「なるほど」に満ちた、トスカーナのレシピ
(97号「ズッパを知っていますか?」)
「トスカーナでは、パスタと同じくらい愛されているのがズッパなんですよ」
トスカーナの田舎町で10年間暮らし、鎌倉でイタリア料理店「オルトレヴィーノ」を営む古澤千恵さん、一記さんからそんなお話を伺ったとき、思わず聞き返してしまいました。
「ズッパって何ですか??」
卒業旅行以来、イタリアの地を踏んでいない私にとっては初耳だったのですが、「ズッパ」は、旬の野菜や豆をたっぷり使い、コトコト煮込んだ、言わば、食べるスープのことだそう。
「ダシや肉を使わず、野菜や豆だけを煮込む簡素なスープですが、滋味深い味わいに仕上がります。その秘訣は、煮込む前にじっくり蒸し炒めをすることとオリーブ油。たっぷりのオリーブ油を使うので、最初はびっくりするかもしれません」
その言葉通り、いただいたレシピには「オリーブ油大サジ6杯」の文字が……。
多すぎやしないだろうか。ドキドキしながら試作をしてみると、たっぷりのオリーブ油がダシ代わりとなり、コクのある味わいに。
じっくり時間をかけて蒸し炒めした野菜は甘味たっぷり。
その仕上がりに、思わず「なるほど」とうなってしまいました。(担当:井田)