「押し花を始めると、身の回りのいろいろな花に興味が湧きます。四季ごとに変わる花々に触れていると、季節を追うのが楽しみになる。それは、言い換えれば生きるのが楽しみになることでもあるのです。」
取材のとき、そんなふうに話してくださった押し花作家の杉野宣雄さん。この言葉を聞いて、子どもの頃大好きだった「草花あそび」を思い出しました。シロツメクサで冠を編んだり、オオバコで相撲遊びをしたり。花を飾る楽しみを知った今より、当時の方が、花はより身近な存在だったように思います。そう感じるのは、かつての私が花一本一本と向き合えていたからかもしれません。
新刊『花と暮らし』では、押し花やボタニカルアートなどの手法を通して、花との向き合い方と、その楽しみをご紹介しています。見慣れたはずのパンジーも、じっくり向き合い、押してみると、これまで見過ごしていた形や色の美しさに気づきます。その発見と感動は、暮らしに彩りを与えてくれるのではないでしょうか。
さらに、今号では「花より団子」という方のために、お花見弁当のレシピもご紹介しています。藤井恵先生のアイデア満載の、お弁当三種の提案です。
今春は童心に返って、花とじっくり向き合う時間を持ってみませんか。この一冊が、そのお役に立てればうれしいです。(担当:須藤)
本の概要はこちらからご覧いただけます。