1. ホーム
  2. > Blog手帖通信

還暦を迎えた、自然体の新境地

2023年05月29日

c5_024_katagiri

還暦を迎えた、自然体の新境地
(24号「わたしの手帖/片桐はいりさん 鍛えるべきは愛嬌です」)

テレビや映画、舞台で存在感を放つ、俳優の片桐はいりさん。4年前の本誌4世紀100号で、ステーキの焼き方を教わる企画にご登場いただきました。その時の、積極的に先生に質問し、すかさずメモをとる片桐さんの姿が忘れられません。食べることが大好きで、好奇心旺盛。俳優というと、特別な世界を生きているイメージがありましたが、わたしたちと変わらない生活者なのだろうな、と親近感がわき、いつかじっくりとお話を伺いたいと思っていました。

片桐さんの地元、東京・大森の喫茶店で待ち合わせると、荷物カゴ付きの電動自転車にのって颯爽と現れ、店員たちと親しげに挨拶をします。ふだんの服装で商店街で買い物をし、ボランティアで「もぎり」をする映画館では20代のスタッフたちと真剣に話し込みます。

自然体の姿で、大森の街にすっと溶け込む片桐さん。コロナ禍を経て、さらに今年還暦を迎えて、以前より身軽になったと話します。飾らない片桐さんの言葉を聞いていると、こちらまで心が軽くなり、元気が出るのです。「鍛えるべきは愛嬌です」という言葉と、その意味を聞いて、片桐さんが多くの方に愛される理由がわかった気がしました。みなさまもぜひ誌面で、「今」の片桐さんの言葉を味わってみてください。(担当:平田)

単行本『毎日がつながる献立』発売です

2023年05月26日

tunagaru_top

さあ今夜は何を食べよう、何を作ろうか。
今日も考えを巡らせて、ちょっと悩みます。料理って、毎日毎日ずっと続いていくものですから。多少は外食や買ってきたお惣菜にも頼ったとしても、それはなかなか大変なこと。何かいいアイデアはないものかと、この本の企画段階で考えました。そして、やはり毎回、何を作ろうかと考え始めるのではキリがないと思い至るのでした。「冷蔵庫にあれがあるから、あとはこうして……」という状態にできれば、気持ちからして段違いにラクになります。

tunagaru_4_5

この本では、今日食べる料理と次のための下ごしらえで、2~3日のおかずをつなげるという方法を考えました。2日目は手早く出来上がるのはもちろん、同じ素材でも、まったく違った味わいの料理にできるのが大きなポイントです。それに常備菜や合わせ調味料などの作りおきを活用して、副菜や汁ものなどを組み合わせれば、献立もラクに決まります。

そして何より、有元葉子さん、坂田阿希子さん、瀬尾幸子さんという3人の人気料理家が考えてくださったアイデアがどれも秀逸なのです。先生方がふだん実際に行っている、工夫に満ちた料理のアイデア集と言える一冊です。

この本は、2015年に刊行してご好評をいただいた別冊『毎日がつながる献立』を書籍化したものです。
詳しくは、こちらをご覧ください。(担当:宇津木)

tunagaru_54_55

tunagaru_56_57

tunagaru_124_125

読んで楽しく、作っておいしい

2023年05月26日

c5_024_porutogaru

読んで楽しく、作っておいしい
(24号「ワインにも合うポルトガルご飯」)

皆さんは、「ポルトガル料理」と聞いて、どんなメニューを思い浮かべるでしょうか。
ポルトガルの食文化に詳しく、「ポルトガル食堂」という料理教室も主宰している文筆家の馬田草織(ばだ・さおり)さんによれば、現地でレストランに入って驚いたのは「米料理の多さ」だったそう。炊き込みご飯のようなものもあれば、雑炊ふうのものもある。それもそのはず、ポルトガルはヨーロッパでもっとも米を食べる国なのです。またつけ加えれば、国民一人当たりのワインの消費量は世界で一番!
そこで馬田さんに、ワインに合うポルトガルふうのご飯もの5品の作り方を教わりました。おつまみになるだけではなく、肉や魚介がたっぷり入っているので、それひと品で食卓がととのうのも嬉しいポイント。馬田さんとポルトガルの出会い、現地の食文化をつづったエッセイも掲載しています。ワインを飲む人も飲まない人も、きっと楽しんでいただける企画です。(担当:島崎)

