3皿だけで、お腹も心も満たされます
(9号「3皿のご馳走」)
2020年もそろそろ終わり。
今年は本当に大変な1年でしたね……。
何かと気忙しくなりがちな年末年始ではありますが、大切な人とゆっくり食卓を囲んで、お互いを労う時間を持つことができたら——。そんな思いからこの企画をお届けします。
タイトルにある3皿とは、「前菜」「主菜」「デザート」のこと。
そう、これは小さなコース料理のご提案なのです。「いやいやコース料理なんて大変でしょ?」と思うお気持ち、わかります。けれど、ちょっと考えてみてください。お客さんをお家に招いて手料理でもてなすとき、テーブルに乗らないくらいの品数を作っていませんか?(かく言う私が、そうです!)足りるかしらと不安になってついたくさん作るけれど、料理を食べるのに夢中になって会話がお留守になってしまったり、結局余ってしまったり……。何より準備が大変だし、お客さんが席についたあとも、ホストはテーブルとキッチンを行ったり来たり、ということになりがちです。
「私たち日本人は献立で料理の組み合わせを考えますけど、それを1皿ずつ出したら、もうコース料理なんです。あれもこれも、ではなく、1皿をじっくり味わうことになるので、少ない品数でも、満足感を得ることができるんです」
そう話してくれたのは、今回の指導者である料理研究家の上田淳子さん。
3皿を慌てて出そうとせずに、料理と料理の間に15分くらいのインターバル(間合い)があっていいこと、またデザートは、
「買ってきたものでいいんです。ゲストに買ってきてもらいましょう!」という力強い(?)メッセージもいただきました。
中でも心に響いたのは、
「会話こそが一番のご馳走なんですから」という言葉。
お客さんをもてなしつつも、あなた自身が癒される食卓になりますように。(担当:田島)