足元に咲く、春の野草をいけてみませんか?
(99号「春の野草をいける」)
ある日の美容院でのこと。手にした本には、身近な草花がお皿や器などにいけられた写真がずらり。草花たちの、自然でやさしくて、どこか凛とした佇まいの姿にくぎ付けになりました。いけているのは、花の教室「日々花」を主宰されている、雨宮ゆかさんです。
なんてすてきなんだろう、私もそんなふうに、いけられるようになりたいな。そんな気持ちがきっかけで、雨宮先生の花教室に通い始めました。
草花をいけると、季節を肌で感じられたり、思わぬ姿への変化に驚いたり……。毎日愛でると、植物の性格が伝わってきておもしろく、小さなたのしみが出来ました。わたしは一人暮らしですが、なんだか同居人がいるような気持ちです。
今回、身近な春の草花を中心に、器や、焼き菓子の型などに自由にいけられた作例をたっぷりとご紹介しています。いけ方のコツも教えていただきましたので、ぜひ暮らしのなかで、小さな春をたのしんでいただけたらうれしいです。
打合せ日のお昼に、写真家のご主人、雨宮秀也さんが手作りのフキノトウ入りフォッカッチャを焼いて下さったことも忘れられません。春の便りのような、ほんのりとした苦味がとてもおいしかったです。(担当:佐藤)