暮しの手帖87号「かき揚げに挑戦」
身近な食材でさっとでき、食卓をぐっと豪華にしてくれる、「かき揚げ」。
おかずにもおつまみにもおやつにもなり、みんなが大好きな家庭料理のおたすけメニューです。けれど、「自宅で作るのは難しそう」、そう思われる方は多いでしょう。
かく言う私も、そう思っていました。よみがえるのは、油の中で食材がばらばらに散ってしまった、ある日の苦い思い出……。
でも、「おいしいかき揚げを家で食べたい! かき揚げをさっと揚げられる人になりたい!」
私は諦めきれず、料理家の上田淳子さんに、「失敗知らずのかき揚げレシピ」の考案をお願いすることに。数日後、打ち合わせのためにお宅に伺った私に、上田さんは、定番から旬の食材を使ったかわり種のかき揚げまで、計12品のレシピをご提案くださいました。
明快な理論に裏打ちされた、シンプルなレシピ。「4つの秘訣を押さえれば、かき揚げはまったく難しくありませんよ」と上田さん。確かに、簡単そうです。
それでも「本当に、初めてかき揚げを作る人でも、うまく作れるかしら……」と気を揉んでいると、そこに「ただいま~」と上田さんの双子の息子さん、和範さんと将範さんが帰ってきました。
食べ盛りの20歳、揚げものも大好きだそうです。お二人の姿に、私ははっとひらめいてお願いしました。
「上田さん、本当に失敗知らずにおいしく作れるか、息子さんたちにこのレシピでかき揚げを試作してもらえませんか?」。本号の「かき揚げに挑戦」企画は、かくして、スタートしたのでした。(担当:島崎)