上水道のない、水のおいしい町
(3号「水のはじまり」)
ある日、写真家の長野陽一さんから、
美しい雪の世界の写真を見せていただきました。
白銀に覆われた山々、パウダースノーの上を颯爽と滑るスキーヤーたち、
そして「雪の結晶の写真はどうやって撮影を!?」と目が釘付けになりました。
長野さんはというと、
「この山の麓にある町の水がとにかく水がおいしいんですよ!」
と熱く語ります。
その、水がおいしいという北海道の中央部にある東川町は、火山群大雪山の主峰・旭岳の麓にある小さな町。
全国的にも珍しく、また北海道では唯一の上水道がない町なのだそうです。
それは、大雪山が蓄えた雪解け水が、長い年月をかけてゆっくりと地中深くにしみ込み、地下水となって東川町へ運ばれてくるからなのだとか。
町で暮らす人は、家の蛇口をひねれば出てくるミネラルたっぷりの天然水を
飲み水としてだけではなく、お風呂やトイレといった生活水として普通に使っているというから驚きました。
長野さんは、一年のうちでもわずかな雪のない時期である夏の雄々しい大雪山の撮影にも足を運び、町の人に水のおいしさの秘密と、大自然の恵みを受けながら、守っていく暮らし方を取材しています。
ぜひご覧ください。(担当:村上)