白いご飯がすすむすすむ!
(99号「乾物上手は料理上手」)
「忙しいとき、作る人の助けになる料理」。
これは、近年制作した小誌の別冊、『暮しの手帖のシンプルレシピ』
『暮しの手帖のクイックレシピ』『これでよゆうの晩ごはん』などの根幹にある趣旨です。
限られた時間で手早く作れて、特別な材料や技術が必要ないレシピ。
そしてもちろん、一番大事なのはおいしいこと。ただ早く作れれば、簡単にできれば、
というばかりでは少しさみしいですから。
そんな本づくりのなかでよく登場して、文字通りいい味出してる食材が、
乾物だなって、気づいたのです。
香りもうま味も、ぎゅっと凝縮されていて、乾物を加えるだけで、ぐっと深い味わいになる。
ああ素晴らしき哉、乾物。
常温でストックしておけるのも大きな魅力ですね。
でも、使いかけの乾物の袋がずっとキッチンの棚にある、なんてことありませんか?
そう、乾物を上手に使いこなせたら、それが料理上手へステップになるのでは?
そこで、教えを請うたのは、有元葉子先生です。
有元先生ご自身が、ひじきやきくらげ、乾燥豆などが大好きで、
ふだんの料理に活用されています。
「乾物といえば、和の煮もの」と思いがちだけど、
それでは、毎日たっぷりというわけにはなかなかいきませんね。
そうか、洋風に中華風にと、もっといつものおかずに幅広く使えれば。
そう考えて教えていただいた、8品の料理を掲載しています。
撮影後の試食では、なかでも特に「きくらげと豚肉の辛味炒め」がすごかったのです。
きくらげ独特の食感とうま味、豚肉とともに、ピリ辛のしっかり味をまとって、
白いご飯が何杯も食べられてしまう。おかわりして、たっぷりいただきました。
そして「干し椎茸の中華風汁そば」や「裏白きくらげの中華和え」。これも絶品です。
さらに「ひじきとベーコンのパスタ」は、目からウロコのイタリアン乾物料理です。
食べる人の箸が進むこと間違いなしのレシピばかりです。
ぜひお宅の棚にある乾物を、今日はちょっと違った料理に生かしてみてください。
(担当:宇津木)