シンプルだからおいしい
(29号「味つけはこれだけです」)
小社刊のロングセラー『おそうざい十二カ月』に掲載されている「キャベツと豚肉とはるさめのしょう油炒め」が、SNSでたびたび話題になります。投稿を読んでみると、使う調味料が「しょう油だけ」なのに、想像以上のおいしさになることに驚いている人が多いよう。さまざまな調味料を組み合わせて味つけすることに慣れている現在だからこそ、「こんなにシンプルでいいのか!」という意外性があるのでしょう。
シンプルな味つけは、作りやすくて食べ飽きないのがいいところ。日々の食事づくりでは、そんな料理をいくつか覚えておくと心強いものです。
今回は、稲田俊輔さん、堤人美さん、近藤幸子さんの3人に、「塩だけ」「しょう油だけ」で味つけするレシピを教えていただきました。「これだけで本当においしくなるの?」と実験気分で、まずは一度つくってみてください。
わが家では、稲田さんの「鶏の漬け焼き」が子どもに大人気で、何度も食卓にのぼっています。こんなに簡単でいいのかと不安になるくらいのレシピなのですが、出来上がってみれば大満足のおいしさ。味つけを失敗することがないので、疲れていても何も考えずに作れるのがうれしいところです。このレシピにまつわるエピソードが綴られた、稲田さんのエッセイもお楽しみに。(担当:田村)