「難民」って誰のこと?
(24号「『難民問題』とこの国のかたち」)
今、入管法(出入国管理及び難民認定法)の修正案について、大きく報道されています。母国で命の危険にさらされるなどして日本に逃げてきた人々の人生が左右される、重要な法律なのですが、「実は何が問題かよくわからない」という方も、案外たくさんいるのではないでしょうか。島国の日本では難民の人たちと触れ合う機会が少ないので、それも無理からぬことと思います。
本企画では、母国に帰れない事情を抱え、日本での在留資格も得られず、不安定な身分で暮らしている方々にお話を伺いました。南アジアから来た40代の独身男性と、アフリカ大陸からやってきた女性とその子どもたち。子どもたちは日本生まれの日本育ち、ほとんど日本語しか話せません。
取材以来、高校生になったばかりの少女がぽつりとつぶやいた言葉が、しばしば耳によみがえります。
「このまま在留資格がもらえなかったらと思うと、怖くなる」
子どもというのは本来、自分の将来に壮大な夢を見たり、無謀なことにチャレンジして失敗したり、そんな自由が許される存在ではないでしょうか。それにもかかわらず、彼女は「健康保険に入れないままかも」「大きくなっても働けないかも」などという不安で押しつぶされそうになっている……。
移民難民政策に詳しい専門家や、難民支援を行う団体スタッフのお話、また、「難民と移民はどう違う?」といった素朴なQ&A集を掲載しています。「難民問題」の入門編として、どうぞお読みいただけたらと思います。(担当:島崎)