1. ホーム
  2. > Blog手帖通信

寒い季節に食べたい、甘酸っぱいおやつ

2023年01月26日

c5_022_remon

寒い季節に食べたい、甘酸っぱいおやつ
(22号「旬のレモンでおやつはいかが?」)

レモンというと、その爽やかな香りから、夏を連想される方もいるかもしれません。
実は、国産レモンの旬は、まさに今。みかんなどの柑橘類と同じく、秋から冬、春先にかけて出回ります。

最近では国産レモンがあちこちで作られるようになり、店頭でも目にすることが増えたのではないでしょうか。
国産レモンは無農薬のものが多いのも特長です。見かけたらぜひ買い求めてみてください。
そして皮まであますところなく使って、おいしいレモンのおやつを作ってみませんか?

今回4種のおやつを教えてくださったのは、「レモンは永遠のアイドルです!」と話す、お菓子研究家の藤野貴子さん。
本格的なフランス菓子を得意としながら、家庭でかんたんにつくれるレシピにも定評があります。

レモンのお菓子といったら外せない「レモンケーキ」は、たっぷりのレモン果汁をたっぷり染み込ませた、しっとりタイプ。
食べ応えもバツグンです。

ほろ苦いカラメルにレモン汁を加えた「レモンプリン」は、クセになる味わい。
プレゼントにぴったりの「レモンの生チョコレート」も、ちょっと驚きのおいしさです。

今回いちばん手軽に作れるのが、「レモンカスタードとスティックパイ」です。
電子レンジで作る失敗知らずのカスタードは、レモンの風味が爽やかで軽く、私は普通のカスタードよりも断然好みの味でした。
市販のパイ生地を使ったスティックパイを添えれば、もう食べる手が止まりませんよ。

もしもレモンが足りなくなってしまったら、市販のレモン汁でも代用できます。市販のものの方が酸味が強いので、お好みで使い分けてもいいでしょう。

冬の果実をおいしさを、存分に楽しんでもらえるとうれしいです。(担当:小林)

普通をしっかりやっていく

2023年01月25日

c5_022_top

普通をしっかりやっていく
――編集長より、最新号発売のご挨拶

こんにちは、北川です。
この冬いちばんの寒気が列島に流れ込んでいるとのことで、大雪に見舞われた地域では、いろいろお困りの方もいらっしゃるでしょうか。路面凍結もこわいですから、みなさま、どうぞご安全にお過ごしください。
今号の表紙画は、イラストレーターの水沢そらさんによる「春よ、こい」。草むらに花々が咲き乱れ、蝶やイモムシが生を謳歌している――そんな絵で、ひと足早い「春爛漫」をお届けします。函館市出身の水沢さんは、子ども時代、この時季は春を待ち焦がれていて、これはそんなときに思い描いていた春の表現だそうです。
水沢さんが絵に寄せてくださった言葉(169頁)より。
〈そういえば今は亡き父も毎年飽きもせずに言っていました。「はやく春、来ねえかなぁ。寒いの飽きたなぁ」って〉