あきらめなければ、佳き日がくる

2023年05月25日

c5_024_top

あきらめなければ、佳き日がくる
――編集長より、最新号発売のご挨拶

こんにちは、北川です。初夏らしい、爽やかで気持ちのよい気候になりましたね。
私が暮らす浅草は、つい先日(5月19日から21日)、「三社祭」が催されました。テレビなどの報道でご存じの方も多いでしょうか、100基近いお神輿が町中を練り歩く、たいへん賑やかで勇壮なお祭りです。
じつは私は、2019年の三社祭の最終日に浅草に越してきたのですが、その日は引っ越しで手いっぱいでそれどころじゃなく、翌年からは、コロナ下となってお祭りは縮小。ですから、本来のすがたの三社祭を見たのは今年が初めてでした。
お神輿を担ぐ人びと、沿道で手拍子を打つ人びとの顔を見ると、もうニコニコとして喜びが体中から溢れんばかり。朝から、お囃子の音色と威勢のよい掛け声がほうぼうから聞こえてきて、なんと言いますか、町中がスイングしているようなありさまでした。
ああ、人にはお祭りが必要なんだな。なんてことない日常を、淡々とたゆまずに送るためにも。手拍子を打ちながらそんなことを思い、ふと胸に浮かんだのは、「あきらめなければ、佳き日も訪れる」という言葉でした。コロナ下に味わったいろんな感情がどっと思い出されて、そんな言葉が浮かんだのかもしれません。
みなさんも、いまありありと思い出すコロナ下の印象的な出来事、言葉にして残しておきたいことがおありでしょうか。編集部では、そうした「コロナ下の暮らしの記録」を募っておりますので、ぜひ、下記よりお原稿をお寄せください。6月12日までお待ちしております。

https://www.kurashi-no-techo.co.jp/blog/information/20230502

前置きが長くなりましたが、最新号の24号のご紹介を。
表紙は、イラストレーターの長崎訓子さんによる「hop」。大きなホットドッグの上でスケートボードに乗る女の子がなんとも軽快で、元気をもらえるようなイラストレーションです。今号は、この女の子さながらに、自分の道を見いだして歩んできた、4人の女性が登場します。
1人目は、巻頭記事「わたしの手帖」にご登場の片桐はいりさん。個性派俳優として活躍し、小誌の創刊者がモチーフとなった朝ドラ『とと姉ちゃん』にも出演した片桐さんは、今年、還暦を迎えたそうです。若い頃とは違う自分を見つめて受け止め、力まずに、面白そうな仕事の話には乗ってみる。コロナ下を経て変わった心持ちについても、飾らずに語ってくださいました。
表紙に立てたコピー「鍛えるべきは愛嬌です」は、片桐さんの言葉。私はどきっとしましたが、みなさんはいかがでしょう。
2人目は、デザイナーのコシノジュンコさん。「わたしとお茶漬け」と題したインタビュー記事は、「お茶漬け」という身近な料理を通して、コシノさんの眼や感性を培ってきた、宝物のような思い出が語られます。
3人目は、小誌の連載でもおなじみの画家・ミロコマチコさん。ミロコさんが東京から奄美大島に移住したのは2019年の初夏のことですが、いまでは土地に根を下ろして暮らしている様子が連載からも伝わってきます。今回、「ミロコさんと地域の人びととの関わり」を取材してくださったのは、写真家の平野太呂さん。記事の結びの言葉を、私は何度か読み返しました。
〈暮らしとは、一人ではなし得ない。私にできることと、あなたができることの交換、その補い合いの連なり〉
ご自分の暮らしに引き寄せながら、お読みいただけたらうれしいです。

