この企画は、一通の読者アンケートはがきから生まれました。
送り主は、57年前、連載「ある日本人の暮し」の取材を受けてくださった、元機関士の川端新二さんと、その妻の静江さん。おはがきには、こう書かれていました。
「貴誌は全部、大切に持っています。当時、若かった私共夫婦も、今では合わせて170歳になりました。熱烈な、『暮しの手帖』の応援団のひとりと自負しております」
川端さんご夫妻を取材したのは、初代編集長の花森安治。ご夫妻は、なぜこれほどまで、『暮しの手帖』を慕ってくださるのでしょう。
おふたりにお会いして見えてきたのは、一冊の雑誌と、ただひとつの人生が交わる、かけがえのない物語でした。(担当:北川)
暮しの手帖84号「『ある日本人の暮し』のふたり」
2016年09月26日