c5_022_futuu

思えば、巻頭記事「湯宿さか本 坂本菜の花さん 普通をしっかりやっていく」の取材撮影で能登半島にある石川県珠洲市を訪れたのは、昨年の11月半ば、紅葉真っ盛りの時季でした。いまはすっかり雪景色だと聞きます。
「湯宿さか本」がどんな宿か、もしかしたらご存じの方もいらっしゃるかもしれません。宿をつくった坂本新一郎さんが自ら掲げたキャッチコピーは、「いたらない、つくせない宿」。いわゆる観光地にあるわけでもなく、温泉が湧いているわけでもない。客室には、鍵もテレビもトイレもなく、客は囲炉裏のある広間にいちどきに集まって、夕食・朝食をとります。
客の都合に合わせてくれるホテルなどに慣れていると、ちょっと面食らうかもしれませんが、これがとても心地よく、「叶うならば、あと一日いたいなあ」と思うのです。なぜでしょう?
一つは、坂本さん家族が手分けしてつくる、心尽くしのお料理。そばがき、鰤大根、焼きおにぎりなど、素朴に見える料理が、なんて洗練されていておいしいことか。もう一つは、一家の人柄と暮らしぶりでしょうか。新一郎さん、妻の美穂子さん、娘の菜の花さん。早朝から、炭に火をおこしたり薪をくべたりと、とにかく一日中、ほとんど休む間もなく働いているご家族ですが、自分たちの「まかない」はつどつどきちんとつくり、楽しみを忘れず、暮らしをおざなりにしていません。言葉を交わすと、ユーモアに満ちていてあったかく、人との会話ってこうありたいなあと思うのです。
説明が長くなりましたが、今回の記事の主役は、新一郎さんから宿の経営を引き継いだ菜の花さん、23歳。私が菜の花さんを知ったはじまりは、編集部の人に誘われて観たドキュメンタリー映画『ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記』でした。
映画は、沖縄のフリースクール「珊瑚舎スコーレ」に通う菜の花さんが、この学校の夜間部に通う地元のおじい・おばあ(戦争中に学べなかった方たちです)と触れ合い、やがて沖縄に横たわる基地問題に目を向けて学校の仲間たちと取材をしたり、新聞にコラムを書いたりする姿が描かれます。外からやってきた十代の菜の花さんだからこそ見えるもの。他者を思いやりながらも、恐れずに、素直に語られる言葉。「この人にお会いしてみたいなあ」と思い、はじめて「さか本」を訪ねたのは2020年の11月でした。
その頃の菜の花さんは、実家に戻り、宿の仕事を始めて2年ばかり。毎日の仕事と暮らしを自分の手で回していく大変さに向き合い、そんな中で、社会とどうかかわっていけばいいのか、悩み、もがいている……ように見えました。そう、私たちには一人ひとりに「守るべき暮らし」があるがゆえに、日々は本当に忙しく、よくないとわかっていても、社会の問題をスルーしてしまうことがあるんじゃないでしょうか。
それから2年、久しぶりにお会いした菜の花さんは、なんだか顔つきがすっかり「大人」になっていました。所作はいっそうきびきびとして無駄がなく、「覚悟を持って働いていると、人はこういうふうに変わっていくのだなあ」と思ったものです。
普通をしっかりやっていく。
この記事のタイトルとしたのは、菜の花さんがふと漏らした言葉です。「普通」を「日常」と置き換えるなら、いま、「普通」を大切にすることはむずかしくなっている、そう思うのは私だけでしょうか。どんな人も、自分の生き方を否定されずに、のびやかに生きていくこと。どんな子どもも充分に食事をとれて、学びたい道があれば、不自由なく進める。そうしたことが、本当に「普通」になることを望みます。
そのためにはどうしたらいいのか、未来のために何を選んでいけばいいのか、自分の暮らし、すなわち足元から考えていきたい。そう願って、この記事を編みました。お読みいただき、ご自身の暮らしに重ね合わせながら考えていただけたらうれしいです。

そのほかにも、沖縄の離島を舞台にした「伊平屋島に生きる理由 是枝麻紗美さんとクバの葉の民具」、「アフガニスタンから来たバブリさん」、「憲法を語ろう」などの読み物、旬の魚介やレモンを楽しむ料理記事、韓国の手仕事「ポジャギ」の記事などを揃えました。あすから、担当者が一つずつご紹介します。
年が明けてはや1カ月が経とうとしていますが、今年も私たちがこの手を動かして、精いっぱい暮らしを楽しんでいけますように。寒さ厳しい日々が続きます、どうぞご自愛ください。

『暮しの手帖』編集長 北川史織

おろし金は、大きいほうがいい

2022年12月13日

c5_021_01c_dougu

おろし金は、大きいほうがいい
(新連載「温故知新の生活道具」)