c5_024_yamamoto

そして4人目は、琉球料理家の山本彩香さん、88歳。「山本彩香 琉球料理の記憶を旅する」は、編集者で作家である新井敏記さんによる記事で、10年ほど前に撮られた料理写真を軸にして構成しました。
みなさんは、「琉球料理」と「沖縄料理」の違いはご存じでしょうか。私は恥ずかしながら、よくわかっていませんでした。中国料理と日本料理のよいところを取り入れ、宮廷料理として発展したのが「琉球料理」。それをベースにしながらも、戦後のアメリカ文化の影響を受けて変化したもの(たとえばスパム入りのゴーヤーチャンプルーなど)が「沖縄料理」、という区別があるそうです。
今回は、撮影はなかったものの、新井さんとともに山本さんの那覇市のお住まいを訪ねてお話を伺いました。山本さんはまず、いまでも欠かさずにお作りになっている「豆腐よう」を出してくださいました。これは角切りにして水抜きした豆腐に塩を振って慎重に発酵させ、さらに紅麹と泡盛に漬けて二次発酵させたもの。くさみや、塩のとがった味はまったくなく、トロリと濃厚でフレッシュチーズのようなうま味が口いっぱいに広がります。なんてまろやかでおいしいのだろう! ほかで味わってきた豆腐ようとはまったく異なるおいしさに驚かされました。この小さな珊瑚色の豆腐ようには、山本さんが歩んできた困難かつ冒険的な人生や、沖縄の歴史や文化が詰まっている、そんな思いもしました。
山本さんの丹念な料理はまさに職人芸、家庭で簡単に真似ができるものではありません。けれども、滋養があることを第一に、体によいものを食べさせたいという作り手の願いや愛情、土地の食材を創意工夫して生かしながら、毎日の料理を自分なりに楽しもうという心持ちは、いまの私たちが忘れがちな、大切なことのように思えました。料理は本来、義務やルールに縛られるものではなく、体を養い、健やかに自分らしく生きていくための「営み」の一つなんですよね。

今号も、日々の暮らしを楽しみ、じっくりと味わうためにお役立ていただきたい、いろんな記事を盛り込みました。あすから一つずつ、担当者がご紹介しますので、ぜひお読みください。
最後に、このたびの能登地方の地震で被害を受けられた方々に、心よりお見舞いを申し上げます。不便が一刻も早く解消され、もとの穏やかな暮らしが戻ってきますように。

『暮しの手帖』編集長 北川史織

『暮しの手帖』26号・創刊75周年記念特大号 特集「コロナ下の暮らしの記録」投稿文を募ります。

2023年05月02日

75th_logo_mono

いつも『暮しの手帖』をご愛読いただき、まことにありがとうございます。
1948年創刊の『暮しの手帖』は、今年9月に75周年を迎えます。編集部では現在、9月25日刊行予定の26号にて、「コロナ下の暮らしの記録(仮題)」という特集の準備を進めております。

約3年半前に始まった新型コロナウイルス感染症の世界的流行では、多くの命が失われたほか、私たちの暮らしにも大きな変化がありました。その影響は現在も続いています。国や自治体、職場、学校など、それぞれの方針によって、暮らし方や働き方などが左右されたために、苦しい時間を過ごした方、また、思わぬ良さを感じた方などもいらっしゃるかもしれません。誰もが自身の暮らしを見つめ直し、考えさせられたことと思います。

『暮しの手帖』は、過去に二度、戦争中および戦後の暮らしについて、読者の皆様に投稿を呼びかけました。およそ80年前、市井の人々がなにを考え、なにを食べ、なにを着て、どんなふうに生き、そして死んでいったのか、という「庶民の日常の記憶」についてです。それらは1世紀96号「戦争中の暮しの記録」、単行本『戦中・戦後の暮しの記録』シリーズとしてまとめられ、現在も読み継がれています。
創刊75周年を迎えるにあたり、皆様が経験したコロナ下の暮らしについても、ぜひ原稿をお寄せいただき、暮らしの記録を残しておきたいと考えております。もう過去のこととして忘れてしまいたいこと、よかったこと、現在も続いていることなど、感染症の流行があなたの暮らしにもたらした具体的な出来事について、できるだけ詳しく綴っていただけないでしょうか。

