あの日々を振り返って、今思うこと。
(26号「コロナ下の暮らしの記録」)
今年5月の連休前、ホームページやSNSを通じて、「コロナ下であなたが経験した、日常の暮らしについてお書きください」と呼びかけました。新たな感染症が発生し、日常が一変してから、早3年半。この間、みなさまはどのような毎日を送り、何を考えて過ごしたのか。大きなニュースの影で続いてきた、ひとりひとりの暮らしを知りたいと考えたのです。
日々を振り返って文章にまとめるのは手間がかかりますから、どのくらい集まるだろうかと、正直不安に思っていたところ、ひと月のうちに170編のお原稿が寄せられました。ご投稿くださったすべての方々に、この場を借りて心よりお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
誌面には、そのうち18編を掲載しています。できるだけいろいろな地域や職業の方のお話を載せたいと考え、編集部で繰り返し読み、悩みながら選びました。
エッセンシャルワーカーとしてドラッグストアの店頭に立ち続けた。自営のお店をたたんだ。一斉休校をきっかけに子どもが不登校になった。オンライン授業の運営に奔走した。コロナ下での出産や介護、闘病体験、海外との行き来で困難に直面したなど。
暮らしを変えざるを得なかった当時のことを素直に綴った文章は、何度読んでも胸に迫るものがあります。少し意外に感じたのは、どんな状況でもささやかな幸せを見つけ、前向きに生きていこうとする内容が多かったこと。それに慰められる一方、子どもや学生、新入社員など、年若い方々の苦労も忘れることができません。
現在も続いている「コロナ下」。18名の記録をご覧になって、あなたの暮らしと、その時の社会はどうであったか、振り返るきっかけになればと願っています。
そしてまた、新型コロナウイルスの感染により亡くなられた方のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。(担当:佐々木)