こんにちは、編集長の北川です。
しだいに寒くなってくると、食べたくなる料理の一つが「みぞれ鍋」です。子どもの頃は、「ほら手伝って」と母から皮をむいた大根を手渡され、テレビを見ながらシャリシャリと。そんな身の入らない様子では、大根おろしはさっぱり進まず、「もう用意ができちゃうよ」と怒られたりしました。あのときの「おろし器」は樹脂製で、斜めになった「受け」がついていたような。
今回の記事でご紹介する「おろし金」は、京都の「有次(ありつぐ)」が製造販売するもので、銅板を叩いて作られています。おすすめのサイズ「十」は、タテ28センチ、最大幅13センチほど。はじめに見たときは、「家庭用にしては、ちょっと大きいのでは」と思ったものですが、いざ大根をすべらせてみると、すーっと軽い力ですりおろせて、じつに快適。これは、面の部分が大きく、目立てした刃が鋭いからだといいます。

調理道具を変えたら、それまでおっくうだった作業がぐんとラクになり、料理を楽しめるようになった。誰にでもそんな経験が一つや二つあるはずですが、だからこそ、道具は自分の暮らしを見つめながら、よくよく考えて選びたいものですね。この連載では、職人の手仕事をテーマに取材をしてきた編集者・藤田優さんが、取材で出合って愛用している「生活道具」を、毎回一つずつご紹介します。
どうしてこのおろし金は使い勝手がいいのだろう? 日々の手入れの方法は? そんな話題が盛り込まれたコラムです。新しい道具選びの参考に、お手持ちの道具を大切に使い続けるために。ぜひご活用ください。(担当:北川)

かわいくて、頼りになる相棒

2022年12月09日

c5_021_11_pot

かわいくて、頼りになる相棒
(21号「橋本靖代さん お茶時間を楽しむポットジャンパー」)

「お茶帽子」と言ったほうが、読者のみなさまはピンとくるでしょうか。
ティーポットなどにかぶせて保温するための、ポットカバー。橋本靖代さん(eleven 2ndデザイナー)は、これを「ポットジャンパー」と名付けました。イギリスでは、かぶりもののセーターのことをジャンパーと呼ぶそうで、ポットに着せているセーターのようだから、というのが由来です。帽子をかぶせたり、セーターを着せたりと、ポットを擬人化したくなるのは、寒い時季に大活躍してくれる相棒のような存在だからかもしれませんね。

今号では、橋本さんにポットジャンパーの作り方を教わりました。
通常では輪にして編むことが多いのですが、橋本さんの作り方はユニークで、片面ずつを2枚編んで、両脇をとじるつくりです。すいすい編めるので、2~3時間で完成するのもうれしいところ。編み地違いで2種類をご考案くださいました。

完成したものをポットに着せると、飲み物が冷めにくくなりますし、何よりそのかわいい姿に、お茶の時間がいっそう楽しみになりました。

みなさまがお持ちのポットにも、このすてきなジャンパーを、ぜひ着せてあげてくださいね。(担当:平田)

子どもを評価すること、分けること

2022年12月08日

c5_021_10_tuuchihyo

子どもを評価すること、分けること
(21号「通知表はどうしてあるの」)

皆さんは、通知表を作成・配付していない茅ヶ崎市立香川小学校のことを、ご存じですか? もしかしたら、今これを読みながら、「えっ、通知表ってなくせるの?」と、驚いた方もいらっしゃるかもしれませんね。

私はこの取り組みについて耳にした時、すぐに「いいな」と思いました。けれど、周囲と話してみると、案外と反対意見も多いようでした。
「通知表を励みにがんばっている子もいるのに」「人間にはある程度、競争が必要だと思うよ」「大人になってからも、他人からの評価はついてまわる。慣れておいた方がいいと思う」
友人や知人からそんな声を聞きました。うーん、なるほど。皆さんはどう思われるでしょうか?

