自分たちで、作って食べる
(29号「檀太郎さんと檀晴子さん 二人の台所から」)
ともにエッセイストとして活躍する、檀太郎さんと檀晴子さん。お二人は15年ほど前に住み慣れた東京を離れ、福岡市の離島、能古島(のこのしま)で暮らしています。食の分野に造詣の深いお二人。島ではどんなふうに過ごし、日々、どんな料理を作っていらっしゃるのか。暮らしはどんなふうに変わったのか……お話を伺いたくて、昨年末に能古島を訪ねました。
着いて早々、案内してくださったのは、ご自宅のすぐそばにある、それぞれの畑。そこには、ブロッコリーやカリフラワー、大根やねぎ、香菜などなど、20種類以上の野菜が栽培されていて、食べ頃のものを手際よく収穫していきます。
「でも、私は育てるのが下手で、何年経ってもまだまだ下手で。葉物野菜は虫食いで穴だらけだし」と晴子さん。「でも、おいしいの」と微笑む様子に、自分たちの手を動かして作る喜びを垣間見た気がしました。
誌面では、能古島に移住してからよく食卓にのぼるようになったという「エビの中華ふう炒め」と「かつお菜のパスタ」の作り方もご紹介しています。食に深い愛情を持つお二人だからこそ生まれた、工夫に富んだレシピをお楽しみください。(担当:井田)