こんな組み合わせのおいしさ、知らなかった!

2025年01月24日

こんな組み合わせのおいしさ、知らなかった!
(34 号「早春の出合いもの」)

「出合いもの」という言葉をご存じですか? 同じ季節に出回る相性のよい食材どうしを組み合わせた料理のことを、日本料理の世界ではこう呼んできました。「ぶり大根」とか「若竹煮」なんていうと、ピンとくるかもしれません。
今回は、早春のいまならではの「出合い」を楽しめる料理を、4つのジャンルでたっぷりご紹介します。指導は、「和のおかず」がこてらみやさん、「みそ汁」が有賀薫さん、「春巻き」が今井亮さん、「パスタ」が渡辺麻紀さん。どれもちょっと新鮮で、先生方が工夫を凝らした組み合わせです。一例を挙げると、「菜の花とアサリの卯の花」「カキと春菊、柚子のみそ汁」「長いも、セリ、生ハムの春巻き」「タラと三つ葉、海苔のバターソースパスタ」などなど。メニュー名を見ているだけでも想像がふくらみ、お腹がすいてきますよね。実際にいただいてみると、身近な食材どうしなのに、組み合わせるとこんなにおいしいなんて! と驚くこと請け合いです。
そして、この企画を進めるなかで、作家・幸田文さんが書かれた「出合いもの」にまつわる随筆に出合いました。60 年前に発表されたものですが、いま読んでも趣があり、心に響きます。今回は特別にご許可をいただき、一部を掲載いたしました。ぜひご一読のうえ、香りやうま味がぎゅっとつまった旬の食材で、この時季ならではのおいしさを満喫してみてください。(担当:平田・佐々木)


暮しの手帖社 今日の編集部