詳しくは以下の募集要項をお読みいただき、暮しの手帖社まで原稿をお寄せください。
募集期間は、6月12日(月)まで。
幅広いご職業、地域にお住まいの皆様からのご応募を、心よりお待ちしております。

募集要項

●内容と掲載について
・コロナ下であなたが経験した、または現在も続いている、日常の暮らしについてお書きください。社会的な事件や著名な人物の記録、暮らし全般のことではなく、あなたや家族、職場などにおける具体的な出来事について、できるだけ詳しくお書きください。

・応募は未発表原稿に限ります。

・掲載は匿名も可能です。匿名希望の方はお書き添えください。

・採用された方には、電話やメールにて改めてご連絡を差し上げ、詳しくお話を聞かせていただくことがあります。掲載にあたっては、一部加筆・修正させていただく場合があります。

●字数
800~1200字(400字詰原稿用紙2~3枚)を目安にお書きください。

●応募
以下の応募フォームから、または郵便にてお送りください。

応募フォーム https://docs.google.com/forms/d/1cKdTlbNOSqK0TIPibwU_stvsubkCqho3zVcXU_-mjR0/edit?ts=644f4a4e
    
郵送先 〒101-0047 東京都千代田区内神田1-13-1-3F
暮しの手帖社「コロナ下の暮らしの記録」係
※郵送の場合は、必要事項をご明記ください。

●必要事項
お名前(本名)、ふりがな、ご住所、電話番号、メールアドレス、ご職業、ご年齢 

●募集期間
2023年6月12日(月)まで。郵送の場合は当日消印有効。

●謝礼
掲載者には、薄謝および掲載誌一冊を差し上げます。

●注意事項
・掲載原稿の出版権(ウェブなどの電子媒体も含む)は、暮しの手帖社に帰属します。
・お送りいただいた原稿の返却はいたしません。
・個人情報は厳重に管理し、本企画以外の目的に利用することはありません。

●お問い合わせ
暮しの手帖「コロナ下の暮らしの記録」係
koronaka@kurashi-no-techo.co.jp
原稿の到着、および選考結果に関するお問い合わせはご遠慮ください。
こちらのアドレスからはご投稿いただけません。

【アンケート回答募集】「あなたの暮らしを変えた記事」「心に残る記事」は何ですか?

2023年04月14日

75th_logo_mono

『暮しの手帖』は今秋に創刊75周年を迎えます。
編集部では現在、9月発売予定の記念別冊に掲載する特集「わたしと暮しの手帖(仮題)」の準備を進めています。
これまで発行された423冊の『暮しの手帖』から、暮らしを変えた記事、心に残る記事を教えてください。
回答者の中から抽選で20名さまにオリジナル図書カード1000円分を差し上げます。
締め切りは5月2日(火)。皆さまのご回答をお待ちしております。

▼アンケートのご回答はこちらから
https://docs.google.com/forms/d/1hJ7KeT4h5U29-A2Nxx6L2PHAD7wVOW7bQvuFEbzxeiY/edit

誰もが気軽に服作りを楽しめたら

2023年04月07日

c5_023_wanpi
c5_023_wanpi2

誰もが気軽に服作りを楽しめたら
(23号「直線裁ちでつくる みんなのワンピース」)

「直線裁ち」と聞くと、本誌を長年読んでくださっている読者の方は「『暮しの手帖』らしい」と思われるのではないでしょうか。『暮しの手帖』初代編集長の花森安治が発案した「直線裁ち」は、75年前の創刊当初からの大人気企画。家にある着物や浴衣の生地を使って、誰でも簡単に作ることのできるものでした。

そんな直線裁ちで作る、かろやかなワンピースをご紹介します。デザインしたのは、ワンピースブランド「花びら」を主宰する奥田美智子さん。
「現代は、昔のように自分で服を作る人が少なくなってきていますが、新鮮な食材を見つけたら自らの手で料理して食べ、幸せを感じるように、『すてきな生地を見つけたから服を作ろう』と気軽に思ってほしい」と奥田さんは話します。「そのために、難しくなく作れて、すてきに見える服を常に考えています。今回のワンピースを通して、服作りの楽しさをたくさんの方と分かち合えたらうれしい!」