9月、香川小学校を訪ねました。学校見学に同行してくださったのは、教育学者の池田賢市さんです。
池田さんには、4世紀88号で「不登校だって大丈夫」という企画を編んだ時に、お話を伺ったことがあります。「子どもにとって、学ぶことは義務ではなく権利である」「学校に行きたい子も、行きたくない子も、安心して学べる環境が保障されるべき」。そう教えていただきました。
その時、雑談の中で、池田さんはこんなことも仰いました。
「『性別』や『容姿』で人の処遇に差をつけたら、『それは差別だ』って、多くの人が言いますね。では、『能力』で待遇差をつけることについては、どうでしょうか? 私は『能力差別』はこの世に最後まで残る差別だと思っているんですよ」

「できる」「できない」と人を評価して、差をつけること。それは世の常で、当然のこと、と飲み込んでいた私にとって、池田さんのその言葉は印象深く、心に残り続けるものとなりました。

この企画では、そんな考えの持ち主・池田さんと、香川小学校の教員の方々とで座談会を組みました。学校教育における「できる」「できない」の線引きと、社会におけるそれはつながっているものに思えます。
同校が通知表をやめるに至った経緯や、学校教育における「評価」の弊害と望ましいあり方、「学力」とは何か、子どもが主体的に学ぶとはどういうことか、などといったことについて、お話ししていただいています。

通知表や評価をめぐっては、多くの教員や保護者が疑問を呈し、よりよいあり方を模索してきた歴史があります。そんな過去のトピックもご紹介しながら、今回の香川小の取り組みの意義について、皆で考えられたらと思います。ぜひ、ご感想をお寄せください。(担当:島崎)

半世紀前のお菓子作りに想いを馳せて

2022年12月07日

c5_021_09_okashigata3

半世紀前のお菓子作りに想いを馳せて
(21号「おじいちゃんのお菓子と型」)

物語は、昨冬にさかのぼります。

本誌連載「てと、てと。」でおなじみのライターの渡辺尚子さんが、昨年発売された15号の特集「ショートケーキはいかが?」を読んで、ケーキ作りに挑戦。何度も作るうちに、その奥深さにすっかり夢中になり、オーブンに張り付いて、夜な夜なスポンジケーキを焼く日々が続いたそうです。

そのことを知った友人の小林由加さんが、15年前に亡くなった祖父・三好正人さんの遺品であるたくさんのお菓子の型や道具を、渡辺さんに譲りました。これが、今号の特集記事「おじいちゃんのお菓子と型」のはじまりです。

道具や型はとてもたくさんあったので、お菓子作りが好きな友人、写真家のローラン麻奈さんと分けることに。2人は、「正人さんってどんな人だったのだろう」「どんなお菓子を作っていたのかしら」と思いをめぐらせました。

残念ながら、正人さんのレシピは残っておらず、孫娘の由加さんの思い出から、どんなお菓子だったのか想像して作ってみることに。そうして、由加さんが一番好きだったという焼き菓子「ポルテ」、ツリーに飾るアイシングサブレ、クリスマスのフルーツケーキの3種の味を再現することができました。

少し手間がかかるレシピではありますが、いずれもとてもおいしいです。試作してみるとアイシングサブレがサクッサクで、自作のクッキー史上一番の出来で感動しました。ぜひ大切な誰かを想いながら、作っていただけたらうれしいです。(担当:小林)

ハッとする新鮮なおいしさ

2022年12月06日

c5_021_08_ichijiku

ハッとする新鮮なおいしさ
(21号「食堂いちじくの精進料理」)

「精進料理」と聞くと、身体にはよさそうだけど、味が淡白でなんだか物足りない。
恥ずかしながら、長年そんなふうに感じていたのですが、「食堂いちじく」という屋号で活動する料理家・尾崎史江さんの料理を口にして以来、精進料理の印象がガラリと変わりました。

