本屋さんに行くと、掃除のハウツー本がずらっと並んでいる昨今。
限られた時間のなかで、部屋をどうきれいに保つか、みんな試行錯誤なんだなあと感じます。
ハウツー本を開いてみると、道具や洗剤の一覧表、がんこな汚れの掃除法、散らからない収納づくり等々、盛りだくさんの内容です。
とても有益だけれど、こんな思いが去来しました。
「そもそも、掃除って、こんなに難しいことだったっけ?」
ほうきで掃けばゴミが集まり、雑巾で拭けば汚れが取れる。
自分の手を使えば、部屋はきれいになる。
年末に発売するこの号で、そんな当たり前のことをもう一度想起させる掃除の企画を、という思いで形にしたのが、「掃除に一生懸命」という企画です。
この企画では、保育園、銭湯、レストランに、普段の掃除方法を見せてもらっています。どこも、汚れやすいけれど、清潔に保つことが求められる場所。
そしてそれぞれ一般のお家のリビング、お風呂場、キッチンに置き変えられる場所でもあります。
日々の業務の合間に、どんなふうに掃除に手をかけているのか、じっくりとレポートしました(保育園編ではかわいい子どもたちの掃除風景も見ものです)。
実感したのは、その場所の印象を決めるのは、インテリアでも間取りでもなく、まず「掃除が行き届いているかどうか」が大きいということ。
不思議なことですが、隅々まで清潔に保たれている場所は、その場にパッと立つだけで、受ける印象が違うのです。そんな環境で日々過ごすことができれば、どんなに気持ちが良いだろう。清潔がもたらす心と体への影響は、きっと小さくない……。
そんな実感を持って取材から帰り、我が家にウンザリした私ですが(笑)、
もうひとつ分かった事実、掃除に技術はいらないということを救いに(汚れががんこになったら工夫が必要ですが)、とりあえず手に取りやすいところに雑巾を置いてみました。
まずは我が家の1カ所だけでもいい、雑巾を握ってちゃちゃっと拭いてみることから始めてみよう。私と同じように、そんなふうに思ってもらえたら嬉しいです。
(担当:田島)
カメラマンの松村隆史さんはヒゲがトレードマーク。最初は遠巻きに見ていた保育園児たち、取材の後半ではこんな感じに。