誌面ではどんな方に着ていただこうかと相談していたら、奥田さんから「男性にも似合うと思うんです!」との声が。それを聞いた私たち編集部員は、「花森さんもスカートを着ていたという逸話があるし、男性がワンピースを着るという提案は『暮しの手帖』らしいね!」と盛り上がり、年齢もさまざまな男女5人の方に着ていただきました。

肩に入れた2つのタックと、脇の切り替えがポイントで、直線裁ちとは思えない立体的なシルエットが魅力です。男女兼用のワンサイズで、着丈を調整できます。子どもサイズも掲載しています。お好みの布や着丈で、あなたらしいワンピースを作ってみてくださいね。(写真:川島小鳥/担当:平田)

春を楽しむ花とのひととき

2023年04月06日

c5_023_hana

春を楽しむ花とのひととき
(23号「あのひとの花時間」)

赤、白、黄色のチューリップに、ミモザ、ラナンキュラス……。色とりどりの春の花が咲く花屋さんは、のぞくだけでも楽しいものですね。

この特集では、忙しい日々を過ごしながらも花を飾ることを欠かさない、4名の方の「花時間」を取材しました。
職業も年代も違う4名は、花の入手先も飾る理由も、過ごし方もそれぞれです。

荒物屋「松野屋」の松野弘さんは、下町にある自宅の物干し場で自身が育てた花を手入れがてら剪定し、かごなどの荒物やグラスに飾ります。台所には、妻のきぬ子さんのために小さな花をさりげなく置いているのが粋でした。

水彩画家の永山裕子さんは、絵のモチーフのために花を飾ります。すてきな花を見つけると、知らない家でも「この枝、切り分けていただけませんか」とお願いに行きます。そして、お花のお礼に絵を差し上げるのだそう。
好きなものに囲まれたアトリエで絵を描く永山さんの姿は、まるで絵画のように美しいものでした。

ほかにも、ウエディングドレスデザイナーの山室瑠衣さん、料理研究家の柳瀬久美子さんが登場します。砺波周平さんのすてきな写真とともに、どうぞお楽しみください。(担当:小林)

朝の10分で、なめらかに動かせる体へ

2023年04月05日

c5_023_warmingup

朝の10分で、なめらかに動かせる体へ
(23号「ウォーミングアップの手帖」)

みなさん、朝の体の調子はいかがですか?
年齢を重ねてくると、「すっきり軽やかです」という方は、なかなかいらっしゃらないのではないでしょうか。

この企画では、凝り固まった体をほぐし、なめらかに動かせるようにする、朝におすすめのウォーミングアップをご紹介しています。

監修の中山恭秀さんは、普段は病院のリハビリ現場で筋力の落ちた入院患者や、高齢の方にも無理なくできる動きを指導されています。
今回教えていただいたウォーミングアップも、「寝返りをうつ」「うつぶせになる」「寝たまま上半身を起こす」など、大半が寝そべったまま行う、ごくシンプルなもの。

とはいえ、思ったよりできないものだな……と、ショックを受けたというのが正直な感想です。
私は特に首をそらす動きがむずかしく、体が歪みつつある証拠と伺って恐ろしくなりましたが、それも続けていくうちに改善するそうです。

簡単なストレッチと筋トレを組み合わせた動きは、時間にして10分ほど。
「習慣になってしまえばこちらのもの。朝の10分で、大切な体のメンテナンスができます」と中山さん。

目覚めてから立ち上がるまでの流れの中で自然にできるので、覚えやすく、習慣化しやすいですよ。
左右の動かしやすさの違いに注目すれば、体の歪みチェックにもなります。
まずは一度、ぜひお試しください。(担当:佐々木)

旅に思いを馳せながら

2023年04月04日

c5_023_france

旅に思いを馳せながら
(23号「フランスおやつと朝ごはん」)

料理・菓子研究家の山本ゆりこさんは、旅先で気になる味に出合うと、その土地の書店で買い求めた料理書を参考にしながら、日本の材料で試作をしてみます。舌の記憶をたどりながら、何度も、何度も。

