がんばっている、すべての人へ

2021年10月11日

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がんばっている、すべての人へ
(14号「田村セツコさんとの25年 セッちゃんと、いっしょに」)

こんにちは、編集長の北川です。
全国で緊急事態宣言が解除されましたが、これまで休業や時短営業をしていた飲食店の方たちにお話を伺うと、「ようやくこの日を迎えられた」と安堵の声も聞こえてきます。まだ通常通りとはいかなくても、街に灯りと活気が少しずつ戻ってきたようにも思えます。

東京・原宿のビルの地下街にある喫茶店「シーモアグラス」は、この9月で25周年を迎えました。絵本をこよなく愛する店主・坂本織衣さんが一人で切り盛りする店は、絵本がぎっしり詰まった本棚があり、壁のあちこちに、作家のみなさんが残していった絵が飾られています。
開店当初からしょっちゅう姿を見せるのが、ご近所に暮らすイラストレーターの田村セツコさん。セツコさんが描く、夢見るような大きな瞳、すらりとした手足の女の子の絵は、きっと誰もが目にしたことがあるでしょう。
今回は、「セッちゃん」「おりえちゃん」と呼び合う、お二人の間にある物語を、坂本さんが綴ってくださいました。
私がセツコさんのお話を伺っていて、特にぐっときたのは、
「ウインクしている女の子を描くときは、一人でがんばっている女性に『大丈夫、大丈夫』って声をかける気持ちで描いているの」
という言葉でした。
いま、ひそかにがんばっている、すべての人に読んでいただきたい物語です。

なお、今回誌面でご紹介している、田村セツコさんが絵を描く手もとの写真(撮影は松本のりこさん)が、シーモアグラスで展示中です。お近くにいらしたら、ぜひ、ご覧ください。(担当:北川)


暮しの手帖社 今日の編集部