「おいしいものを食べたい、食べさせてあげたいという気持ちはあるけれど、忙しくてつい、よゆうがなくなってしまう。晩ごはん作りって、そんなふうに理想が現実から遠ざかってしまいますよね」
このたびの別冊『これで よゆうの晩ごはん』の挿画を描いてくださった絵本作家・ヨシタケシンスケさんの言葉に、私は深く頷きました。
この別冊は、まさにそういった理想と現実の狭間でお悩みの方にお役立ていただきたい。そんな思いで制作した1冊です。
この本でご提案しているのは、ちょっとしたひと手間でできる朝10分の「下ごしらえ」と夕方20分ほどの手軽な「仕上げ」で作る料理。朝から半日おくことで、素材が柔らかくなったり、味がじんわりとしみ込む。そんな、時間がおいしくしてくれるレシピです。
そのほかにも、少ない材料でさっと作れる副菜や、そのままでもいただけて、別の料理にも展開できる「常備菜」もご紹介しているので、1冊の中の好きなおかずを組み合わせれば、あっという間に晩ごはんの献立がととのいます。
すべてのレシピは、担当編集者らが試作をして手順を確かめているのですが、あまりの手軽さ、そしておいしさに、試作は終わっているにも関わらず、家でもくり返し作ってしまったほどでした。
ある日、朝下ごしらえをして、仕事に出かけたときのこと。帰りの電車の中で「あぁ、今日は下ごしらえをしてきたんだった」と思い出したとたんに、ほっとした心持ちになり、からだの力がふっと抜けました。そのときに思ったのです。この下ごしらえは、なんだか朝の自分からの小さなプレゼントみたいだなぁ、と。
本の詳細は下記のリンクから。または、書店でぜひご覧ください。(担当:井田)