手間も楽しめたら

2022年03月31日

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手間も楽しめたら
(17号「木の家具を手入れする」)

私事ですが、昨年のちょうど今頃、引っ越しをしました。
新居には、愛用のオイル塗装のテーブルと椅子を置きましたが、
何もかもが新しい暮らしの中、ちょっとくたびれて見えました。
購入して7年、これまで自己流で手入れしていたつもりでしたが、
表面はささくれ、触るとざらざら……。
テーブルに対して申し訳なくなり、ちゃんとした方法を知りたいと思ったのが、
「木の家具を手入れする」を企画したきっかけです。

ご指導いただいたのは、日本を代表する家具メーカー、
飛驒産業株式会社の大橋総美(おおはし・さとみ)さん。
同社は、ウレタン、ラッカー塗装の家具も含めて幅広く扱っていますが、
今回はオイル塗装を中心とした手入れ方法を教えていただきました。
使う道具は、紙やすり、オイル、ワックスなど、いずれも入手しやすいものばかりです。
取材後、わが家のテーブルで試したところ、
やすりがけは、まるで古い角質を落とすようで、
オイルを塗ればぐんと浸透し、内側から輝くようなツヤが生まれました。

オイル塗装の家具には、定期的なメンテナンスが必要です。
ウレタン、ラッカー塗装と比べると、手間がかかるのは確かですが、
木を慈しみながら、経年変化による味わいを楽しめます。
今回ご紹介している方法は、コツさえ押さえれば
誰でも簡単にできるものばかりです。
ぜひお試しください。(担当:中村)


暮しの手帖社 今日の編集部