忙しいあなたのお役に立ちます
(98号「驚くほどお肉がおいしくなる『塩糖水漬け』」)
「塩糖水」は、えんとうすい、と読みます。わたしたちの造語です。
「塩、砂糖、水しか使わないのに、こんなにお肉がおいしくなるなんて!」という驚きをストレートに伝えたく、言葉を作ってしまいました。
今もわが家では塩糖水に漬かった鶏ささ身が私の帰りを待っています。
今回ご指導いただいたのは、料理研究家の上田淳子さん。
上田さんは、フランスのシャルキュトリー(ハムやソーセージなど食肉加工品を販売するお店)で働いていた経験を持っています。そこで、塩・砂糖・スパイス類を水に溶かした「ソミュール液」と呼ばれるものに塊肉を漬け、肉に風味と柔らかさを加える方法を学んだそうです。
帰国後、ふと思い立って、スーパーで売っていた「鶏むね肉」をソミュール液に漬けてみた上田さん。いつもはパサつくむね肉がしっとり、「こりゃあいい!」と大感激。
そこで「パサつきがちな肉」に焦点を当てて、鶏ささ身、豚ロースの厚切り肉、豚こま肉といった具合に次々と試し、ちょうど良い塩・砂糖の分量を割り出しました。
フランスでは大きな塊肉に使われていたソミュール液を、少ないグラムで売られている日本のお肉に対応させた上田さん。
お肉が柔らかくなるだけでなく、ほどよい塩味がついてお料理の味が決まりやすくなること、またお肉が少し日持ちするようになるということも、大きな大きなメリット。
誌面では、塩糖水漬けのお肉を使った料理を、はりきって12品もご紹介しています。
今夜はその中から、「鶏ささ身の紙包み蒸し」を作る予定のわが家。
このレシピ、感涙ものの簡単さ&おいしさなのですよ……。
もう何度作ったことか……。
「塩糖水漬け」が、みなさんの毎日の食卓にもお役に立ちますように。(担当:田島)