おいしくできたら嬉しいな

2018年09月27日

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おいしくできたら嬉しいな
(96号「料理力って何でしょう?/瀬尾幸子さん」)

よし、作る。作るぞ……! と、気張らなくても作れて、
きちんとおいしいのが瀬尾幸子さんの料理です。
「自分がつくれる料理をおいしくつくれば、それでいいのよ!」という心強いエールがきちんと届くように、今日からすぐに役立つレシピを、アレンジも含め全13品教えていただきました。

使うのはじゃがいもやレタス、玉子といった定番の食材に、基本の調味料。
手順もこれ以上ないほどに簡潔ですが、さておいしさの秘密はどこに?

打ち合わせや撮影の合間、瀬尾さんは「ここは手を抜いていいところ」
「ここは手をかける」「素材をよく見てね」とたびたび口にしていました。
ぜんぶを頑張らなくていいということですね? 
ありがたいなぁと思っていたのですが、実に理にかなったレシピなのだと腑に落ちたのは、後に試作をした時のこと。楽に見える部分も手抜きのためではなく、そうやって作ると、おいしいからなんです。

例えば、「玉じゃが」(p.26)。具材を切って、調味料を加えて火にかけるだけという本当に簡単な料理ですが、水と火加減の検証のため、計5回も試作することとなったこの一品。
肉じゃがと違って、肉やダシを使いません。その代わり、旨みの素の玉ねぎをたっぷり入れてくださいね。最大のコツは、ちょっと驚くほどの(!)火の強さ。じゃがいもが煮崩れないように、強い火加減で、短時間で仕上げます。こんなに強くて大丈夫かな? という心配は杞憂です。食べてみれば、料理ってこれでよかったんだ、だってこんなにおいしいんだもの……! と、胃袋が教えてくれますよ。

教えていただいた料理は、どれも気負わずに作れて、毎日を助けてくれるものばかり。
おいしくできて、嬉しいな。このささやかな喜びがあれば、毎日の料理はきっと変わるでしょう。(担当:佐々木)


暮しの手帖社 今日の編集部