喫茶店は好きですか?
(4号「まちの喫茶店」)
子どもの頃、父に連れられて行く喫茶店が好きでした。
カウンターでサイフォンがぽこぽこ音を立て、
大人の男性たちは煙草をくゆらせながら新聞を広げ(昭和の時代の話です)、
ときに客と店主との間、客どうしで、なんてことない世間話がくり広げられる。
いま思うと、大人たちは、じつにくつろいだ表情をしていた気がします。
コーヒーは家でも飲めるのに、私たちはなぜ、喫茶店に行くのだろう?
今回の記事は、そんな思いから出発し、ある町の喫茶店を数日取材して編みました。
このお店を紹介したいというよりも、「喫茶店という居場所」の空気を切り取ってみたいと思ったのです。
「暮らし」は、家の中だけで完結するわけじゃないし、町の中にも私たちの居場所はある。
いまも私たちはどこかで、他人とのささやかなふれあいを求めているんじゃないかな。
取材を通して、そんなことを思いました。
あなたのまわりにもきっとある、そんな居場所に思いをはせながら、読んでいただけたらうれしいです。
(担当:北川)