高山さんの看取りの記

2020年01月28日

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高山さんの看取りの記
(4号「母を送る」)

昨年の夏、料理家・高山なおみさんのお母さん、照子さんが逝去されました。
90歳になられたばかりでした。
この「母を送る」には、
高山さんが照子さんを看取るまでの出来事が綴られています。

照子さんが体調を崩されてからというもの、
神戸のお住まいから静岡のご実家に帰られるたびに、
高山さんの連載を担当する私が、
原稿や校正のやり取りで困らないようにと、連絡をいただいていました。
夏が近くなったころ、その頻度は高まりました。
そのうち、私はだんだんと、とても他人事ではなく、
いつか自分にもかならずやってくるだろうその時を想像するようになっていました。
私の母も遠くに住んでいます。
暮らしは昔よりずっと便利になっているはずなのに、なぜか忙しい現代社会。
高山さんと同じような状況になった時、自分はどうするのだろうか。
仕事は? きょうだいたちとはうまくやれるのか……。

そして、夏のある日、高山さんからお電話をいただきました。
照子さんが旅立たれたこと、きょうだいたちとみんなで見送ることができて、
いまは不思議と清々しい気持ちだとお話しくださいました。
照子さんの命の終わりをしっかりと見届けられたのだろうと、
私の気持ちまでが、すーっと安らかになったのをおぼえています。
私も、そんなふうに見送ることができたら、という思いから、
今回の看取りの記を書いていただきたいとお願いすることにしました。

病床で流動食しか受け付けなくなった照子さんのために、
高山さんが作ったとろみスープ「かぼちゃととうもろこしのポタージュ」が
「気ぬけごはん」で紹介されています。離乳食にもおすすめです。
ぜひ、こちらもご覧ください。
(担当:村上)


暮しの手帖社 今日の編集部