少しの気遣いで、本格の味
(33号「ブイヨンいらずのご馳走スープ」)
冬になると食べたくなる料理といえば、温かなスープですよね。中でも、オニオングラタンやクラムチャウダーは、自分で作ったことはなくても、心惹かれるメニューではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、そんな2品のほか、フランスの家庭料理から発想した「牛肉とにんじんのスープ」と「コック・オ・ヴァンふうスープ」の4品です。
だいたいのスープには、大量の香味野菜や鶏ガラを数時間煮込んでとるブイヨンが欠かせません。でも、スープひと品にそこまで手をかけるのは、なかなか難しいですよね。そこで料理家の渡辺麻紀さんに、ブイヨンを使わなくても作れる「ご馳走スープ」をリクエストしたのでした。
玉ねぎをじっくり炒めて甘味を引き出す、フライパンや鍋についた食材のこびりつきをもれなくこそげて一緒に煮込む、煮込み時間はレシピに忠実に。などなど、ちょっとした気遣いが必要ですが、うま味たっぷりに仕上がります。
編集部で試作をしてとくに人気だったのは、鶏手羽元を使ったコック・オ・ヴァンふうスープ。うま味が重なった複雑な味わいが好評でした。少ない材料で作れる牛肉とにんじんのスープは、大ぶりに切った皮つきのにんじんのおいしさに驚きますよ。
「フランスでは手をかけたスープは立派なひと品で、食卓の中心です」と渡辺さん。あなたにもぜひ味わっていただきたいおいしさです。(担当:佐々木)