりやすく3つのコツを教えてくださいました。

「プロの僕たちだって、シャツにある全てのしわを数秒で綺麗にすることは難しいんですよ。
焦らずに少しずつ、確実にしわを伸ばしていきましょう」
撮影中の、そんな伊沢さんの一言に、はっとさせられました。

普段、あまり深く考えず、シャツにアイロンをかけていた私ですが、
手順を守り、焦らずに作業を進めることで、出来上がりも見違えるような仕上がりに。
ぜひ一度、誌面の手順通りに、アイロンがけをしてみてください。(担当:山崎)

軽やかで、華やかなお寿司を気軽に

2022年02月01日

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軽やかで、華やかなお寿司を気軽に
(16号「3種の寿司飯で 春色ちらし寿司」)

故郷がますます遠のいたいま、
みなさんにも懐かしく思い出される、なじみの料理があるのではないでしょうか。
私にとってそれは、漬けにした鯛やマグロ、カンパチの刺身で作る握り寿司。
握り寿司はむずかしいけれど、ちらし寿司なら気楽に作れて、
みんなで分け合う時間も楽しそうです。

そんな思いから、自身もお寿司が好きで
ふだんから折々に作ると話す料理家のワタナベマキさんに、
「柑橘」「梅干し」「酢」を使った3種類の寿司飯で、
彩りもゆたかなちらし寿司を教わりました。
早春の食材をちりばめた、軽やかな味わいの4品。加えて、
はんぺんのうま味をいかしたシンプルなお吸いものもご紹介しています。

少し目新しいのは、さわやかな香味ではっとするおいしさの
柚子やレモンの果汁を使ったお寿司と、梅干しを使った手頃なお寿司。
米酢を使った「蒸し鯛と絹さやのちらし寿司」も、
砂糖は控えめの寿司酢によって、
鯛の酒蒸しや錦糸玉子といった具の繊細な味わいが活き
しみじみおいしく仕上がっています。

ふだんの食卓に、ひな祭りに、おもてなしにも。
ぜひ気軽に作ってお楽しみください。(担当:佐々木)


暮しの手帖社 今日の編集部