取材終わりに、フリージアの花をいただいて帰ったことがありました。手のひらにも満たない小さな黄色い花が、殺風景な仕事机をぱっと明るくしてくれたことをよく覚えています。みずみずしい香りがして、柔らかい茎やつぼみもかわいらしく、そして何より、思ったよりもずっと長い間、咲き続けてくれたのです。調べてみると、フリージアは他の球根系の花と比べて長持ちしやすい品種でした。
花の個性はさまざまです。見た目の違いはもちろんのこと、「低温に強い」「茎が腐りにくい」といった扱いやすさの違いや、香りの強弱、枝が曲げやすいかどうかなど、飾るときに知っておくと便利な特徴もあります。
新刊『花と暮らし』では、そんな花の豊かな個性を知り、より美しくいけたり、より長持ちさせたりするための工夫を取材しました。
その一部をご紹介します。
●「花を美しくいけるための5つの基本」(22~31頁)
いけばな草月流で教える基本の「型」から、花や花器のバランスのとり方、花材の扱い方を学びます。
●「いただいた花束をいける」(32~41頁)
基本の型を踏まえつつ、生活空間に合わせたアレンジに挑戦します。今回は、花束を一つ用意して、そこから花を選んで組み合わせ、家中のさまざまな場所にいけました。
●「切り花を長持ちさせる方法」(42~49頁)
切り花がしおれるメカニズムを学び、基本のケアをご紹介します。
どの記事も、この春はもちろん、これから先もずっと役に立つ情報を選りすぐって掲載しています。気になったものから、じっくり試してみてください。自分の暮らしに合った花や飾り方が見つかるかもしれません。(担当:山崎)
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