あんこを愛するすべての人へ

2019年10月09日

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あんこを愛するすべての人へ
(2号「身体にやさしい おうち和菓子」)

あるとき、取材先の方とお話ししていたら、その方がこんなことをおっしゃいました。
「私は大のあんこ好きなのですが、わけあって、お砂糖は控えなきゃいけないんです。それで、砂糖が控えめだったり、砂糖の代わりにハチミツを使っているような和菓子を探しているんですが、なかなかないんですよね」
なるほどなあ、と思って、そんな和菓子をつくっているお店を探してみると、東京にも数店舗があるだけのよう。
あんこはそもそも手軽に炊けるものだし、低糖で身体にやさしい和菓子を、家でつくれる企画ができないかしら。そう思い立って、和菓子作家の金塚晴子さんにご相談したのでした。
打ち合わせにお伺いすると、テーブルには、小皿にのったあんこがずらり。小豆に対してきび砂糖を半量使ったあんこ、さらにきび砂糖を減らして甘酒を加えたあんこ、黒糖を使ったあんこも……。ちなみに、一般的なあんこは、小豆の同量以上の砂糖を使っています。
次々に試食すると、「これはあんこというより、煮豆かな」というものもあれば、「まさしくあんこだ!」と思うものもあり。金塚さんと話し合い、小豆に対して3分の2量ほどのきび砂糖を使ったあんこをご紹介することにしました。
あんこにおける砂糖の力は偉大で、しっとりとした仕上がりになるのは、砂糖をある程度使ってこそ。今回の「きび砂糖3分の2量あんこ」は、ややぱさっとした質感になるので、このあんこでどんな和菓子を無理なくつくれるか、金塚さんは試行錯誤してくださいました。
どら焼き、あん焼き、お汁粉、栗蒸し羊羹……。どれも、ドライフルーツやナッツを組み合わせるなどのひと工夫で、たいへん満足のゆくおいしさです。たっぷりのほうじ茶、または中国茶を淹れて、ほっとくつろぐおやつの時間をお楽しみください。(担当:北川)


暮しの手帖社 今日の編集部