「おいしさの秘けつは、ダシと油の使い方」と話す、尾崎さん。
たとえば「車麩のカツレツ」は、うす味で煮てからカリッと香ばしく揚げるので、ご飯が進むひと品に。「高野豆腐のふるふる煮」は、高野豆腐をさっと揚げてからダシときのこのうま味を含ませて、なんとも滋味深く、独特な食感のおいしさに仕上がります。
乾物は常備しておけるので、「冷蔵庫に肉も魚もない!」という時でも、今日は車麩があるから大丈夫、と慌てずに献立を考えられるようになりました。

そのほか、旬の野菜を楽しむ「百合根とせりのかき揚げ」や「洋風なますいなり」も、家族に大好評。どちらも見た目にも華やかなので、お正月のひと品としてもおすすめですよ。(担当:井田)

今年もこの季節がやってきました

2022年12月05日

c5_021_07_calender

今年もこの季節がやってきました
(21号特別付録「植田 真『ちいさな物語カレンダー』)

昨年の年末年始特大号で、大変ご好評いただきました、特別付録のカレンダー。
今年は画家の植田真(うえだ・まこと)さんに描き下ろしていただいた絵で、「ちいさな物語カレンダー」を制作してとじ込みました。

植田さんの描くやさしい水彩画には、少年とキツネが登場し、月ごとに物語があるように思えます。
これは、なにげない日常の出来事なのか、旅先の景色なのか、それともだれかの夢の中…? 
季節の移り変わりを感じつつ、想像をふくらませてお話を作ってみるのもおもしろいかもしれません。

植田さんには、本誌16号から目次の絵も描いていただいています。今号の目次の絵はカレンダーとリンクしていますので、あわせてお楽しみください。

こぶりなサイズの壁かけタイプで、どんなお部屋にもなじむ、シンプルなデザインのカレンダーです。来年もまたお役立てください。(担当:空地)

お気に入りのストックで、自由に

2022年12月02日

c5_021_06_kosaju2

お気に入りのストックで、自由に
(21号「休日の手あそび 包み紙のコサージュ」)

コサージュブランド「ラ・フルール」を主宰する岡野奈尾美さんはこれまで、布のほか、革、樹脂、木材、石など、さまざまな素材でコサージュを作ってきました。

ここ最近、岡野さんが注目しているのは「紙」。お子さんが幼かったころは、友人たちが遊びにきては、子どもも大人も一緒になって切り紙などをして遊んだといいます。紙はやぶれやすく、耐久性はないけれど、身近にあって手軽に使える素材です。とくに愛らしくデザインされたお菓子の包み紙には、創造力がかき立てられます。

ある休日、岡野さんと友人たちがお気に入りの包み紙を持ち寄って、それぞれ自由に紙のコサージュを作ってみることに。考えすぎずに、手が動くままに作ります。遊びで作るコサージュですが、みな至って真剣。さて、どんなコサージュができあがったでしょうか。

今回の記事では、簡単な紙のコサージュの作り方と、岡野さんがこれまで作った作品を紹介しています。作り方はあくまで参考にしていただいて、どうか自由に作ってみてください。
1回目はうまくいかないかもしれません。私が最初に作ったものも、シワが寄ってお世辞にも「いいね!」というものではありませんでした。でも2回目、3回目と作っていくうちに、段々と遊び心が生まれて、楽しい作品になりました。そんな過程も面白がりながら、手を動かしていただけたらと思います。(担当:小林)

楽しく、きれいに、崩れにくく

2022年12月01日

c5_021_05_tatande

楽しく、きれいに、崩れにくく
(21号「たたんで収める整理術」)

洗濯物をせっかくきれいにたたんでしまっても、子どもたちに引き出しをかきまわされ、あっという間にぐちゃぐちゃになってゆく。それがわが家の衣類の運命でした。洗濯物たたみは、いつしか地味で面倒な家事にしか思えなくなり、ちっとも楽しくありません。

