半世紀前のお菓子作りに想いを馳せて

2022年12月07日

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半世紀前のお菓子作りに想いを馳せて
(21号「おじいちゃんのお菓子と型」)

物語は、昨冬にさかのぼります。

本誌連載「てと、てと。」でおなじみのライターの渡辺尚子さんが、昨年発売された15号の特集「ショートケーキはいかが?」を読んで、ケーキ作りに挑戦。何度も作るうちに、その奥深さにすっかり夢中になり、オーブンに張り付いて、夜な夜なスポンジケーキを焼く日々が続いたそうです。

そのことを知った友人の小林由加さんが、15年前に亡くなった祖父・三好正人さんの遺品であるたくさんのお菓子の型や道具を、渡辺さんに譲りました。これが、今号の特集記事「おじいちゃんのお菓子と型」のはじまりです。

道具や型はとてもたくさんあったので、お菓子作りが好きな友人、写真家のローラン麻奈さんと分けることに。2人は、「正人さんってどんな人だったのだろう」「どんなお菓子を作っていたのかしら」と思いをめぐらせました。

残念ながら、正人さんのレシピは残っておらず、孫娘の由加さんの思い出から、どんなお菓子だったのか想像して作ってみることに。そうして、由加さんが一番好きだったという焼き菓子「ポルテ」、ツリーに飾るアイシングサブレ、クリスマスのフルーツケーキの3種の味を再現することができました。

少し手間がかかるレシピではありますが、いずれもとてもおいしいです。試作してみるとアイシングサブレがサクッサクで、自作のクッキー史上一番の出来で感動しました。ぜひ大切な誰かを想いながら、作っていただけたらうれしいです。(担当:小林)


暮しの手帖社 今日の編集部