暮しの手帖87号「今日の買い物 熊本へ」

2017年04月24日

bl_DSC_0021

 朝日に照らされたうつくしい熊本城にはじまり、ユニークなディスプレイが印象的なアクセサリー店や、人とワインとをつなぐ自然派ワイン店の店主のおはなしなどなど、熊本の魅力的な人やお店をご紹介している今号の「今日の買い物」。
 連載の執筆者である岡本仁さんに熊本について書いていただくのは、実は、今回が2回目。1回目に書いていただいたのは、昨年の3月末でした。岡本さんから原稿をいただき、レイアウトも仕上がり、あとは取材先へ確認をとるだけ……という段階で、熊本地震が起きたのです。
 地震の被害でたいへんな状況にもかかわらず原稿のお返事をくださる取材先もあり、予定通り記事を掲載したいという思いもありましたが、岡本さんと相談をした結果、地震後の熊本に足を運んで再取材をしたうえで、あらためて掲載をしよう、ということになりました。
 今年の2月、二度目の熊本取材が終わり、誌面構成の打ち合わせをしていたときのことです。岡本さんは「地震については、あまり書かないと思います」といいました。地震後、いくども熊本に足を運び、街を歩き、言葉を交わすなかで、熊本で暮らす人々はみな、前を向いていると感じたのだそうです。だから、いまのその空気を伝えたい、と話してくれました。
 後日、岡本さんから届いた原稿には、こんな言葉がありました。
「前に進む熊本は、これまで以上の魅力を持った街に、きっとなるだろう」
 いきいきとした人と場にあふれたいまの熊本を、誌面を通して感じていただけたらと願っています。(担当:井田)


暮しの手帖社 今日の編集部