●今年も一度きりの夏が
(95号「あの夏の日の写真」)
5月のある日、私の元に、一通の茶封筒が届きました。
裏返してびっくり……。差出人の名は、「樹木希林」。そう、映画などでご活躍の、役者の樹木さんです。春から働きはじめた新米編集者であるわたしは、急ぎお礼の手紙をしたためて、久々に目にしたパノラマ写真と直筆原稿を、ドキドキしながらお預かりしました。
本企画はこんなふうに集まった、忘れられない「あの夏」をぎゅっとつめこんだ頁です。
寄せてくださった写真に写るのは、仕事、遊び、旅……とそれぞれの思い出。
でもそのいずれにも、
「この海風の気持ちよさ、分かるなぁ」
「パフェ、うれしいよねぇ」
と、どこか自分にも身に覚えのあるような……。若いひとには若いひとの、長く生きたひとにはそのひとなりの忘れられない夏があり、記憶の奥深くにあるそれが、呼び起こされるのでしょうね。
それにしてもみなさん、いい顔です。どの季節も一度きりなのに、夏の思い出はとびきり強く刻まれる気がします。
皆さんの「あの夏」は、どんな光景でしょうか?
(担当:佐々木)