初版は1969年。親子二代、さらには三代にわたって、根強い支持を受け続けるロングセラーです。ちょっと懐かしい、忘れられない味の〈おかず〉を、今晩の夕食に。
家庭で食べたいのは〈料理〉ではなくて、〈おかず〉なのだといわれています。しかし、料理は料理学校で教えますが、おかずの作り方を教えるおかず学校はありません。
おかずは学校で習うものではなくて、母から娘へ、姑から嫁へ伝えてきたものだからです。いまは娘に、嫁に、おかずの作り方を教えるふうがなくなってきました。そこで母親にかわって作ったのがこの本です。いわば〈おかずの学校〉です。
日本料理の名人といわれた小島信平さんが、手早く、安くて、しかも、おいしいおかずの作り方を、お母さん以上にやさしく、あなたに教えてくれます。
味付けはたいていの人がいいと思う分量です。はじめはこの通りの味に作ってみて、二度目から、食べた人の批評を聞いて、あなたのお家の好きな味に変えていってください。
[目次]
春のおそうざい 46品
たけのことわかめとふきのたき合せ/貝柱のさんしょ焼き/豆ごはん/さつま汁/にんじんごはん/こんぶとふきのつくだ煮ふう/いかと生椎茸の串焼き/なまりとふきのわさびじょう油あえ ほか
夏のおそうざい 49品
あげなす/なすと青とうがらしのしょう油煮/冷やし茶わんむし/いわしの甘酢かけ/山芋の冷やし汁/いりこごはん/あじときゅうりのごま酢びたし/うなぎのざくざく ほか
秋のおそうざい 54品
木の葉カツ/とうがんととりの吉野汁/いもころごはん/麦とろ/さんまのしょうが煮/里いもと厚揚げの鮭みそあえ/津軽ふうみそなべ/アラと焼きどうふの田舎ふう ほか
冬のおそうざい 52品
やさいなべ/白菜とかまぼこの煮びたし/大根ととりだんごの煮こみ/切り干し大根と厚揚げの煮しめ/うどんなべ/ぶりのかす汁/ちくぜんだき/豚と大根の角煮ふう ほか
[著者]
こじま しんぺい
「吉兆」を経て独立し、「生野」の主人となる。「おそうざい十二ヵ月」を『暮しの手帖』に1956年の第一世紀33号から1969年99号まで62回にわたって連載した。1984年没。