でも、今回の企画を担当し、そんな思いが変わりました。
長袖トップスやフットカバー、ショーツ、ボックスシーツなど、それぞれの形態に合わせたたたみ方を、整理収納アドバイザーのスズキナオコさんが教えてくださいました。
コツはぜひ誌面にてご覧いただきたいのですが、ほんの少しの工夫でぐっときれいに、崩れにくくなるのです。

「毎日のことだからこそ、身に付けて、楽しくたたんでもらえたら」とスズキさんはおっしゃいます。
お手伝いする子どもにもわかりやすいように写真をコマ送りにして掲載しました。
取り出しやすい収納方法も、あわせてご覧くださいね。
一度覚えてしまえば、一生物になる家事の技。本日からお試しください。(担当:中村)

楽しいことも、もやもやした思いも

2022年11月30日

c5_021_04_sairo

楽しいことも、もやもやした思いも
(21号「子どもの詩『サイロ』の物語」)

小学校の頃、「詩を書く」宿題が出たことがありました。何かかっこいいことを書かなきゃ、上手に書かなきゃと肩に力が入り、自分が思っていることとは違う言葉を連ねてしまった、苦い記憶が残っています。だからでしょうか、『サイロ』という児童詩誌を初めて読んだ時、いきいきとした言葉が並んだ誌面に、とても驚いたのです。

『サイロ』は、北海道は十勝の小・中学生の詩を載せる冊子として1960年に創刊されました。以来、現役の教職員が中心となって、いまも毎月発行されています。十勝にお住まいの方の中には、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

そこに綴られているのは、ある日の何気ない出来事だったり、鉄棒で逆上がりができた喜びだったり、兄弟ゲンカの後味の悪さだったり……。楽しいことからもやもやとした思いまで、子どもたちが感じたことそのものが詰まっていて、「あぁ、自分もこんなことを思っていたな」と、記憶が呼び覚まされるのです。

詩を書くってどういうことなんだろう。どうして『サイロ』には、こんなにもいきいきとした子どもたちの言葉が集まるのだろう。知りたいことがどんどんと膨らみ、十勝にある「サイロの会」を訪ねることにしました。誌面を通じて、子どもたちの詩が生まれる瞬間に、ぜひ触れていただけたらと思います。(担当:井田)

あなたの食卓の新たな定番に

2022年11月29日

c5_021_03_nenmatu2

あなたの食卓の新たな定番に
(21号「年末年始、わが家の逸品」)

皆さん、年末年始のご予定はもうお決まりでしょうか。
人と集うことの多いこの季節の食卓に、おいしい料理は欠かせませんよね。そして、胃腸を労わりたい時季でもあります。そんなときは、ぜひこの頁をお役立てください。

この企画では、料理家や料理上手の7名の方々に、年末年始になると作る「とっておきのわが家の味」を教えていただきました。
おせち料理以外で、というリクエストにお応えいただき、次の7品をご紹介しています。

「鯛とれんこんのカルパッチョ」野村紘子さん(料理家)
「鴨鍋」麻生要一郎さん(料理家)  
「うどんすき」稲田俊輔さん(料理人、飲食店プロデューサー)
「かんたんサムゲタン」ツレヅレハナコさん(文筆家)
「牛肉とれんこんの赤ワインみそ煮込み」小堀紀代美さん(料理家)
「ローズマリー・チキンポテト」高橋みどりさん(スタイリスト)
「小さな丸いコロッケ」小川 糸さん(作家) 

試作してみると、豪華に見える鍋ものやカルパッチョ、手が込んでいそうなサムゲタンや煮込みも、作るのは意外に簡単。
エッセイでご紹介いただいた高橋さんと小川さんの料理は、自分で作る楽しさや嬉しさも感じるひと皿でした。

いずれもおいしくて、繰り返し作りたくなる、まさに「逸品」です。
それぞれの料理にまつわるお話や、画家のマメイケダさんによる温かな絵もお楽しみくださいね。(担当:佐々木)


暮しの手帖社 今日の編集部