くるりと巻いて、召し上がれ
(34号「手巻き寿司は楽しい」)
ある日、料理家の今井真実さんのSNSを見ていると、夕食に手巻き寿司を用意したことが投稿されていました。食卓に並んでいたのは、刺身だけでなく、甘辛く炒めた牛肉にもやしのナムル、細長く切った漬け物もの、アボカドや山盛りの細ねぎ……。興味をそそられて、別の日の投稿も検索してみると、半端に余っていたローストチキンを細かく裂いたものや、しょうが焼きらしきお肉が並んでいる時もあり、ますます惹きつけられます。写真に添えられた「((海苔で)巻いても(ご飯に)載せてもご勝手に!」という一言が、なんとも頼もしい。
考えてみれば、手巻き寿司は各人が好みに合わせて具を選べるので、家族の食卓だけでなく、おもてなしのメニューとしても最適。それほど手間をかけずに準備できるところも魅力です。それに、「手巻き寿司」と聞くと、大人も子どもも何だかワクワクしませんか?
ぜひ今井さんの自由なアイデアを誌面で紹介したい、と考えた私は、「刺身が苦手な人や子ども向けの具も用意したい」「手巻き寿司の日は野菜不足が気になる」「味変できるタレも欲しい」などのわがままな要望を伝えました。
そして、今井さんが提案してくださったのは、目にも華やかで老若男女が楽しめそうな、12種類の具と4つのタレです。特に注目なのは、刺身を野菜と合わせたり味つけをしたりしていること。小皿に盛れば、のんべえのおつまみとしても、きっと喜ばれるでしょう。梅干しを加えた酢飯や、野菜をたっぷり食べるアイデアなども、必見です。
撮影の時も、社内で試作をした時も、「次はどれにしようかな~」「〇〇と××を組み合わせるとおいしいよ!」とたいへん賑やかで、これも手巻き寿司の醍醐味だなあと嬉しくなりました。いつもの手巻き寿司をさらにおいしく、楽しくするアイデアが満載です。(担当:田村)