この本にまとめた文は、1941(昭和16)年12月8日にはじまった太平洋戦争で、武器を持たずにただ黙々と生きてきた人たちの上に起こった、悲しいできごとを集めたものである。人の叡知とやさしさが、いまほど大切なときはない。後世の人に、いつまでも読みついでいただきたい一冊である。
[目次]
我が引揚げの記
(宮尾登美子)
雅子たおれず
(石田雅子)
戦争は悲しい
(藪下アサノ/田辺かつゑ/堀江セツ/松尾はつ/田中貞)
なぜ、どうして 二龍山開拓団の終末
(深田信)
ほんとうの戦争を語る
(新川初子)
戦争中の暮しの記録
暮しの消える日
(澤地久枝)
満洲引揚げ〈流沙〉の記録
行李の中から出てきた原爆のこどもの詩
デルタの記
(岡田春)