まるでキャンバスを彩るように
(25号「画家たちの花の庭」)
共に画家として活躍する佐藤翠(みどり)さんと守山友一朗さんの東京郊外のご自宅を訪ねたのは、5月上旬のこと。高台の一軒家には庭があり、ビオラやチューリップ、ヒューケラやクレマチス、バラなどが鮮やかな花を咲かせていました。小さな庭ながら色彩の美しさが強く印象に残ったのは、まるでキャンバスを彩るかのように、お二人が草花を植えているからなのでしょう。
窓辺には庭で摘んだ花が飾られ、天気がいい日は筆を置いて、庭でお茶を楽しむ。そんな日常からは、ささやかなことにも美しさと豊かさを見出すお二人の眼差しが感じられます。
園芸の知識はほとんどなかったけれど、いまや、「自分たちの制作にとって、庭の存在がとても大切」だと話す、佐藤さんと守山さん。そんなお二人の創作と庭とのかかわりが感じられる暮らしを、川島小鳥さんの写真とともにお届けします。(担当:井田)