昨年の秋、山本さんは約3年ぶりにフランスを訪れました。旅の途中の山本さんのinstagramを見ていると、おいしそうなおやつや朝ごはんの写真にわくわくするとともに、あぁ、フランスの人は本当に甘いものが好きなんだなぁと、なんだかくすりと笑ってしまいます。

誌面では、今回のケーキの旅で山本さんが出合ったボルドーのパンケーキや、ロレーヌ地方の街ナンシーで遭遇したガトー・ロラン、そしてフランス人のムッシュに教えてもらった削りチョコのパン(日本人にとってのおにぎりのように、フランスでは親しみのあるおやつだそう)など、思い出深いレシピを教えていただきました。

試作を重ねてたどり着いた山本さんのレシピは、初めて食べる味わいなのにしみじみとおいしく、作りやすいものばかり。パリで暮らしていた頃の思い出などを綴った山本さんのエッセイとともに、ゆったりと味わっていただけたらと思います。(担当:井田)

毎日コツコツ、そっとやさしく

2023年04月03日

c5_023_skincare

毎日コツコツ、そっとやさしく
(23号「元気な素肌を育むスキンケア」)

日ごとに、春の陽気を感じる頃になりました。
散歩の楽しい季節で外出の機会も多くなりますよね。
ぽかぽかとした春の日差しは、とても心地よいものですが、実は夏と同じくらい紫外線量が強いことをご存じでしょうか?

今号では、健やかで生き生きとした肌を育むためのお手入れのコツを、皮膚科医で「ウォブクリニック中目黒総院長」の髙瀬聡子先生に教えていただきました。
日焼け止めの選び方や基本の洗顔方法、スキンケアアイテムの選び方、マスクによる肌トラブルの対処法など、医学的知識に基づいたスキンケアの知識をQ&A形式でわかりやすくまとめています。

肌のお手入れは、刺激や摩擦のないように、とにかくやさしくケアをすることが大切。
ゴシゴシと力を入れると、肌の細胞が傷ついてバリア機能が低下したり、乾燥やシミ、シワの原因にもなってしまうからです。
私は洗顔やお手入れの際に力を入れすぎていたことや、保湿が足りていなかったことに気づき、いそいそとケアを始めました。

「健やかな肌は、基本のケアを毎日きちんと続けることで生まれます」と髙瀬先生。
さまざまな美容情報がインターネットに溢れるいま、高瀬先生の言葉は、迷いを解消してくれます。
春の季節、確かな知識を身につけて、基本のお手入れを見直してみませんか?(担当:佐藤)

育てやすく、飾りやすい、新たな植物の形

2023年03月31日

c5_023_hangball

育てやすく、飾りやすい、新たな植物の形
(23号「吊るせる観葉植物 緑のハングボール」)

季節は冬から春へと移り変わり、植物が日々成長する姿に元気をもらいます。わたしがそう感じられるようになったのは、つい最近のこと。今号でご紹介している「ハングボール」がきっかけです。

ハングボールとは、観葉植物を吊るすことができるように、根の周囲に手を加えたもの。植物の仕事に携わってきた谷本太一さんが5年前から作りはじめ、育てやすく、飾りやすいように改良を重ねてきました。

「観葉植物を室内で育てたいけれど、飼っている猫がいたずらをしそうだし、置くスペースもないし」と諦めていたわたしにとって、このハングボールは悩みを解消してくれる、画期的な植物の形でした。

谷本さんに教わって作ってみたところ、思いのほか簡単で、1時間ほどで完成。自宅は北向きで日当たりが悪いのですが、それでも窓辺に飾っていると、日ごとに枝葉がぐんぐんと伸びていきます。目線の上に植物があるのも新鮮な眺めで、ゆらゆらと揺れる姿に心が和みます。

ハングボールは植物の育ちやすい春や秋に作るのがおすすめなのだそう。材料はホームセンターなど、身近なところで揃えられますよ。(担当:平田)


暮しの手帖社 今日の編集部